第46話~え?竜人族?~
この世に神様がいるなら俺は心から恨む…
何で今俺の目の前に本物のドラゴンがいるのかと、
俺だけでなくつばさやリノンもドラゴンを見上げたまま立ち尽くしている。
ドラゴンは俺達を変わらず見下ろしたまま微動だにしない。
いや、むしろ急に現れた「何か」を確認しているのかもしれない
お互いが目を合わせているが明らかに立場が違う向こうは「捕食者」こっちは「被食者」だ。
どう考えても俺達はこのままやられる未来しか思い浮かばない…
何とか逃げられないかと考えたが全然浮かばない
そう俺が考えていた時思いもよらない事が起きた。
「ほう、こんな所に人間が来るとは珍しいのう」
何と目の前のドラゴンがいきなり喋りだした!
あまりに突然の事に俺達は驚愕したがドラゴンはさらに続ける
「なんじゃ?ドラゴンが喋るのがそんなに珍しいか?この世界では大したことではないじゃろう?」
俺この世界の人間ではないですからね!
喋るドラゴンがいるなんて分かるわけないでしょう?!
「まぁ我ら竜人族はそうそう人前に出る事はないからの、驚くのも無理はないか。」
「りゅ、竜人族?」
そう言われて俺は思わずリノンの方を見たが、リノンは目の前のドラゴンを見上げたまま未だに立ち尽くしたままだ。
つばさの方はようやく我に返ったようで興奮していた
「ド、ドラゴンが喋ってる…アオイ!凄いで!ドラゴンが喋っとるぞ!映画みたいやで!」
と小学生のようにはしゃいでいた。
見た目は美女だが中身はおっさんアライグマだ。
そう考えると不思議と冷静に物事を考えられるようになる。
「つばさ、うん凄いね、とりあえず少し落ち着こうか」
「何やねん?何でお前そんな冷静やねん!?ドラゴンやで?喋ってるんやで?こんなん興奮するしかないやろ?」
「気持ちは分かるよ?凄い分かる。でも今の俺らの置かれてる状況そんな場合じゃないからね?」
そう依然として状況は変わらない
喋る事が分かり意志疎通が出来るのが分かったが、ドラゴンはドラゴン。
敵ではないとは言い切れない。
そして俺は不安材料がもう1つあった。
いや、むしろそれが一番重要かもしれない
何故ならこのドラゴン、「弱点」がないのだ。
いや、厳密にはないではなく不明と出てきた。
あの時見上げた瞬間に「弱点感知」を使ったが結果は「不明」。
レベルの差がありすぎるのかそれとも本当にないのか分からないがとにかくそう出てしまった。
つまりどう言うことかというと、
今の俺達では太刀打ち出来ないのが目の前にいるという事だ。
もしこのまま戦ったりしたら俺達は間違いなく死ぬ
だから何とかして戦いを回避したいと思っているのにつばさは…
「なぁなぁ!竜人族って皆その姿なん?人間の姿にもなれるん?」
めちゃくちゃドラゴンに質問しまくってやがる
緊急事態なのにこいつの物怖じしない性格はある意味凄い…でも今はそれどころじゃない
確認しないといけない事がある
「つばさ、悪いけどちょっと待ってくれないか?後リノンをこっちに戻しておいてくれないか?」
質問しまくってるつばさにリノンの事を頼み俺はこのドラゴンと話をしてみた。
「あ…初めましてアオイと申します。あのこのドラゴンソチィスはあなたが倒したのでしょうか?」
「ん?そうじゃ。たまたまここに降りて一休みしようと思ったら生意気にもこやつらが襲ってきたのう返り討ちにしたのじゃ」
ギルドが危険だと感じた魔物を簡単に倒すなんてやっぱりドラゴン怖えぇよ
「あはは…そ、そうだったんですね実は僕達そのドラゴンを退治しにここまで来たんですよそしたらこんな状態になっていまして…」
「なんとそうじゃったのか、それは悪いことをしてしまったのぅ詫びと言ってはあれじゃがこの魔物と後これを授けよう」
そういうといきなりドラゴンが光だしたと思ったら徐々にその光は小さくなりやがて人の形位の塊になった。
そして光が消えて目の前に現れたのは、蒼いチャイナドレスのような服を身に纏い、手首にはバングルや腕輪そして深緑色の長い髪に翡翠のように綺麗な瞳を持った。美しい女性が立っていた。
「えっとあなたは?」
「おっと申し遅れたな、我が名はネフリティス。古き時代よりこの世界を観てきた誇りある竜人族の者だ。よろしくなアオイ殿」
思いがけないその姿に俺は呆然とするしかなかった。
それはつばさも同じでリノンに至ってはやっとこっちに戻ってきたのにまたあっちの世界に行ってしまった。
色々起きすぎて全く話が入ってこないが、この後さらに新しい問題が発生する事を俺達はまだ知らなかった。
ネフリティス…ギリシャ語で翡翠という意味です。
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