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僕らは護られていた  作者: 齊藤さや
第三章
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ギルドへ行こう

「賞金稼ぎってなんですか?」

「あら、知らないの? その顔じゃロズちゃんも知らないみたいね」


 不思議そうな顔をしていたロズは、こっくりと頷いた。


「わいはヴィレタレアン出身やから聞いたことはあったけど会うのは始めてやわ」


 シュログの言葉を聞いて、今度はメフェスさんが驚く番だった。この国特有のものなのかな、賞金稼ぎって。


「そんなに珍しくないわよ。街を歩けば仕事仲間ばっかりよ」

「いや、わいはヴィレタレアン出身言うてもど田舎のベルタンやから。子供の憧れの職業ってなもんやったわ」

「確かに行ったことないわ。そもそもギルドすら無かったんじゃないかしら」

「ギルドってなんです?」


 メフェスさんはまたも小さな目を丸くした。そう言えば、いつも吸血鬼について尋ね、知らないと言われ続けていたけど、逆の立場は久々かもしれない。


「旅してたのにギルドにも入ってなかったの?! でも国をまたいでの旅だものね。そうよ、これからみんなでギルドに行きましょう。説明するより早いわ」

「でも俺はまだ歩くのはキツいんですが」


 メフェスさんはちょっとがっかりしていた。仕方無いじゃないか。


「そうだったわね。治ってから行きましょう。簡単に説明すると、国民の要望をまとめて、依頼をしている所よ。私はその中でも、泥棒や暴力沙汰でお尋ね者として賞金がかけられている人達を探し出してギルドに連行するっていう依頼を主に受けているの。こう見えてこの街、ナルバ(いち)の賞金稼ぎなのよ」


 えへんと胸を張るメフェスさん。ちょっと服がキツそう。


「だから有名って言ってたんですね」

「改めて言われると自慢になっちゃうから恥ずかしいけど、その通り。私の紹介なら問題なくギルドに入れるはずよ。良かったわね、私に拾われて」

「本当に良かったです。メフェスさんありがとうございます」

「そんなに褒めても何も出ないわよ、ロズちゃん。でもお姉さん夕食は張り切っちゃおうかしら」




 今日の夕食はお肉の塊に色とりどりのサラダ、柔らかいパンと豪華で嬉しかったが、病人の俺には酷く食べづらかった。















 さて、俺の怪我もあらかた治り、リハビリがてらギルドまで行こうという日になった。ロズはあれから毎日別の、派手な服を恥ずかしそうに着ていたけれど、七日目の今日ともなると慣れてきたようで、服に似合う堂々とした様子でギルドまでの道のりを歩いていた。この四人の男女の服装の差は、街の人にはさぞ怪しく映っているんだろう。


「ギルドの報酬が入ったら、まずはわいらも服から揃えなアカンな~」


 と最初冗談まじりで俺とシュログは話していた。街まで歩くと言っても、目で見える距離だからどうってことないと思っていたが、久しく歩いていなかった俺の脚には堪えるようで、次第に会話する余裕などなくなってしまった。俺の速度に合わせてくれたおかげで結構時間がかかったけれど、「ナルバギルド」と看板の掛かった立派な建物に辿り着いた。中に入ると、掲示板があちこちにあり、紙が沢山貼ってあった。


「この紙ひとつひとつに依頼内容が書かれているのよ。ここから好きなのを選んで依頼をこなしていくの。まあお姉さんみたいにAランクになると、指名が入ったりするんだけれど」

「やあ、メフェス。最近見かけないと思ったら珍しく人を連れているんだね。新入りかな?」


 受付のお兄さんが話しかけてきた。俺達のせいでお仕事出来てなかったって訳だよな。申し訳ないや。


「そうそう。この三人みんな入りたいみたいだから登録よろしく」

「お嬢さんもか。じゃあまずは名前から聞いてもいいかい」


 名前と年齢を言ったところで出身地を訊かれた。受付の人は慣れた手つきで手元の紙に素早く書いていく。「デリティリ国のツェベン」だと告げたら手を止め、驚かれた。


「あの、バーニング・ダウンのかい? 二人とも?」

「そうよ」

「ということは二人は噂の生存者ってことか! おっと、失礼。職業柄、噂話はよく耳にするからね、つい興奮しちゃいました。はるばる遠くまでお疲れ様です」


 その後も幾つか質問され、最後に何か質問は無いかと訊かれた。ロズもいるが、いつかも自分から例の単語(・・・・)を発していたので、思いきって尋ねてみた。


「ここって討伐の依頼とかもくるんですか?」

「そうだよ。街に大蛇が紛れ込んだりするからね。逃がすとまた来ちゃうかもしれないから、可哀想だけど討伐して良いことになってる」

「それじゃあ、吸血鬼の討伐依頼とかもあるんですか?」

「もちろんさ。つい最近、国王の命令で緊急討伐対象に指定されたばかりだからね。あ、その顔は知らなかった?」


 『吸血鬼』が通じたこと自体が驚きだったのに、まさか積極的に倒せと言われているとは考えもしなかった。


「まあ得体の知れない生物だから誰も探そうともしないし、Sランクのギルドメンバーは根こそぎ国に徴兵されるしで、ギルドも困っている案件なんだ。でも登録したてでランクもEからだから、無理しない方が良いよ」

「わい達は、何度か吸血鬼と(たたこ)うたことがあるねん。せやから、吸血鬼討伐の依頼を受けさせて欲しい。せやな?」

「ああ。シュログありがとう」

「お姉さんも心配だから付いていくわ。完全復帰したら、この子達に相応しそうな依頼、紹介してあげて」

「メフェスさんが付くならね、かしこまりました。他に質問はないかな? じゃあこれで登録は完了だ。ギルドメンバーとして、これからもよろしくね」

「はい!」

毎回更新遅くて申し訳無いです

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