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第六話 婚約者エレーナ様と、美容食の夕食会

夕食の時間になり、私は食堂へ向かった。

扉を押すと、すでに兄様とエレーナ様が席についておられた。


「ミレーユ、今日もお疲れさま。」

兄様はいつものように穏やかな微笑みを向けてくださる。

その落ち着いた声を聞くだけで、胸の奥がふっと温かくなった。


「ミレーユさん、こんばんは。今日の夕食、とても楽しみにしていましたの。」

エレーナ様は両手を胸の前で合わせ、期待にきらきらと瞳を輝かせている。


ほどなく父と母も揃い、夕食が始まった。


「本日の料理は、ミレーユが考案した“美容食”らしいぞ。」

父が嬉しそうに言うと、使用人が次々に皿を運んでくる。


蒸し野菜にハーブを合わせたスープ、レモンと蜂蜜で仕上げた鶏のソテー。

どれも胃に優しく、身体の内側から綺麗になれそうなものばかりだ。


「まあ……!なんて優しい味なのでしょう」

エレーナ様は一口食べるたび、心から感動している様子で頬をほころばせた。


「気に入っていただけて嬉しいです。材料と作り方を書いたメモがありますので、後でお渡ししますね」

私がそう言うと、

「本当に? とっても嬉しいわ!」

と、エレーナ様は子供のように瞳を輝かせた。


「エレーナ様、もしよろしければ……明日の午後にエステのお時間を取っております。一緒にいかがですか?」

「もちろん、お供させてくださいな。ミレーユさんの美容法、すっかり興味津々なのですもの。」


和やかに笑うエレーナ様を見て、兄様も父も母も自然にほほえむ。


家族と、その輪の中に自然に溶け込むエレーナ様。

その温かい空間が心地よくて、私は胸の奥がじんわりと熱くなった。


――こんな時間が、これからも続きますように。


そんな願いを胸に、私はそっとグラスを握りしめた。

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