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間幕 月下の白刃②

スピンオフ堤下栄編


仁藤編の誤字報告有難う御座いましたm(_ _)m



「はぁはぁはぁはぁはぁ……」


 俺は追っ手を、街中グルグル走り回って何とか撒くと、両手を膝について呼吸を整え始めたッス。


 やけに元気な警官だったっす……撒くのに一時間も走り続けなきゃなんなかったッス……。


「はぁはぁはぁ…はぁ~……」


 俺は最後に大きく息を吐くと、身体を起こして再び歩き出したッス。


「はぁ……しばらくはあの街には行けないッスね。あの警官に見つかったら間違いなく犯罪者扱いッス」


「……」


「だいたいあの娘は何だったんスかね……」


「……」


「確かに可愛い娘だったッスけど、俺は決してロリコンじゃないッス!」


「……」


「顔が可愛くてもあの胸じゃ……俺としては、こうもっとむぎゅっと胸が大きい……?」


「……」


「……」


「……」


「な……」


「……」


「な、何で君がここにいるッスかぁぁぁぁぁ!!」


「っ!!」


 自分の胸に両手を押し当てて、少し悲しそうな表情をしていた少女が、俺の上げた悲鳴混じりの大声にびっくりしてピョンと飛び上がると、こっちに抗議の視線を送ってきたッス!


 抗議したいのはこっちの方ッス!


「一体、誰のせいで逃げ回ってると思ってるんスか! さっきも言ったとおり、お金はそのままあげるから、さっさと家に帰るッス!」


「……」


 無言で首を振る少女。その目には強い光と決意が漲っているッス。


 ……この手の相手に、言葉で何かを諭そうとしても無駄ッスね……。こんな時間にこんな場所をうろうろしてるって事は気になるッスが、家庭の事情に首を突っ込むのは気が進まないッス……。


 ここは……


「逃げるが勝ちッス! 世間の荒波に存分に揉まれるがいいッスぅぅぅぅぅ!!」


 俺は脱兎の如く逃げ出したッス!


 俺の逃げ足は、水無月の兄貴も認めるとこ……な! 嘘!! 平気な顔で付いてくるッス!!!


 うぐ……こうなったら……


「風の精霊よ……我が手となり足となれ……」


 俺はそっと呪文を口ずさむと、風を纏って壁伝いに一気に建物の屋上まで登りつめたッス!


「アハハハハハハハッスぅぅぅぅぅ! バイバイきぃぃぃんッスぅぅぅぅぅ」


 哄笑と少女を残して、俺はその場を華麗に立ち去ったッス。


 ……もしかして俺の好感度下がりまくりッスかね……シクシク……。


 神様、俺が望んでいるのは、こんな出会いじゃなくて、もっと普通の出会いッス……。


 願わくばこの哀れな手下Aに愛の手を……出来れば巨乳で……出来れば年上で……。


「フゥ……到着ッス」


 俺は、マンションに到着すると、キョロキョロと辺りを見渡して確認したッス。


 辺りに人影なし。


 ホッとため息を一つ入れ、マンションのセキュリティーを解除して建物に入ろうとした、その時だったッス。



タッタッタッ……むんず



 軽いリズミカルな足音の後に、俺の上着に掛かる僅かな負荷……。


 俺はげんなりしながら後ろを振り返ったッス。


 そこにいるのは、さすがに汗は滲んでいるっすが呼吸は全く乱れていない、何かを訴えるかのように上目遣いでこちらを見上げている少女の姿だったッス。


 口元にキュッと力が入っているところを見ると、どうやら姫は些かご立腹の様だったッス。


「……はっ……なして欲しいんスけど?」


 あげかけた怒声を抑えて、小声でそう言ったっすけど、少女はブンブンと首を振って、上着から手を離してはくれなかったッス。


「……はぁ……分かったッス。取り敢えず、ここでは何だから部屋に来るッス。話はそこで聞くッス」


 俺がそう言うと、少女はほんの少し口元を緩めて、コクンと頷いたッス。


 ここでまた大声出して近所の人に見られでもしたら、俺は明日から素顔晒して部屋に戻ることが出来なくなりそうッス。


 それに……風を纏い、空を疾って此処まで来たはずなのに、この娘は地上の道を迷うことなく追い縋り、見事俺に追いつくことが出来たッス……。


 普通の人間では有り得ないその身体能力と得体のしれない能力ちからに、俺は興味や感嘆よりも、寧ろ不安と疑念を覚えたッス。


 風の精霊から伝わる気配は明らかに人の物であるのに、実際に目にした彼女の印象は妖怪に近いものだったッス。


 このまま彼女を野放しにしておくのは、些か不安が残るッス……。


 俺はそう考えて、彼女を部屋で監視することに決めたのだったッス。












 いやマジで。














 俺は周りに人気がないことを確認してから、監視カメラの死角を突きつつ部屋へと急いだッス。


 これ以上、犯罪者扱いはごめんッス。


 少女は、上着の端から手は離さないっすが、物珍しげにキョロキョロしてる以外はいたって大人しく着いてきてるッス。


 その顔立ちはさっきも言ったとおり、ややつり上がった目尻から冷たい印象を受けるッスが、その幼い見た目にはそぐわない深い闇が見て取れるような気がするのは、きっと気のせいではないッス。


 あいつと同じッスね……。


 そう心の中で呟く俺……。


 しかし、思い起こした一つの人影は、ジャポンの玉みたいに直ぐに弾けて消えたのだったッス……。




〜ッス修正地獄開始( ;∀;)

見つけたらご報告下さいww


面白かったらブクマ&☆ポッチン宜しくです。

twitter&ブログでの絡みもお待ちしております。

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