表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソドム・パラノイア  作者: Y
heaven can wait
36/301

35:暗闇ナイフ

「あ……嘘っ」


 刺された。連続して斬る動きからの、真っ直ぐな突き。そんな初歩的なフェイントに……。


「つぁああああっ!」


 熱い。このナイフ、たち悪い。


「シュー、シュー」

「うう、こんなナイフで刺されたら私死んじゃうよぉ~いたいよぉ~」

「ゴボ!」


 ()()()()()からの、蹴り上げ! どうだ! フェイントのお返しだよ!


「シュ……シュ……」

「あれ?」


 もう動かなくなった。うひひ、大したことないじゃん。(刺された傷が治る痛みは、大したことあるけど。)


「シュー、シュー! シュー!」

「へっ! えええええええ!」


 なんで、なんで立てるの! 結構きつくやったよ? まさかこの人もナノマシンで治るタイプ?


「馬鹿野郎! 敵は一人じゃねぇよ!」

「えっ!」

 

 メメメスなんでここに。ってほんとだ、一人じゃない! ガスマスクの人めっちゃいる! 


(わり)ぃなって思って追っかけたらトラブルに巻き込まれてるとか、疫病神かよ」

「えええ、あの、ありがとう。あとごめんなさい!」

「うわ、おまえマジでぶりっ子だな」


 うう、言い返せない! 確かに今のタイミングでありがとうごめんなさいはぶりっ子感ある!


「チッ、ハンターか。コード404は出ねぇんだな?」

「うん、でも全員かはわかんないよ?」


 もし攻撃して404が出たら、一瞬動きが止められる。


「そうだな。適当にぶっ殺して逃げるぜ」

「殺すの?」

「あったりめぇだろ! なんだ、殺すのが嫌なのかよ?」

「いや、殺していい相手かどうかわかんないじゃん」


 もし、相手が強い人の身内だったら私達は大変なことになる……よね?


「ちっ、切り抜けるには殺るしかねぇぞ」

「うう、やっぱりそうなるよね――――博士!」


 遠くから聞こえた銃声。倒れるハンター。


「博士だぁ? ラヴクラインさんは家だぜ?」

「博士()()すごくうまいんだよ! よしもうやっちゃおうメメメス!」

「ったく調子いいやつだぜ!」


 博士が撃ったってことはきっと()()()()()()()だってこと。だってそうでしょ? 博士はかしこいんだから。


「おいソドム! ナイフに気をつけろ!」

「うん、わかってる!」


 はじめてメメメスと一緒に戦ったけど、なんだか相性は悪くないみたい。(敵としては最悪だったけど。)


「危ない! メメメス、銃だ! つぁああっ!」


 なんか勢いで、メメメスの盾になってしまった。でも仕方ないよね、メメメスは治らないし。ああ、痛っ……痛いなぁ。拳銃もってるなんて反則だよ。


「お、おい大丈夫かよ!」

「うひひ、痛いけど平気平気」

「動くな! あとは私が殺る!」


 メメメスは意外といいやつかもしれない。だって私が撃たれたのを見て、明らかに強くなったから。ハンターは全滅、私達の勝ち。


「おい! 傷見せてみろ!」

「い、いいってお腹だし! うわめくらないで!」


 強引! ワンピースひっくり返すなんてデリカシーなさすぎだよメメメス!


「おまえ……これ……」

「うん、私そういうふうなの」

「だからあれだけ殴っても……まったく怖いやつだぜ」


 ちょうど傷が完治しかけてるの見られちゃった……。あれ? そういえばナノマシンのこと言うなって、誰にも言われてない気がするな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ