こっちでも流行っているのでしょうか。
奥の死角になっている場所ではなく、下手すれば目撃されそうな危うい場所で。
壁に両手をつく1人の男と間に挟まれている女。
あらやだ、壁ドンじゃないですか。元の世界で一時期にだいぶ盛り上がってたけど実際どうなんだろう。誰か感想プリーズ。
にしても国立君と先生、距離近いよちゅー出来ちゃうよ。先生顔真っ赤だよ。なんだやっぱり国立君ルートなの?
「先生、俺、先生のことが「国立君」」
「私は貴方達の担任の教師です。」
「そんなの分かっている。」
「皆、私の大事な生徒なの。勿論、国立君も。」
「…。」
あれ?国立君フラれた?遠回しに恋愛対象にならないって言ってるよね?
じゃぁ翔の方なのかな。でも皆大事な生徒って言ってるし…。
またモヤモヤする。なんだこれ。
2人を覗く体勢のまま考えを巡らせかけた時、右手が掴まれて引っ張られる。ハッとしてそちらを向けばよく知る人間だった。
「英司、なんでここに?」
「あの2人呼びに来た。紫帆はなんでここに?」
「学校に課題で使う参考書忘れちゃって。ついでに涼んでいこうかと思って寄ったの。」
「それで覗き?」
「だって気になるじゃん?」
小さく溜め息をついた英司はそのまま少し奥の棚まで私を連れていく。そのタイミングで先生達が移動する音がした。
「結果は?」
「フラれてた。って、英司だって気になったんじゃん。」
さっきは咎めるような視線寄越したくせに。静かに見守ってたんだからいいじゃないか。これが相澤さんだったらカオスなことになってたよ?
「皆で補習?」
「うん。まぁ航太は回避したからいないけど。」
「相澤さんも?」
「いるよ。理がベッタリくっついてるから、そこまで被害はない。」
いないわけがないよね。つまり真下君のおかげで私はいいシーンを見れたわけか。グッジョブ真下君。
「翔は逃げられなかったみたいたけど、それで良かったと思う。」
「なんで?」
「だって翔も先生のこと好きだから。恭介と先生が図書室行くだけでも不機嫌だったし。さっきの見てたら乱闘になってたかもね。」
返ってきた衝撃的な事実に思考が停止しかける。
誰が、誰を、好きだって?
「は?わんもあぷりーず。」
「翔は先生が大好きです。」
「!?」
なんだそれなんだそれ。いつから?体育祭?
「私、そんなの翔から聞かされてないよ。」
「本人も自覚したの最近だし、知らないのもしょうがないんじゃない?兆候は見られてたけど。」
「何それ…。」
そういえば絢子が公開告白された時に英司と2人で何か言っていた気がする。あぁなんであの時もっと根掘り葉掘り聞かなかったんだ自分。
「先生に惚れたとか言いづらいかもしれないけど、幼馴染みなんだし相談くらいしてくれたっていいじゃないかあの馬鹿。」
「何とも思わないの?」
私の態度に何故か首を傾げる英司。ちょっと可愛い。じゃなくて。
「知らされなかったことと気付けなかったことに怒りは多少あるけど。」
「いや、そうじゃなくて。」
「何が言いたいのよ。」
どうにも英司の言い方がハッキリしなくて余計に気に食わない。そんなに私酷い顔で怒ってるのかな?
「紫帆は翔のこと好きなんじゃないの?」
長くなりそうなので、中途半端な感じですが一旦切ります。




