第73話~え?ギルドは?~
な、何とかできました!
俺は今心から後悔している…
何故師匠をここに連れてきてしまったのだろうかと…
以前俺も本当にこうしてやろうかと思ったけど良心の呵責で出来なかったが、
俺の師匠はなぜこう迷いもなく出来るのだろう?
そう思いながら俺達は倒壊した冒険者ギルドを眺めながら遠い目をしていた。
俺達は師匠を連れてカルムの街へ戻ってきた。
そしてそのまま冒険者ギルドへ行くと師匠が言うので俺達は案内した。
…だがそれがいけなかった
ギルドに着くやいなや、いきなり師匠は入口の扉を何の躊躇いもなく蹴り破ったのだ!
ギルドの扉はスイングドアで押せば簡単に開くのにそれを思いっきり蹴って壊したのだ!
突然の事で俺達は反応も出来ず動くことが出来なかった。
だって、普通手で開ける扉をいきなり蹴り壊す人間がどこにいるだろうか?
いや、今目の前にいるんだけど…
そんな俺達を尻目に師匠はズカズカとギルドの中に入っていく
しかし一番驚いていたのはおそらく中にいた冒険者の皆さんであろう
何があったのかと動揺する人もいれば襲撃かと思い慌てて武器を持つ人の姿も見える
すいません…ただのパワハラが歩くだけです
俺達も入ろうとした瞬間ギルドの中から物凄い勢いで「何か」が飛んできた!
よく見るとそれは中にいた冒険者の1人だった!
しかも顔面を殴られたのか、かなりひどいケガだ…
おそらく師匠に絡んで返り討ちにあった人達だろうと思ってたら次々とギルド内から新たな犠牲者が飛んできた!
いや、どんだけ絡まれてるんだよ!そもそもどれだけ師匠に絡んできてるんだよ!
と俺は思ったが冷静に考えれば師匠は見た目はとても清楚で黙ってれば本当に美女なんだが、喋るとその印象は変わる
俺はなにか嫌な予感がして、被害にあった冒険者の介護を皆に頼んで俺だけギルドの中に入ったのだが、どうやら遅すぎたようだ…
中はかなり凄惨な状態になっていてテーブルや椅子は壊され、返り討ちにあった冒険者達がそこら中に倒れている。
何人かまだ無事な人達がいたが皆腰を抜かして動けないでいた。
そして俺の目の前には受付嬢を睨みつけてたたずんでいる師匠がいた。
「し、ししょ…」
「おい、ギルドマスターを呼べ今すぐにだ!」
「…あわわわ…」
「聞こえなかったのか?ギルドマスターを呼べと言っているのだ」
師匠やめてあげて!それ以上は受付嬢さんがもたないです!
俺は慌てて自分のギルドカードを提示して
師匠を宥める
「し、師匠待ってください!俺が呼びますから待ってください!あ、あのすいませんギルドマスターを呼んできてもらってもいいですか?」
「は…はい…しょ、少々…お待ちください…」
受付嬢さんは何とか立ち上がりギルドマスターを呼んできてもらった
その間に俺はこの参上を師匠に聞いてみた
「あ、あの師匠、この現場は?」
「ふん、見ての通りだ。私が入った瞬間下劣な輩が絡んできたからな、鬱陶しかったからな少々痛い目を見てもらっただけだ」
絡んできて鬱陶しかったのは仕方がないが少々痛い目ではないよなあれは…
半殺しでもなくほぼ全殺しな気がするが…
更にその後血の気の多い冒険者達が師匠に挑んできて、ある者は殴り飛ばされ、またある者は蹴り飛ばされ結果中にいたほとんどの冒険者達がやられたようだ。
師匠…さすがにやりすぎです
この状態なんて説明すればいいんだろう…
そう思った時ようやく奥からギルドマスターのヘイルダンさんがやって来た。
来るやいなや、惨状を目の当たりにして呆然としていた
「あ、アオイさん?これはどういう事ですか?」
ヘイルダンさん俺の口からは「災害」が起きたとしか言いようがありません。
何故なら俺のとなりの人が原因なんですから、
すると師匠がヘイルダンさんの前に立ち
「お前かここのギルドマスターは?」
「…あなたですか?この状態を作ったのは?」
「私がやったとしたらなんだ?」
「だとしたらギルドマスターとしてこのまま放っておくわけにはいきませんね。あなたは危険すぎる」
あ、ヘイルダンさん臨戦態勢に入ってる?
師匠が危険な人物だと瞬時に思ったみたいだ。
だがこの2人が戦ったらますます大変なことが起きる気がする!
俺はすぐさま2人の間に入った!
「へ、ヘイルダンさん待ってください!この人は俺の師匠なんです!」
「師匠?まさかこの方がアオイさんの師匠のミチさんですか?」
「そ、そうです俺の師匠です!色々あったんですが話を聞いて…(どけ!)」
何が起きたのか気づいたら俺は壁の方に吹き飛ばされていた。
理解が追いつかなかったが俺は師匠の裏拳をこめかみ辺りにくらって吹き飛ばされたようだ
幸い俺はケガをしなかったが軽く脳震盪を起こしてしまい上手く立ち上がれない…
だがかろうじて師匠達の声は聞こえた。
「貴様がギルドマスターか、そこのバカ弟子から聞いたぞ?どこぞやの貴族のアホが私を手込めにしようとしたらしいとな」
「確かにしようとしていました。しかしその貴族は既に爵位を奪われ追放されていますので貴方を狙う者はもういないはずですが?」
「ふん、それはどうだかな?貴族共は馬鹿が多い1人いるという事はこれから先わんさか出てくるであろう、1人2人潰した所で何も変わらないだろう」
貴族をゴ○ブリみたいに言うのは流石の師匠だが、そんな師匠に臆することなく話しているヘイルダンさんは流石だと思う。
「お気持ちは分かりますがだからと言ってこのような事が許されていいという理由はないと思いますが?」
「ふん、何か勘違いしているな?ここに倒れている連中は勝手に私に絡んできたんだ鬱陶しかったから返り討ちにしただけだがそれの何が悪い?むしろ相手の実力も分からぬような奴らばかりいても今がないだろうが!」
「確かにそれはこちらにも非があります。ですが貴方は仮にもSランク冒険者、過剰にやりすぎではないですか?」
「Sランク?そんなこと知るか!お前達の基準で測るな!こっちは可憐な乙女1人に対して向こうは十数人で来たのだぞ?私は何も悪くないだろ」
この人は可憐な乙女をどう解釈しているのだろう?
本当にそう思っているのだろうか?
「可憐な乙女かは別としてあなたをこのままにしておけませんね」
「ほう?ならどうするつもりだ?」
「貴方を実力で止めるしかないですね」
「面白い…やってみろ!」
その瞬間師匠からとんでもない殺気が溢れ出してきた!
ってかこの人整体師だよな?
何でこんな戦闘狂になっているの?
そう思ってたら今度はヘイルダンさんも凄まじいオーラ?魔力?を出してきた!
そういやこの人エルフだから魔力が高いんだっけ?
ヤバイよこの2人、巡り会わせてはいけなかったんだ!
どうしようと思ってたらヘイルダンさんが右手をかざすと急に強い風が吹いてきて俺を含めて中にいた人達が皆外に出されたおそらくヘイルダンさんが危険だから出してくれたんだろうが、俺の勘が警報を発しているここにいてはダメだと!
俺はすぐさま外で待っていた皆に急いでここから離れろと言ったが間に合わなかった…
叫んだと同時にギルドが光ったかと思ったら物凄い音と共にギルドが爆発したのだ
だが音はしたものの何故か周囲には被害はなく近くにいた俺達や冒険者達も無事だった
もしかしたらヘイルダンさんが助けてくれたのか?
ギルドを見たがそこには瓦礫ばかりがあり建物は存在していなかったし2人の姿も見えない
俺達はギルドがあった場所をただ呆然と見つめているだけだった…
そして最初に戻り
俺は心から後悔した
ああ、何故師匠をここに連れてきてしまったのだろうか…
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