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百目式妖怪図鑑  作者: 百目


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12/16

12ページ


No.56 


妖怪 幻点侵酒



酒に目がない

名も無き妖怪だった者


元々は井戸から歪んだ話が滲み

製造されたお酒だった異質なモノを

好んで嗜んでた妖怪だった


この妖怪はこの様な酒を楽しんでるうちに

本名も目的も忘れてしまって

今では出来上がった酒の名前をそのまま

自身の名前として扱っている様だ


肝心のこの酒は噂話が元のせいか

物事の判断がかなり偏り

まるで酒にも酔った様に口が滑る様になる様だ


しかしこの妖怪が言うには

元々は「満点名酒」と言う名の

神仏御用達のお供え向きの酒だったらしい


ちなみに異物として飲ませて貰ったが

辛口でつまみが欲しくなる味わい深いだった





No.57 


妖怪 兎祖っ毛


頭の上にピョンと生える妖怪

(姿形は人による)


こいつは嘘を付いた人などに

頭から現れる妖怪だ

詳しい理由とか諸々はサッパリだが

「許してちょんまげ」と言う言葉が

広がった後から現れ始めた様だったので

ノリと勢いがある妖怪である


ちなみにこの妖怪に取り憑かれてる間は

自身の嘘が頭から離れず

頭の上でみょんみょんと気になってしまうようだ


尊厳が大事な人程

この妖怪を追い払うのが困難の様で

見た目のシュール差より厄介な妖怪でもある





No.58


妖怪 三枚傘


三枚一組の布の妖怪

その模様は様々で人の影響なのか

それとも無数の一組なのかは不明


基本的には三枚の布なのだが

それぞれが意味が異なる役割を持っている


外から内側

そして当人の無意識にまでに滑り込み

其々が異なる柄や機能がある様だ


より詳しく見える者からは

どうにもこの妖怪は舌が大元らしく

切られた二枚舌や三枚舌が行き場を求めて

人などに布の傘として包み込む様に憑依した姿らしい


包まれた当人はその安心感から

その布を外さず愛用してしまうのだとか


全く舐めた妖怪だ

晴れたら消え去って貰いたいものである




No.59


妖怪 虚ろ様


単眼少女の妖怪


虚構を見つめさまよう妖怪であり

時代に流された影でもある


昔はやたら人間の事など含めて

博識なだけど的外れな妖怪だったが

今では虚構を見つめさまよう姿になってしまった


それもそのはずで

この妖怪はテレビ電波を受信して

常にその話を蓄えてと解明された


今では電波環境が変わり

それらを読み取れず

昔の話を噛み合わないながら

話す事しか出来なくなった様だった


それでもその知識は非常に豊富で

元々的外れな言動も含めて

虚ろ様として今日も何処かで徘徊しているのだ




No.60


妖怪 ポチワード


犬の様なデジタル空間など

お散歩する妖怪


元々は秘密の合言葉など使う際

人の不審な行動など嗅ぎ分けて

「ワン!」と一声する忍者犬だった


亡くなった後も亡霊として

その使命を続け

様々な記号や暗号の前で

不審な動きがあるかどうか

よく見定めて座っていたらしい


最近ではデジタルのパスワード画面で

不審な動きがあると「ワン!」と鳴くようだ


驚くべき事にこれらの情報は

全てポチワードがデジタル文として

教えてくれた

非常に人懐っこい犬である


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