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23 ★使いたい言葉5☞【覚束ない】



 こんにちは、日向はび です。


「小説で使いたい言葉」シリーズ第5回、お送りいたします。


 今回の言葉は比較的日常でも使う人がいらっしゃるのではないでしょうか。





 【覚束おぼつかない】


 意味☞「うまくいきそうにない。はきりしない。頼りない。心もとない。不審。もどかしい」





 ∴∴例文∴∴


 あかりはひどく憔悴しょうすいした様子だった。

 覚束おぼつかない足取りで部屋 から出てきて、そのままソファに身を預ける。


「ああ……」


 そんな音があかりの口から吐き出される。


「大丈夫か、あかり」


 おずおずと尋ねると、あかりは緩慢かんまんな動きで誠太せいたを見た。

 その目が「大丈夫に見えるか」と言っているようで、誠太は黙り込む。

 やがて小さく唇を開いたあかりは、その潤いを失った唇で一言。


「赤点だった」


 誠太は内心で思う。「だろうな」と。

 正直、誠太はあかりの赤点回避はどう頑張っても覚束おぼつかないと思っていた。

 普段ならば精一杯勉強を教えている誠太だが、今回はどうしても部活の遠征があって、あかりのテスト勉強を見てあげられなかったのである。

 迎えたテスト当日。

 大丈夫を連呼するあかりの背中のなんと覚束おぼつかないことか。

 そして案の定、凄惨せいさんたる有様である。


「ごめん、あかり」


「謝らないで……わたしが悪いの」


  ―――まあそうだけど。


「誠太の助けなくてもできるって、わたし証明したかったのに」


 ―――それはとても無理だと思う。


「ごめんね、誠太」


 ―――謝られても。


 彼女の、まるで世界を救えなかった漫画のヒロインのようなセリフを聞きながら、誠太は次の追試もこのままでは覚束おぼつかないな。と冷静に思った。


 ∴∴∴∴∴∴∴∴





 覚束ないを連発する文章でした。



 さて。

 おぼつかない。の「おぼ」とは「おぼろげ」からきているのではないかと思われます。

 はっきりしない。というのがまさにそれからきていることを伺わせますね。


 「つか」は不束者などと同じ用法らしいですが、そもそも不束とは当て字なので、イマイチわかりにくかったです。なので細かくは省略します、接尾語に当たります。


 詳しくは割愛デス。

 わからないから。わからないから割愛します!




 で、こちらの「覚束ない」も当て字になります。


 さらにいうと、「おぼつ」が無い。わけでも「おぼつか」無い。わけでもないので、表記としては「覚束無い」は間違いとなり「覚束ない」が正しい表記となります。

 もっと言うと、当て字であると申したように、「おぼつかない」とひらがなで表すのが最も正しいのかもしれません。

 

 言葉の使い方の正しい。正しくない。は時代の流れで変わってしまうものなので、昔はこうだった。という言い方は好みませんが、一応そういう背景があります。



 あちこちで使われますが、漢字で書かれると一瞬読み方がわからなくなることもある。

 テレビの漢字の読みクイズなんかで出ると、一瞬なんだっけ。ってなりがちな言葉かもしれませんね。

 

 ですが、いろんな意味が含まれているので、非常に使い勝手がいい言葉でもあると思います。

 私は難しい言葉使いましょう。的な人間なので、ぜひ皆さん使ってみてください。


 


 間違っている点などありましたら、ご指摘お願いします。

 それでは、次回をお待ち下さい。





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