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ソドム・パラノイア  作者: Y
HELL CAN WAIT
77/301

72:ぶっかけ

 おいソドム、なにやってるんだ……ってメメメスに止められて、私はやっと気がついた。手を洗いすぎていたことに。


「なんか……綺麗にならない気がして……綺麗になってるのはわかってるんだけど……」

「そういう自覚があるなら大丈夫ですぅ」


 試合が終わると、ラヴちゃんは必ず控室で私達を迎えてくれる。


「今日はぁ、美味しいもの食べに行きましょうかぁ」

「ほんとか! やったぜ」


 メメメスが喜ぶのも正直わかる。ラヴちゃんの家で出てくるご飯は正直……美味しくないものが多い。(作ってくれてる人たちには悪いけど。)


「あ、仕方ないんですよぉ。うちの子たちはだいたい味覚失くしちゃったりぃ()()()()()()()してるのでぇ、仕方ないんですよぉ」


 ラヴちゃんってたまに、人の心を読んでるんじゃないかなって発言するよね。


「うーん何がいいですかねぇ。()()()()()()()()()()()()()はあなたたちでは理解できなそうですしぃ。そもそもメメメスが拒絶しそうですしぃ……あ、うどん!」

「うどん?」

「ええ、うどんです。好きなうどんを選択し、天ぷらも選べる。もう少し食べたければおにぎり、いなり寿司の選択も可能! 期間限定メニューもある激アツごはん、うどんですぅ! う、ドーン!」


 と、いうわけで、私達はうどんを食べることになりましたとさ。というか天ぷらはわかるけど……うどん……ってなんだろう。怪獣みたいな名前だけど大丈夫かな……。


 と、いうわけで、私達はうどん屋さんにきましたとさ。ってなにこれ……太くて白い……麺であることは確かだけど……明らかに太い……いや、太すぎない? というか白っ! 白すぎる……パンの白いところを麺にしたのかな……うう、味が想像できない!


「ら、ラーメンじゃねぇのか?」

「うどんですぅ」

「ラーメンじゃないの?」

「うどんですぅ」


 どうやらラーメンじゃないらしい。確かにこんな太いの、()()()でも見たことない。


「ねぇ、メニュー……似たようなのがいっぱいあるんだけど……」

「好きなのを選べばいいですぅ!」

「なにがちがうのこれ……」


 ざるとかけの違いはなんとなくわかるけど、かけとぶっかけの違いがわからない。なに? 勢い?


「ぶ、ぶっかけで……」

「メメメス! そんなに簡単に決断していいの?」

「名前的に、一番勢いありそうだから……」


 私とおんなじ発想だ!


「じゃあ私もぶっ……」


 いや、ちょっとまてソドム。はじめて食べるうどん。メメメスと同じメニューでいいのか? 違うメニューを頼んでシェアするべきじゃないか? いやいや、もし私がかけを頼んでぶっかけのほうが美味しかったら……。


「って、待って! 注文待って!」

「もう。早く決めてくださいよぉ」

「……か、かけ!」


 なぜ私がかけを選んだか。きっとその理由を言っても、誰も信じてくれないだろう。かけが私を呼ぶ声が――――聞こえたと。


「並にします? 大にします?」

「大! あ、いや並で!」


 私はこの直後、自らの判断が正しかったと確信することになる。なぜなら私達とレジの間には距離があり……天ぷらがずらりと並んでいたから! 大にしていたら、あれを、あれらを食す余裕が減る可能性がある……!(というかレジ遠いのにうどんの大きさはここで聞かれるんだ……。あ、うどん出てきた! え? え? あ、先に、先にうどんだけ受け取るの? あ、このおぼんにのせて……なるほど、この長いテーブルみたいなのはうどん置きなのか……。なるほど。)

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