第27話~え?またこうなるの?~
俺と翼は洞窟の調査と冒険者を探しに洞窟に入り中にあった扉を開けた。
そこにはそこかしこに散らばる人らしき骨があり、真ん中には人らしき姿をした魔物達が「何か」を食っていた。
俺と翼は動けずにその場に立ち尽くしていた。
何故ならその魔物達が食っていたのは明らかに人間だったからだ。
腕や脚を食いちぎり内臓も飛び散りその光景はまさに地獄だった。
その時猛烈な臭気を感じ俺は猛烈な吐き気に襲われ戻しそうになったが何とか堪えることが出来たが翼も苦しそうだ。翼は人間とはいえ魔物だから普通の人間より匂いには敏感なのかもしれない。
そんな俺達に気づかず魔物達はずっと食い続けている。
俺はアイテムボックスから弓矢を取り翼に渡した
翼は音を立てずにゆっくり弓を引き構えた
その佇まいは熟練の雰囲気を醸し出していて静かに狙いを定め矢を放った…
ヒュン
矢は迷いなく1本の線のように魔物の頭に命中した!
「プギッ!?」
矢が当たった魔物は声出した瞬間に倒れそのまま動かなくなった。
その状況に他の魔物達はすぐに俺達の存在に気づき、その殺意を持ったどす黒い不気味な目を俺達に向け今にも襲いかかろうとしてる!
その数9匹
俺は少し落ち着いて奴らに目を向けすぐに「弱点感知」で弱点を探った
調べてる間に魔物達は俺達に向かって襲ってきてるが翼も弓矢を放ち立て続けに2匹倒した。
そして弱点が解った!俺はすぐに翼に伝えた
「翼!あいつらの弱点がわかった!眉間と三角筋と大腿筋だ!!」
「あほ!どこの筋肉やねん!ちゃんと分かるように教えんかい!」
「あぁ!!えっと、とにかく肩と太ももを狙うんだ!」
「最初っからそう説明せいっちゅうねん!」
と言いながらまた矢を放ち太ももに命中させた
射たれた魔物はその場に倒れ悶え苦しんでいる
どうやら本当に弱点のようだ。
翼はそのまま射ち続け1本も矢を無駄にすることなく肩や太もも眉間にと当てていった!
ほとんどの魔物が何処かを射たれ無傷なのは1匹のみだがよりによって1番でかい魔物だった!俺なんかよりもはるかにでかくて恐らく2m以上はある!力に任せて持っている武器を俺に向けて一気に振り下ろしたが間一髪避けることが出来たが魔物はなおも俺を狙い続けている!
その間に翼が弓矢で援護してくれているが弱点には当たっても全然効いていない。どういう事だと思うが恐らく筋肉が厚すぎて当たっても効果が薄いんだと思う。だとしたら槍の方が効果があると思うが槍は翼が持ってるしもらえる余裕もない。そうなると俺の武器でやるしかないけど、相手はでかいし肩や眉間には当たらない!狙うとしたら太ももしかないけど効果があるかどうか…
本当はイヤだけどやるしかない!
俺は魔物の攻撃を避けるタイミングを狙って思いっきり太ももを狙った!
だが魔物はずっと俺の攻撃をかわした
たまたま避けたのかそれとも弱点を狙われていると分かってた…?
何度か避けて攻撃しようとしたが全く当たらない
これじゃいつまでたっても当たらないし俺の体力ももたない、どうにかしないと…
何か手はないか?考えるが避けながら考えられる程俺は器用じゃない
そんなこと考えてたら魔物がまた攻撃を仕掛けてきて避けようとしたが壁があって避けることが出来ない!いつの間にかここに誘導されていた事に気づき流石に死ぬと思った…
「まずい…やられる!」
俺は観念し目をつぶったが、声を出したのは魔物の方だった
「ぐぎゃあぉぉぉ!?」
「な、なんだ?!」
「アオイィ~!!」
声の主は翼だった。翼は持ってた槍で後ろから魔物の太ももを狙って貫通するくらい思いっきり刺していた!
「つ、翼!!」
「何をボケッとしてんねん!はよ止めをささんかい!」
そう言った翼だが次の瞬間には魔物の裏拳に殴られ思いっきり吹き飛んだ!
「翼!!」
どうなったかわからない、だが確実に無事ではないはずだ!
だが魔物はまだ翼に視線を向けてるチャンスは今しかない!俺は槍が刺さってる大腿筋に向けて思いっきり殴った。俺の攻撃はついに当てることが出来た!その瞬間魔物はそのまま後ろに吹き飛び何度か跳ねて壁に激突した。
「や、やった…やったぞ!魔物を倒したんだ!そうだ!翼は!翼大丈夫か!」
俺は急いで翼の所に向かったが翼が倒れていた所は魔物の上にいた。
「つ、翼?生きてるのか?」
「アホ…勝手に人を殺すな…吹き飛んだ時こいつにぶつかったから大してダメージがないわそれとこの革鎧のおかげやな。命拾いしたわ」
そう言ってボロボロになってしまった革鎧を撫でているたった一撃でこんなになるなんて相当な一撃だった事がわかる。
翼は持っていたポーションを飲ませ何とか立ち上がる位に回復した。ちなみに周りにはすでに魔物が死んでいたが、どうやら俺が戦っている間に翼が倒していたみたいだ。
あんな状況でも倒してるんだから大したやつだよホントに。
「ありがとな翼おかげで助かったよ」
「そんな礼なんかええわ、まぁそう思うなら帰ったら酒でも奢ってくれや」
「酒?…分かったいくらでも奢ってやるよ」
「よっしゃ!絶対やで忘れんなや?」
「あぁ分かったよ。それより冒険者を探そう生きてるかどうか怪しいけど、」
「せやな、忘れとったけどそれが目的やったな」
「忘れるなよ…それで生きてる気配はあるか?」
「んぅ確実とは言えんけどあの奥にいくつか感じるで。魔物かもしれんけどな」
そんな不安な言葉を翼が言ってきたがどのみち行くしかない。とりあえず俺達は翼が指差した洞窟の奥に脚を進めたがすぐに行き止まりになっていた。そしてそこには冒険者らしき人達が数人いた。
俺はすぐさま駆け寄り状態を確認した。
「大丈夫ですか?ケガはないですか?」
「う、うぅ…あなたは?」
「俺はアオイって言います。そこにいる翼と2人でギルドの依頼で来ました!」
「ギルドから?てことは助けに来てくれたの?」
「はい、そうです。あの生存者は皆さんだけですか?」
「そうだ…俺が調査しに来たときはまだ何人かいたんだが奴らの餌食に…」
そう別の冒険者の人が教えてくれたが、おそらくこの人が俺達の前に調査しに来た人なんだろう。
来たときはまだ生きてる人達がいたんだろうけどあれだけの魔物を1人ではどうすることも出来ないはずだ。
この人が悪いわけではない
「あれだけの魔物がいたんです。1人ではどうすることも出来ませんよ」
「すまない…ところで魔物達はどうしたんだ?まさか倒したのか?」
「え?は、はい何とか倒しましたけど…」
「な?!たった2人で倒したのか?あの魔物はBランクのオークでそれを率いていたのはAランクのパイアだぞ!?とてもじゃないが2人だけで倒せるなんて信じられん!!」
「そ、そう言われましても…」
「なぁいつまでもこんな所で話してないでさっさとここから出ようや」
翼の言う通り確かにここから早く出た方がいいな、みんな弱ってるし早く手当てした方がいいし
生存者は全部で5人。1人は今話してた調査しに来ていた冒険者でタウラスさんでCランクの冒険者だ、他の男女4人は今回行方不明になっていた冒険者グループでシリウスさん、ベガさん、リゲルさん、カペラさんでEランクの冒険者達で別の依頼でこの辺りに来ていて偶然この洞窟を見つけて入ったところをオーク達に捕まったらしい。
幸い皆衰弱しているが特に大きなケガはなく何とか歩けそうだ。とりあえず皆に水を飲ませて洞窟を出ることにした。
だが、出ようとした所でとんでもない事が起きた
なんと倒したと思っていたパイアがまだ生きていたのだ!
だが俺や翼が攻撃した左脚はボロボロで太ももから先はなくなって、吹き飛ばされた影響か全身ボロボロで身体を引き摺りながら迫ってきたが、ほとんど虫の息だ。
「な!こいつまだ生きてたのかよ!」
「ってか何でこんなんで生きてんねん!おいアオイ!お前何でちゃんと倒してへんねん!ちゃんと倒せや!」
「そ、そんなこと言ったってあれで倒したと思ったんだよまさかこんな状態で生きてるとは思わないだろ!」
「やかましいわ!ちゃんと責任もってはよ止めさせや!」
「な、何で俺なんだよ翼がやれよ!」
「お前が倒し損ねたんやからお前が倒すのが当然やろ!さっさとやれや!」
「うぅ、分かったよやればいいんだろ」
俺は翼に言われ止めをさすことになったけど、もうかなり弱ってるし引き摺ってて低くなってて眉間を狙えば問題ないかな?
そう思って俺は一応ガントレットに仕込まれている爪を出して、パイアの眉間に向けて攻撃した。
その瞬間パイアの眉間に命中したと同時にパイアの頭が吹き飛んだ、そしてパイアの身体はそのまま崩れ落ちた。
俺はあまりの衝撃に動けないでいた。
何かこの感じこの世界に最初に来た時ファングベアを倒したのと一緒だな…
~~~~~~side冒険者側の視点~~~~~~
「な、何だ今のは…」
「あんな恐ろしい魔物をたった一撃で…」
「ってか何であんな風になるの?」
「普通殴っただけでああはならないよね?」
「すごい…」
~ってかあいつ何者?~
あのぅ皆さんさっきから聞こえてますけど…
大腿四頭筋
下肢の筋肉のうち、大腿骨に繋がる筋肉である大腿筋のうち、大腿骨を挟んで四方に存在する筋肉の総称です。全身の筋肉の中で、最も強くて大きく、膝関節を伸ばしたりします。
三角筋
肩の代表的な筋肉で腕の付け根に盛り上がってついています。三角筋は前部・中部・後部と3つに分けることができます。
パイア
ギリシア神話の怪物で牝の猪と言われています。




