#17 勇者が通った道
ソフィアは思い悩んだ、正確に言うと怖かった。
家に帰ったソフィア。
「ただいま」
ソフィアの両親はすぐにソフィアに駆け寄る。
「一体何があったんだ」
「………」
「?……ソフィア?」
ソフィアは何も言えなかった。
頭の中でぐるぐるぐるぐると到底表現が出来ない色々な考えや感情が巡った。
ひとまずコップに水を入れ、それを一気に飲み干す。
数秒目を閉じ深呼吸をした。
「先生が言うには魔王だって、私もそれを聞いてそう思った」
ソフィアの両親は顔を見合わせた。
父親は何も言わず書斎に向かった。
「あなた!?」
母親は呼び止めたが父親は一つの書物を持って戻って来た。
「ソフィア、これはアーサー様の冒険の書だ」
勇者アーサーの冒険の記録は伝記として流通していたがそれは本当の内容ではなく、商業誌として手が加えられていた。
「この冒険の書にはアーサー様がどこに行ったのか、何をしたのかアーサー様の言葉で書かれている」
ソフィアは書物に手を伸ばした。
「ソフィア、手に取ったら君の人生は今までとは全く違うものになるだろう、その覚悟はあるかい?」
ソフィアは少し止まったが
「私は漠然と何となくなんだけど必ず必要になると思って先生から魔法を学んで、剣術道場にも通った」
勇者アーサーの冒険の書が目の前にある、運命そして宿命を感じざるにはいられなかった。
不思議とソフィアから震えが無くなっていた。
「私はこれを読んでアーサー様の示した道を行く」
ソフィアは旅に出ることに決めた。




