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第109話 エレメントゴーレム

「順調に増えて行ってるな」


今俺は屋敷の地下にいた。

ジャガリックが増設してくれた空間でかなり広く、屋敷の十倍ぐらいある空間だ。


で、何が増えているのかと言うと……


「ゴーレムは直、目標の5、000体に達するかと」


それはゴーレムだった。

それもただのゴーレムではない。

その名もエレメントゴーレム。


通常、土の精霊であるジャガリックの生み出す物は岩の塊の様な見た目をしている。だが、このエレメントゴーレムはメガ精霊4人の力を合わせて生み出されており、その姿は限りなく人間に近かった。

まあ近くで見たら人間じゃないってことは、直ぐにばれる程度ではあるが。


それが5、000体。

そんな物を何に使うのか?

こいつらはまあ一言で言うなら、戦場に送る様の兵士である。


今この国は、隣国である帝国との戦争真っ最中。

そんな中、スパム領に求められるているのはポーションの提供だけなので、兵力を用意する必要はなかった。

が、状況次第ではそうも言ってられなくなる。

帝国側に押されて王国が負ければ偉い事になってしまうので、その際に出すための兵力がこのエレメントゴーレムという訳だ。


まあ今は王国側がかなり押してるようなので、使う心配はなさそうだが……


因みに一体一体の強さはCランクモンスター程度なので、そこまで強い訳ではない。が、こいつらの売りはその耐久力と回復能力だ。

くっそ硬い上に粉々に砕かれても物の10分ぐらいで完全回復するので、戦場に出れば脅威のゾンビ兵と化す事請負である。


後、自爆能力もあるらしく、敵軍に突っ込んで自爆とかも出来たりする。

まあ自爆させると流石に蘇生不能だそうなので、その戦法は最後の手段に限られてしまうが。


「やーっとこの面倒くさい仕事から解放されるのかと思うと、せいせいします。もう二度とさせないでくださいね」


俺の肩にくっついている生首――カッパーが文句を垂れる。

首だけなのは、本体が屋敷に居ないからだ。

現在本体は、元のサイズに戻ったフェンリルと空の散歩中である。


「ご苦労さん」


彼女には感謝している。

文句言いつつも、何だかんだでカッパーは働いてくれているからな。


「皆もいつもありがとう」


「マイロードのためならば、親身を惜しむつもりは御座いません」


「ふぉっふぉっふぉ。この程度なんて事はないので気になさるな」


「マスターの御命令とあればこのポッポゥ、どのような試練にも打ち勝って見せましょう」


カッパー以外から返って来る厚い忠誠心の言葉。

凄く有難いと感じると同時に、なんだか少し申し訳ない気分にもなる。


ランクアップさせているとはいえ、俺自身はそこまで苦労してるわけでもないからな。

溜まったポイントを吐き出すだけの簡単な作業だし。

そう考えると、逆にぐちぐち言ってくるカッパーの方が気楽に相手出来ていいまであるか。


ま、心苦しいからって彼らを手放す気は微塵もないけど……


そんな事したら領が立ちいかなくなってしまう。

それは果てしなく困るので、このまま頑張って働いて貰わんと。


「ぬぬぬ……なんですか!?この流れだとカッパーだけ我儘を言ってるみたいじゃないですか!!」


俺の頭部の上に素早く移動したカッパーが、その上で跳ねる。

我儘かどうかはこの際置いておいて、頭の上でぴょんぴょんされるのは果てしなくうざいんだが?


抗議なら他所でやってくれ。

拙作をお読みいただきありがとうございます。


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