#59 新たな仲間?
王都アーサー
「ちぃ…、何だい!急に!!」
ナイアは荒ぶっていた。クロと魔術師達と共に一度拠点に帰ろうと考えていたときにとても強力な魔力が込められた攻撃を受けていた。
「…風魔法、だとすれば先程の?」
クロがナイアに問いかける。
「だがあいつにこんな魔力は無かったはずです。…一体?」
ナイアとクロは結論を出せなかった。
「はーっはっはっはっ。これだ!この力があれば!!」
ナイアとクロは先程の男が宙に浮きながら魔法を放っている姿を見つけた。
「やはり先程の…」
「…でもちょうどいいかもしれないねぇ」
「何がですか?」
クロはナイアの言葉を疑問に感じた。
「たった数時間だけど学んだ魔法を試してみる機会が出来たって事ですよ!」
『ファイアーアロー』
通常のファイアーボールよりも速度の速い魔法を唱えた。
『ウィンドウォール』
魔術師の男は風の壁を作り出し、ナイアの魔法から身を守った。
「なるほど…。ならば」
クロはナイアの肩から飛び立ち、高いところから
『羽陣風刃』
クロは先程思い付いた、風切り羽から更にウィンドカッターが発動する魔法を放った。
それは見事に風の壁を穿ち、消滅させた。
「おおっ?クロさん!二重攻撃の魔法を?」
「はい、いきなりでしたが成功してよかったです」
「なら、私も負けていられないね!」
『ファイアーウォール』
『エクスプロージョン』
ナイアは男を炎の壁で囲い、内側に大爆発を起こした。
ラングがやっていた二つの魔法を同時に放つ攻撃を真似してみた。
「い、いやナイアさん…。あれ、死んだんじゃ?」
「…た、多分身を守ってますよ。大丈夫、大丈夫…」
ナイアはしまった。と苦笑いを浮かべた。
しかし、宙に浮いていた男はそのまま地面に落ちた。
「あっ、えっ?」
「ナイアさん…」
クロは再びナイアの肩に止まり、ジッとその目を見た。
「えっ?ええっ!?」
ナイアは認めたくはないような素振りでやりきろうとした。
「やっぱりダメだったか…。まぁわかってたけどね。でもさすが連合軍ってところかな?」
辺りに女性の声が響いた。
「…誰だい?」
ナイアは辺りを見回し、クロは臨戦態勢を取っている。
その視界に羽が生えた女性のシルエットが見える。
「あぁ、勘違いしないで敵対する意思は無いから」
次第にはっきりと見えてくる姿にクロは反応した。
「サキュバス…」
「お?私の事知ってる?さすがだね。ザリドから話を聞いてやってきたんだよ」
完全に姿を現したサキュバスにクロは話し掛ける。
「ザリドから?でも何でその男を?」
「まずは力を試したかったのよ。私は勝ち馬に乗りたいから」
「だとしても人一人の命を軽んじたこと許さないよ?」
ナイアは数歩前に出て、サキュバスに攻撃体勢を取る。
「……自分の事、棚に上げちゃう?これ、やったのは誰かな?あんな逃げ場の無い強力な魔法で」
「……」
ナイアは何も言わずに元の場所に戻った。
「…うん、それがいいよ。ところで魔王ラングは?」
サキュバスは辺りを見回した。
「今はいません。精霊に会いにいってますから」
クロが返答する。
「なんだ、そっか。じゃあ帰ってくるまであなたたちと一緒にいるわ。私はキュベ、よろしくね」
「よ、よろしくお願いします」
「よろしく…」
クロとナイアは変わらず警戒を続けることにした。




