第4話 風呂
『たぬきはもう、おしまいです……』
たぬたぬは風呂場で泡だらけにされて、くたっと全身を投げ出していた。
「おおげさー」
オレはゲラゲラ笑いながらたぬたぬの体を洗った。
もっふもふの体は、濡らすと思いのほか細い。
細いというかガリガリだ。
「あー、それでお前。餌とかどうしたらいいの? 犬用でいい?」
『たぬきはぁ~。芋が好きですぅ~』
「そうか、芋かぁ」
オレはなんだか楽しくなって、たぬたぬをわっしゃわっしゃ洗った。
たぬたぬはといえば、まるでぬいぐるみのように大人しくしている。
これが死んだ真似か?
オレは感心しつつ、洗いやすいモケモケを遠慮なく洗った。
ついでに自分もボディソープで洗って、アワアワの体をシャワーでザーッと流す。
たぬたぬの体もザーッと流して、くったりした体を抱き上げると一緒に湯舟へと浸かった。
動物との混浴はよくないけれど、たぬたぬはあやかしだから大丈夫だろう。
どうせオレの泥だらけの服を予洗いするのに湯舟を使うし。
田舎といってもばーちゃん家ではなぜか、水も、湯も、使い方が大胆だ。
畑に使うからかな?
などと呑気なことを考えながら、オレはたぬたぬと温かい湯を楽しむ。
たぬたぬの方も、お風呂は気持ちがよいようでうつらうつらしている。
オレが抱っこしているから大丈夫だけど、一匹で入ったら溺れてしまいそうだ。
つか、あやかしって死ぬの?
あとでたぬたぬから詳しく聞くかぁ~、と思いながら、オレは湯舟に肩まで浸かった。




