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第104話 ネクロマンサー①

「あれは陰キャですね。間違いありません」


クロウが講習のためエクスに連れられ執務室から出て行ったところで、花瓶の中からカッパーの顔がにょっきりと飛び出して来た。

相変わらずシュールな真似をする奴である。


「唐突だな。まあネクロマンサーだから、陽キャじゃないだろうけど……」


経歴を考えたら、明るい性格になる訳もないないだろう。

というか、なんでこいつ陰キャなんて言葉知ってるんだ?

この世界にもあるのか?

ま、どうでもいいか。


◆◇◆


「それじゃ、見せて貰おうか」


翌日、クロウの力を見せて貰う事となる。

どの程度の能力か把握しておく必要があるし、現物のネクロマンサーに興味もあったからな。


あ、因みに場所は屋敷の外だ。

流石に、中庭でアンデッドを大量召喚ってのもあれだったから。

なので、精霊4人と護衛のタゴルとエクスを従えて、俺は屋敷の外に来ている。


「はっ。いでよ!」


クロウが勢いよく両手を頭上に掲げると頭上に魔法陣が大量に生成され、そこからスケルトンが降って来た。

ネクロマンサーの暗めのイメージに反して、召喚は結構派手な物だ。


「数は200体ぐらいか」


スケルトンは手に剣と盾を持ったタイプと、長めの槍を持ったタイプの2種類。

ぱっと見、半々ぐらいの比率だ。


「能力的には、バラックボアレベルと言った所かと」


ジャガリックが大体の強さを教えてくれる。

骨だけの見た目の割りに、結構強い様だ。


けど……


バラックボアが200体なら、結構な戦力と見ていいだろう。

が、エクスの言ったSランクに限りなく近いという評価としてはちょっと……というか、全然足りない気がする。

これぐらいなら、今のタゴルとかでも簡単に処理できそうだし。


「ハッキリ言って話になりませんねぇ。この程度なら、今のフォカパッチョですら余裕ですよ。ホントにAランク最上位圏なんですか?」


「ぷぎゃぷぎゃ!」


小型犬サイズのフェンリル――でかい図体だと邪魔くさいし、誰か来た時困る事になるから常に小型である様に命じている――を抱えるカッパーが、相変わらず歯に衣を着せぬ言葉でクロウの能力をぶった切た。

本当に遠慮のない奴である。


「それは大げさだろ」


「そんな事はないですよ。今のフォカパッチョはオツムが残念な事以外は、結構なものですから」


「誰のオツムが残念だ。誰の」


今の俺のステータスはメガ精霊達と契約した影響で知能以外はオールAなので、案外間違ってはいないのかもしれない。

が、カッパーにだけは言われたくなかった。

お前も絶対知能低いだろうが。


因みに、Aに上がった敏捷性に慣れるには一週間ぐらいのリハビリが必要だった。

最初飯も満足に一人で食べられなかったからな。

なので、痛みはなくともちゃんと苦労はしていたりする。


「うふふ。クロウちゃんの力はこんなものじゃありませんよぉ。次を召喚して良いわよ」


どうやらスケルトンだけではなった様だ。

最初に弱い奴を召喚したって事なのだろう。

まあ限りなくSランクに近いって評価だからな。

そりゃこれで終わりな訳ないよな。


「いでよ!」


再びクロウが手を頭上に掲るとて魔法陣が展開され、そこから恐ろしい形相をした半透明な幽霊の様な奴らが姿を現した。

その数50体。


「こんどはレイスか」


「ええ。こわーいお化けちゃんね」


「レイスは戦場痕などで自然発生する魔物で、魔法、もしくはマジックアイテムがないと倒すのに相当苦労すると聞きます」


「見た目通り、物理攻撃が効きづらい子達よ。ま、無理やり切りまくって散らしたりもできるから倒せない訳じゃないけど」


「カッパーなら、こんな奴ら津波一発で消し飛ばせますよ」


「そんなのされちゃったら、あたしやタゴルちゃんでも一発でやられちゃうわよぉ」


カッパー、津波とか起こせんのかよ。

だとしたらメガ精霊、思ったよりやばいな。

そりゃ契約しただけで、俺の能力がAになるのも納得だわ。


「まあ面倒くさいから、絶対しませんけど」


だろうな。

お前はそういう奴だ。


にしても……カッパーはずいぶんクロウに否定的だな。

辛辣と言っていいレベルだ。


相性があまりよくないとか?

もしくは陰キャやアンデッド系が嫌い?


まあどちらにせよ、後で釘を刺しておこう。

こいつ無軌道だから、なにかやらかさないとも限らないし。

拙作をお読みいただきありがとうございます。


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