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第106話 ネクロマンサー③

「リッチだなんて凄いわ。なになに、奥の手として周囲には秘密にしてたの?」


「上手くコントロールが利かない物なので、人前で使う事はないと思っていたので」


まあ人前で使えないんじゃ、ない物としてってのも分かる。

特にそれがコントロールの利かないアンデッドなら猶更だろう。

どう考えても更にイメージが悪くなるだけだからな。


「ですので領主様。申し訳ありませんが、危険ですので今この場でお見せする事は……」


クロウは、自分のすべての力を見せきれないのが残念そうだ。

まあもっとも強いアンデッドのお披露目が出来ない訳だからな。

その気持は分からなくもない。


「ああ、気にしなくていい。危険ならしょうがないからな」


「きけん~?チッチッチ。フォカパッチョは私達の事を過小評価しているみたいですね。リッチなんて、メガ精霊からすればただの骨同然ですよ。危険など皆無。なのでここで呼び出しても問題なしです。と言うか呼び出してください。リッチが生意気な態度を取ろう物なら、このカッパーが成敗してやりますんで」


カッパーが自信満々気にそう告げる。

実際問題、メガ精霊の強さはどんなもんなんだろうか?

エクスより強いとは思うんだが……見て見ない事には何とも言えないものがある。


ちらりとジャガリックを見ると――


「そうですね。我らがいれば危険は全くないかと」


カッパーは兎も角、ジャガリックまで自信満々にそう言っているので安全だと考えて間違いないだろう。

なら、せっかくだからリッチも見せてもらうとするか。


「ふむ……だそうだ。クロウ、リッチを呼び出してくれていいぞ」


「よ、宜しいのですか?」


「ああ、ジャガリック達が大丈夫だと言ってるなら問題ない。君の力を見せてくれ」


「ジャガリックちゃんがハッキリ言い切るぐらいだもの、安心して大丈夫よ」


「……分かりました」


「なんでしょうか……心なしかカッパーの信頼度がジャガリックより低い気がするのは気のせいですか?」


「気のせいだ」


事実だ。

それも100対1レベルで。

まあもちろん本当の事は言わないが。

ぐちぐち文句を言ってくるのは目に見えているから。


だから俺は笑顔で正反対の事を口にする。


ああでもそういや、精霊は嘘を見抜くんだった。

なら面倒くさい感じに――


「むう。まあいいでしょう」


――ならなかった。


ひょっとして嘘だと気づいていない?

もしくは嘘だと分かってなお大人な対応をしてる?


うん、後者は無いな。

幼稚なカッパーにそんな対応ができる訳もない。


て事は、カッパーにだけは嘘を見抜く能力がないって事か?

つまり彼女には嘘をつき放題って訳だ!


いやまあ、そんな子供っぽい真似はしないけども……


「では……呼び出しますので、くれぐれも気を付けてください」


「骨野郎如き問題ありません!フォカパッチョはこのカッパーの水船に乗ったつもりでドーンと構えていてください!」


水船って……それもう沈んでるのと同義じゃね?

拙作をお読みいただきありがとうございます。


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