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第141話 こっわ

「「「「お初にお目にかかります、スパム陛下」」」」


待ちわびた支援軍がついに到着する。

もうデスロードが領地に入るか入らないかの場所まで来ていたので、かなりギリギリだったが何とか間に合ってくれて良かった。


派遣されたのは5国から各1,000名の、計5,000。


え?

そんな兵力で大丈夫か?


問題ある。

全然足りない。

まあタイミング的に大軍を送れる程の時間が無かったのだから、しょうがないわな。


それでもいないよりいてくれた方が絶対にいいので、彼らの死は決して無駄にしないつもりだ。


死ぬこと前提かよと思うかもしれないが、死ぬこと前提だ。

酷い行動というのは分かってはいるが、大事な物を守る為なら俺は他人を犠牲にする事を迷わず選ぶ。


まあそんなに、領地やそこに住む人達がそんなに大事かって言われるとあれな気もするけど、領主として、いや、国王としての責任は果たさないとな。

その辺り、元日本人としては放り出せないのだ。


「こちらの呼びかけに答え、よく来てくれた。レツカ公国、カール王国、ハレン王国、パルーヌ王国、ベッタ王国には感謝しかない」


因みに、受け入れは元アイバス子爵領の砦で行っている。

男爵領として納めていた場所では、5、000の兵士を受け入れるキャパがないからだ。


ああ、ここでいうキャパシティは最低限持て成すって意味な。

場所だけならいいけど、最低限の休息を取って貰おうと思うと、スパム男爵領では無理があった。


「急ぎで悪いが、今夜はこの砦に泊まり、諸君らには明日出発して貰う事になる」


「承知いたしました」


この場には各国代表として将校が5人いる。

ポロロン王国で起こっている情報は聞き及んでいるはずなので、ここでの戦いが実質地獄への片道切符である事を彼ら理解しているはずだ。

だが、誰一人恐れを抱いている様子はなかった。


軍人ってのは凄いな……


まだ自国の為なら兎も角、よその国のために死ねとか笑い話にもならない。

俺なら絶対逃げ出してるな。


「……すまないな」


「お気になさらずに。我ら連合軍はエルロンド神に準じ、邪悪な者達を討つためならばこの命惜しくは御座いません」


その言葉に、その場にいる将校達全員が頷く。

ああ、うん。

どうやら軍人としてというよりかは、敬虔なエルロンド教徒として聖戦に赴くって気概の様だ。


エルロンド教はこの世界最大の宗教で、その影響力が大きいのは知ってたけど……どうやら俺の思ってた以上の様だ。


「邪悪な者達に必ずや正義の鉄槌を!」


「「「「正義の鉄槌を!」」」」


将校達が一斉に立ち上がって唱和する。

その熱狂的ともいえる姿を見て思う。


宗教こっわ!


と。

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