第12話~え?師匠も?~
王様の食事会に行ったら師匠が現れそこでゴタゴタしてこの国を出ていくことになり城を出た。
うん、どんどん展開が変わってついてこれないぞこれ。
そして今も絶賛俺の首根っこを掴んで引き摺っている師匠いい加減放してほしい。
城の中でも引き摺られ、そのまま城門まで引き摺られやっと解放されると思ったらまだ引き摺られる。
まだ外歩いてる人もいるし物凄く見られてるし
「あ、あの師匠そろそろ放してほしいんですが…すごい人に見られてるんですけど」
「ん?何気にするなどうせこの国を出るんだ誰に見られた所で関係ない」
いや、あんたはそれで良くても俺がよくないんだよ!なにどんどん勝手に話を進めてるんだよ!
「い、いやでも、どのみちもう夜ですし外に出るにしても暗いし危険じゃないですか?だから今夜は宿に泊まって明日の朝に出てもいいんじゃないですか?」
「ふん、まぁいいだろ私もお前について聞きたいことが山程あるからな、」
そういってようやく解放されると思ったが、何故かそのまま宿屋まで引き摺られ、宿屋の従業員や宿泊客の人達にも変な目で見られ結果部屋に入るまで引き摺られた。しかも同じ部屋になって流石に焦ったが「お前を男として見るわけないだろ」と正々堂々言われた。
師匠…いくら俺でも傷つきますよ…
師匠は誰がどう見ても美人だ。
色白にスラッとした身長、長い黒髪、切長の瞳でモデルのような女性だ。当時この業界に入りたての時に師匠を見た時、一瞬見とれてしまいドキッとした事は内緒だ。その後のパワハラ紛いなのを受けてからそんな感情は霞の如く消え去ったが…
まぁそれはそれとして、ようやくベッドに座れて落ち着くことが出来たが、
「で?どうしてお前がこの世界にいるんだ?まさか死にそうになってここに来たのか?」
「いや、それがですね…」
俺はこの世界に来るまでの経緯をかいつまんで話した。
「フフッ!ハハハッ!女神に名前を間違えられてここに来たのか?それは災難な事だなハハハハハ!」
「笑い事じゃないですよ、やっと店を持ててこれからって時にこの世界に来ることになるなんて誰が想像します?」
「まぁ確かにそうだな。それに関しては同情するぞ?しかしあの女神また同じ過ちを繰り返すとはな…」
ん?気のせいか?今同じ過ちって言ったよな?
「あ、あの師匠?同じ過ちって…」
「ああ、実はな私も同じような理由であのバカ女神に連れてこられたんだ」
「え?師匠も!」
「そうだ、私の場合は名前違いではなくうっかりだがな…」
師匠の話を聞くと、師匠がこの世界に来たのは3年前で、ある日いつものように仕事から帰るとき信号待ちしてた所に車が突っ込んできたようだ。
だが、とっさの判断で横に避けて事なきを得たはずが急に目の前が光りだして気づいたら目の前にあの猫背女神がいたらしい。
「それ、俺と似た状況ですね」
「お前もだったか、突然目の前に変な服を着た女がいてな、私を助ける為と言ったが本当は私ではなく隣にいた男を助けようとしたらしい。」
あの猫背女神、本当に同じ過ちを繰り返してたよ…しかもよりよって師匠にやってしまうなんて
「間違いだと言われて今すぐに戻せと言ったが、それは無理と言われてな思わず胸倉掴んでそのまま叩き落としてやったわ」
「師匠…流石にそれは、曲がりなりにも一応女神ですし…」
「何を言う?女神のクセにそんなことも出来ないのだぞ?しかもその後もガタガタ文句を言うもんだから、ガタガタなのは美しくもなんともない身体だけにしろこの残念女神と言ったら涙目になっていたがな。ったく本来なら矯正と言いながら骨の1本や2本折ってやっても良かったのだ、そこを堪えたのだからむしろ感謝してほしいくらいだ」
流石にあの猫背女神に少し同情した。逆に助かって良かったなあの人…
「身体がガタガタって師匠の時もバランス悪かったんですね」
「お前も気づいたか?全くあれで女神とは笑わせるあれなら私の方がまだ女神だぞ?」
俺には女神ではなく破壊神にしか見えないです。
「何か言ったか?」
「いえ、何も言ってないです。そ、それでその後どうしたんですか?」
「その後か?その後土下座して謝ってきたのとお詫びにと言っていくつかのスキルと特別な道具を「好意」でもらい受けてな、そのままレナール王国の近くに落とされ、王都に入り開業医をしてたら城から使いがきてそのまま王宮に入り専属の医師になった感じだな」
どうやって王都に入ったのかは聞かないでおこう
「そうだったんですね、それで王様の状態を見るようになったんですか?」
「そうだ、顔色を見た瞬間に明らかに異変が起きてたからな。今の食事を控えろと言ったのに周りにいるバカ共(大臣)が出鱈目を言うなと騒ぐは、挙げ句の果てに将軍が食って掛かってきたからなそのまま叩き潰したら全員大人しく従うようになったぞ」
力で全てを解決させたのか。流石は師匠なんでもありだ。
「まさか師匠も俺と同じスキルを?」
「いや、私のスキルはお前のような弱点を感知するようなものではない。私のスキルは「瞬間解放」だ」
「しゅ、瞬間解放?」
「人間の力というのはその気になれば拳で岩を破壊できるような力を持っている。だがそれを行えば身体がついていかず逆に壊れてしまう。だから脳がリミッターをかけているんだがそれは勿論知ってるな?」
「はい、それは」
「私のスキルはその限界を一瞬だけ解放出来る物だ秒数で言えば5秒と言った所だが充分すぎる数だ。」
他にも強化系のスキルや色々女神から脅し…、好意で貰い受けて今に至るらしい。もはや師匠はチートだね。あの猫背女神なにとんでもない人間にとんでもないスキルあげてんだよ、一歩間違えればこの国、いや世界が終わっちまうよ。
「しかしお前も中々いいスキルを貰ったではないか?「弱点感知」など私達の業界ではほしい言う人間も多いだろうな」
「そうですね、おかげで色々な事に巻き込まれましたけど…」
「だがな…」
?
「そのスキルだけに頼りすぎるな?私たちは今まで多くの知識を学び・理解しこの仕事をしている。
相手の話を聞き判断し、どういう身体になっているのかを相手に伝える。この業界にいる多くの者がそれを行ってきた。そのスキルだけに頼っていてはいつしか考える力も失い退化していく。それでは何も学んでいない人間と同じだ。いいな?常に学び理解しろそれだけは忘れるな。」
~常に学び理解しろ~昔から師匠が言っていた言葉だ。
色々厳しい事をやられたり、いわれたりしたが今の言葉は俺の中にずっと残っている言葉だった。
「はい、昔から師匠に言われてたその言葉。それだけは忘れません。」
「ふん、分かっているならそれでいい」
そう言うと少し師匠が笑ったように見えた…
あ、そういえば借りた服着たまま出てっちゃったけど大丈夫なのかな…?




