エピローグ
「なにこの状況。」
「まぁ、いいんじゃないんですかね?」
卒業式から数日後。引っ越しの準備がだいぶ進んだ私の部屋に相変わらず許可なく突撃してきた翔は、「お前の彼氏に連絡入れて迎え寄越せ」と意味不明なことを言い出し私のスマホを突き出した。
勿論拒否権無し。仕方なく貴史さん(呼び方変えろと脅された)に電話して事情を話せば快諾してもらえ、片付けた荷物から余所行きの服を取り出して準備(貴史さん以外と会うつもりはなかったからね)。
そうして向かった先は小さめのお洒落なカフェで、中にはメインキャラが勢揃いしていたのだ。
「卒業祝いって…絢子は社君いるだろうけど、私関係ないじゃん。引っ越しすぐすれば良かった。」
「メインの幼馴染みは十分関係あるのでは?」
私達を連れてきた張本人は既に香織先生の隣を陣取ってちょっかいをかけている。絢子も社君がいるからか貴史さんがいるからか、最初に挨拶しただけで近寄っては来てくれない。完全に放置されている。
幸い貸し切り(国立君お気に入りのお店らしい)な為、他のお客さんからの視線はないので気まずい思いはしていないが。
「全員揃っている所を見るのは初めて見ますが、なんか、キラキラ感凄いですね…。」
「貴史さんはあの中に混ざっても違和感無くキラキラ出来ますよ。」
香織先生を中心に彼処だけ世界が違う気がする。因みに久しぶりに真下君を見たけど、やっぱり男の娘だった。
マスターが淹れたコーヒーよりやや劣るそれを飲み干して静かに席を立つ。私の意図を察してくれた貴史さんも気配を消して隣に移動してくる。
コッソリ抜けても構わないだろう。自分達の分は彼等に奢らせる。30分も放置されたんだ、それくらい許されるはず。
店を出て少し距離をとった所で振り返る。ガラス張りだから店内で楽しそうにしてる彼等はよく見えた。
なんかまるで、
「逆ハーみたいですね。」
同じことを思ったらしい貴史さんが口にする。それに苦笑いを返して駐車場に停めてある車に乗り込んだ。
みたいなだけで。
逆ハールートは存在しません。
これにて完結です。
成長しない拙い文章を最後まで読んでいただきありがとうございました。ブックマークしていただいた方々も感謝です。
続編も投稿予定ですので、よろしくお願いします。




