第34話~え?嘘だ!~
少し遅くなりました。
新たな住居を手に入れ俺たち3人は今は各自の部屋になる予定の場所をそれぞれ掃除している。
またそれぞれに金貨2枚を渡して街の中で気になる家具や装飾品など必要な物を各自で買うようにした。
リノンは最初「流石に多すぎです!」と言ってきたが今後自分が住む場所を住みやすいようにする為の事だし、余ったら自分の小遣いにすればいいから遠慮するなと言って無理矢理渡した。
つばさは普通に喜んですぐにどこかへ行ってしまったけど、まさか飲みに行った訳じゃないよな?
そして俺も自分の部屋に必要な物を買いに向かった。改めて買い物をしてみると色々なものがあってつい目移りしてしまうけど、何とか欲しかったものを買う事が出来た。
と言ってもそこまで大したものではなく、紙やペン等仕事の事でも使えそうな物を買い机の上に置いて纏めた。
幸い手入れが行き届いていてホコリもたまってないし窓を開けて換気をして自分の荷物を置いていく位でそんなに荷物も多くもないし思ってたより早く終わった。他の2人はどうだろう?しっかりやってるのかな?
特につばさは…
そんな時俺の部屋をノックする音が聞こえた
「アオイ入るで」
「つばさか?どうしたんだ?」
「いや、部屋の飾り付けも終わったし暇やからアオイはどんな感じにしとるんかなと思てな」
「どんな感じって…俺の部屋なんかそんな面白くないぞ?」
「まぁまぁええやんけちょっと見してや」
そのままつばさが俺の部屋に入り、俺の部屋を一通り見た後フッと鼻で笑った
「何や自分の性格通りって感じの部屋やな!普通って感じやな」
「なっ!べ、別にいいだろ?普通でも!」
「別に普通でも悪いことないで?ただなぁ普通すぎて面白くないっというか、寧ろ地味すぎる位やわ!地味すぎてアライグマに戻るところやわ!」
「んなっ!地味すぎるってもっとひどくなってるじゃないか!!」
「しゃあないやんけそぅ思ったんやから」
「そこまで言うならお前の部屋はどうなんだよ?どうせ俺よりもひどい有り様になってるんじゃないのか?!」
そう言って今度は俺がつばさの部屋に向かった。
あいつの性格上絶対に部屋が散らかっているはずだ。掃除なんて適当に終わらせて「寝れるならそれでええやん?」って言いながらゴミをゴミ箱に
入れずその辺に捨てて不衛生にしてそうだ。
これから整体の店を開くのにそんな風にされてたら困る。ネズミとかそんなのが出てきたら店が潰れてしまう。そうならない為にも、そうなっていたらちゃんと言わないと!
俺は1人決心をしてつばさの部屋のドアを勢いよく開けた!
中に入って部屋を見た時、俺は愕然とした…。
「う、嘘だろ…?」
「どうや?これが俺の部屋や」
「な、何でこんなに綺麗なんだ?」
それは驚きの、いや、意外すぎる光景だった…
隅々まで掃除が行き届いた部屋、日の入る窓には日光をコントロール出来るようにレースのカーテンを!そして机には小さい緑の観葉植物を!
その他にも細かい所に気を配っているのが窺える!まるでホテルの一室のようなそんな素晴らしい部屋だった。
「つ、つばさ?この部屋、お前がやったのか?」
「せやで」
「ホントか?プロに頼んだとかそんなんじゃないのか?」
「んなわけあるかいな!正真正銘俺がやった部屋やで!」
その言葉を聞いて俺はその場に崩れ落ちた、そして、
「ウソだぁ!?」
「な、何やねんいきなり!?」
「そんなはずない!つばさが、あのつばさがこんなセンスのいい部屋を作れるはずがない!つばさは掃除なんて適当に終わらせて「寝れるならそれでええやん?」って言いながらゴミをゴミ箱に入れずその辺に捨てて不衛生にしてぐちゃぐちゃにしている!それが俺の知るつばさのはずなんだ!なのに!なのにこんなセンスの塊の部屋を作るなんて!」
「ちょっ!待てや!お前俺をなんやと思てんねん!失礼にも程があるやろ!?」
「だってそうだろ!!何だよこのレースのカーテンとか!観葉植物とか!お前にそんなセンスあるわけないだろ!」
「何やねんさっきから!!色々言いよってさすがの俺でも傷つくで?!それに自分が住みやすい部屋にするんやからこんなの普通やろ!寧ろお前の方こそこういうのに気を遣うとおもっとったわ!」
「あぁ悪かったね!どうせ俺は地味だからこんな発想できませんよ!寧ろ女子力高すぎるお前にドン引きだよ!」
「さっきから人の事をこけおとしてからに…ホンマええ加減にせえよ!」
「最初に言ってきたのはお前だろ!!」
そんな小学生みたいな口喧嘩をしていると
リノンがひょっこり顔を出してきた。
「あ、あのう?さっきから凄い声が聞こえてきますけどどうしたんですか?」
「ん?おおリノンか、聞いてくれやこいつ人の事をさっきから馬鹿にしてるんやで酷くないか?」
「な?!元はと言えばお前が原因だろ?」
「しょうがないやんけホンマに地味やったんやから」
ぐぬぬぬぬ!
悔しいがこの部屋を見てしまうとなにも言い返せない!
「ところでリノンは部屋の片付け終わったんか?」
「は、はい。一通りは」
「お、そうか良かったら見せてもろてもええか?」
「あ、はい別にいいですよ」
そう言ってリノンは俺たちを自分の部屋に招いた。
が、よくよく考えれば女の子の部屋に入るとかこれって、結構ヤバイことなんじゃ…と、思ったが彼女は全然気にすることなく部屋に案内してくれた。
入ると流石は女の子といった感じで綺麗にまとめられていて掃除も隅々まで行き届いてた。
元々兄弟が多く下の弟妹達の世話もしてたみたいで家事や食事は慣れてるようだった。
結構天然な所があったけどしっかりしている所もあって安心した。
「ほぉ流石女やから綺麗にしとるの!」
「そ、そんな…私なんてただこういうのに慣れてるだけで…それにつばささんの部屋ちらっと見えましたがとてもお洒落で素敵でしたよ!」
「お?ホンマか?嬉しいことを言ってくれるのぉ誰かさんとは大違いやわ!」
うるせぇよ!
「そういえば師匠の部屋はどんな感じなんですか?」
「え?あ、あぁいや、俺のところは…」
「見てもおもろないと思うで?ホンマに地味やから」
「つばさうるさいよお前!」
「そうなんですか?気になります!」
「ほな見てみようか?」「はい!」
「ちょっ!?つばさ何勝手に決めてんだよ!」
そう言ったがつばさは俺の部屋に進みリノンを中に通した。
そして俺の部屋を見てリノンは
「どんな部屋かと思いましたがスッキリしていて落ち着いていられそうな部屋ですね」
リノンちゃん!君はええ子や!
改めて君を立派に育て上げるとここに誓うよ!
「でも、面白味があんまないやろ?」
「確かに、落ち着きますけどインパクトに欠けますね。もう少し意外性があると良いと思いますが」
前言撤回
何?インパクトに欠けるとか意外性とか、俺部屋にそんなの求めてませんけど?
それに何2人共意気投合して部屋について話してるの?俺置いてきぼりなんだけど?!
こうしてこの日の夜は更けていったが明日から店になる1階の掃除や準備をしないといけないんだけど俺この先やっていけるかな?
別の事で不安になってきたよ…
中々進まない…
次でオープン出来るはず!




