第31話~え?弟子と噂?~
いつの間にかブクマが二桁になってました!
とても嬉しい限りです。
これからも頑張ります!
「私を弟子にしてくれませんか?!」
「え?」
いきなり宿屋に訪ねてきたリノンという冒険者。
聞き間違いでなければ今俺の目の前にいる彼女は「弟子にしてほしい」と言ってきた。
「え、えぇと、リノンさんだっけ?弟子ってどういうことですか…?」
「あの、私まだ駆け出しの冒険者なんですがいつかAランクになって世界中を冒険したいんです!でも今の私の実力じゃFランク止まりで…そんな時冒険者ギルドで行方不明だった冒険者を見つけてしかもAランクやBランクの魔物を武器も持たずに素手で戦い、しかも全てたった一撃で倒した凄腕の冒険者がいると話を聞いて、この人に弟子入りすれば私も強くなるんじゃないかと思っていてもたってもいられなくてここに来たんです!!」
…何かすごく熱く語ってるけど、冒険者ギルドではそんな話になってるの?
「しかも師匠は長い間世界中を旅しててその時に出会った強い魔物を修行といって戦い続けて倒せない魔物もいないって聞きました!同じ武闘家として誇らしいですし私と同じ夢を叶えている人がいてもう師匠についていくしかないとも思ったんです!!」
俺この世界に来てからまだ1ヶ月位しかたってませんけど!?
ってか俺武闘家じゃねぇし!強い魔物と戦ってないし!どんな噂が流れてるんだよ!?
しかもこの子何さりげなく師匠と呼んでるの?俺弟子とった覚えありませんけど?!
「あ、あのねリノンさん…?」
「私の事はリノンと呼んでください師匠!」
いや、だから師匠じゃねぇから!
「えっとじゃあリノン?まずどこから話そうか?色々間違ってるんだけど、俺はそんな強い魔物と戦ってはいないよ?それに魔物と戦うために旅してるとかしてないんだよ?」
「そうなんですか?でもギルドマスターがSランクに近い最強のAランク冒険者とも言ってましたけど…」
犯人あの人か!?
何とんでもないデマを流してくれてるの!Sランクなんて俺なりたくないよ!
ってか最強ってなによ?もっと強い人いっぱいいるでしょ?
今度会ったら絶対抗議してやる!
でもそれよりも今は目の前のこの子だ
どう言えば諦めてもらえるだろう
正直弟子というのは今の状況で簡単に受け入れるものじゃない。
なぜなら衣食住全て面倒見ないといけないし何よりも給料もといお金が発生する
今俺は家を買う予定だし買えるけど、これから道具も用意したりだし、いくらかかるか分からない。
さらに整体の仕事が上手くいくかどうかもまだわからない。
しかも俺1人なら何とか出来ても、俺には既に翼がいる。そこにさらに彼女まで来るとなるといくら今お金があって余裕があってもいずれ首が回らなくなってしまう。
そうなると開店休業状態になり何とかするために冒険者家業をしないといけない…
そう結果的に詰んでしまうのだ!
だから彼女を受け入れるのはリスクが高い!
だからなんて断ればいいか考えたがとりあえず俺は正直に伝えることにした。
「リノンとりあえずここじゃなんだから入って話をしようか」
「あ、はいすいませんこんなところで話してしまって失礼します。」
そうして部屋の中にあった椅子に促し俺も座って話をしようと思った時、突然扉の開く音がした
「はぁさっぱりしたわぁ!やっぱ風呂最高やなぁ!」
と、風呂場から全裸で翼が出てきた。
しまった翼が風呂に入ってた事をすっかり忘れていた。
「きゃっ!!」
「ん?なんや誰や?この娘は?」
「つ、つばさっ!!ちょっと何で裸なんだよ!服渡してあるだろ?!今お客さん来てるから早く服を着ろ!」
「何やお客さんやったんかすまんかったな!じゃあちょっと着替えるわ」
と言いながらつばさは再び風呂場に入り服を着ていった。
「ったく、何で裸で出てくるんだ…ごめんねリノン連れが失礼を、し、て…」
目の前にいるリノンに謝罪しようと顔を見ると顔を赤くして呆然としているリノンがいた
「え、えっとリノン?」
「はっ!すいません!そういえばもう1つ噂があったのを思い出して」
「え?もう1つの噂?」
「はい!アオイさんの隣にはランクが低くても危険な冒険に着いていきランクが一気に上がった冒険者がいると。しかも強いだけでなく見目麗しい女冒険者だと。それが今のつばささんなんですね!はじめてお会いしましたが本当にお綺麗でした。」
やめてください…
確かに見た目は美人だけども
中身は変態のアライグマ(おっさん)なので…
「あの、これも噂にあったんですけど、つばささんはやはりアオイさんの恋人なんですか?」
「それは違います!」
俺は即座に否定した。
ねじ曲がった噂が流れている冒険者ギルドそしてそれを流した張本人ヘイルダンさんに今すぐ抗議してやる!と俺は今心に誓った!
「リノン悪いけどこれからギルドに一緒に来てもらうよ」
「え?あ、あの一体どうしたんですか?」
「ちょっとヘイルダンさんに話をしないといけないことが出来たから、後君についてもね。とにかく付いてきてほしい。」
「は、はい!」
俺はつばさにも声をかけ服を着たつばさ、そしてリノンを引き連れ冒険者ギルドに向かったそしてすぐさま受付の人にヘイルダンさんを呼んでもらい部屋に案内された。
案内された部屋でしばらく待っているとヘイルダンさんが入ってきて呑気に話しかけてきた。
「アオイさんお待たせしました。つばささんも一緒ということは新しいギルドカード貰いに来たんですね。さっきお話ししてもう来るとはそんなに待ちきれなかったんですね!こちらが新しいギルドカードですよ受け取ってください。」
用意周到というか、ついでに持ってきてたんだな。
つばさは「?」になってるけど俺かかいつまんで説明すると喜んでいた。何故そんなに喜ぶのか俺にはさっぱりわからない。
とりあえずギルドカードを交換して俺はヘイルダンさんに着た理由を話した。
「ヘイルダンさん。俺がここに着た理由はですね隣にいるこのリノンの事です」
「彼女がどうかしたんですか?」
「どうもこうもないですよ、実はですね…」
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「…なるほどそれで弟子入りに来たのですね。いいじゃないですか後進を育てるのも冒険者として大切なことです」
「いや、そんなの困りますよ俺はここに家を買って店を開いて忙しくなるんですから面倒を見きれませんよ、それにこうなったのもヘイルダンさんにも原因があるんですからね?」
「確かに私が言ったのは認めますが噂と言うのは一人歩きしますからね、流石にそこまでなってるとは思いませんでしたよ」
「とにかく今は弟子とかは考えられないので何とかしてほしいんで…す」
俺がヘイルダンさんに話してリノンの方を向くと彼女は俯きながら大粒の涙を流していた。
「え、と、リノンさん?」
「ごめんなさい。私冒険者になってからずっと1人で依頼をこなしていたんですけどようやくランクアップのチャンスが来てもいつも上手くいかなくて、同時期になって仲間は皆ランクアップして私だけ取り残されてる感じでどうしようと思った時ギルドで師匠の噂を聞いて弟子入りすれば何か変われるかもと思ってたんです。けど…私自分の事しか考えてなくて全く師匠の迷惑を考えてなかったと気づいて、本当にごめんなさい…」
そう言って両手で顔を覆いながら泣き始めた。
俺はゆっくりとヘイルダンに視線を合わせたがヘイルダンさんはゆっくりと視線をそらした。
つばさもつばさで我関せずな感じで茶を飲んでるしどうすんだよこの空気…
するとヘイルダンさんが
「ま、まぁアオイさんとりあえず弟子にするかはともかく、リノンさんが一人前になるまでしばらく面倒をみてあげるのはいかがですか?」
「え?」
「冒険者はランクが上がれば色々なクエストも受けることが出来ますしDランクまで上がれば一人前と認められますからそこまでサポートしてあげるのは?」
「い、いやでもそれで何をしてあげれば…」
「アオイさん家を買うんですよね?例えば部屋の一室を貸して下宿させて食住の面倒をみてあげる。時々戦いのアドバイスをしてあげる。勿論下宿してるのでリノンさんは宿賃を払う。こうすればお互いに困ることはないと思いますが」
「た、確かに買う家は部屋があまると思いますけど、流石に女の子1人というのは…」
「大丈夫ですよアオイさんは変なことをするような人ではないですしそれにつばささんもいらっしゃいますし同じ女性がいるだけでも平気ですよ」
そのつばさが一番の問題なんですけど…
色々頭の中で考えてもう一度リノン顔を見たら凄く悲しい顔で見ていた。おそらく相当追いつめられていたんだなと思った。周りがどんどん上にいって自分だけ取り残されて周りが見えなくなって、ドツボにはまる。
俺は師匠がいたから何とかなってたけど
こんな年端もいかない女の子が誰にも頼れず必死に抗って俺のところに来たのは少しでも一縷の希みがあったからだろうな
俺は再び考え1つの答えを出した。
「分かりました。ヘイルダンさん、ギルドマスターの考えに賛成します。」
「では?」
「はい、リノンを俺が面倒をみます。」
「師匠…」
「但し今家を買うとしてもまだ部屋の整理や準備が何も出来ていないのでそれを手伝ってもらいます。そしてDランクに上がるまで下宿でその後の事は改めて考えるということで」
「分かりました。リノンさんもそれでいいですね?」
「はい…はい!師匠ホントに本当にありがとうございます…!」
リノンは再び涙を流していた。
望みが繋がったのだから安心したんだろうな、
しかしこれから忙しくなるな。
つばさにも協力してもらわないとだが、全く話を聞いていなかったので後で本気で殴ると心に誓った。
そして俺はもう1つ解決しないといけない問題があった。
そうつばさの事をリノンに話すかどうかだ…
アオイは弟子を取りました




