第38話 洞窟、再び
「……ここは?」
目が覚めると、以前と似たような洞窟の中にいた。
ただ、真っ暗なわけではなく、かがり火が所々に焚かれていた。
「やっぱりまたあの洞窟の中ってことか……」
ということは、またあの怪物がいる……早いところ出なくちゃな。
「そういえば、社長さんから貰ったこの携帯……」
以前にここに来てしまった時も、グローディが助けてくれたな。
今回も頼むぞ、グローディ。
「グローディ、厄介なことにまた変な洞窟に入っちまったよ、ここから先また怪物がやってくるかもしれないけど、助けてくれる?」
『はい、私に役立つことがあれば何でもやりますよ! お気軽に質問してくださいね!』
「そりゃ頼もしい、とりあえず……」
ライターと催涙スプレーを装備し、怪物に備えた……と、そうだ、社長さんに助けを呼んでみよう。
「ここって電波は……届くわけねぇよな」
わずかな望みに賭けたが、こんな洞窟の中じゃ電波なんて届くはずも無いか……
……そうだ。
「なぁ、グローディ、社長さん……鏡ルカに連絡はできる? 電話番号は……」
グローディに社長さんの連絡先を言うと、数秒を待たずに答えてくれた。
『かしこまりました、鏡ルカ様に連絡ですね、只今よりグローディネットワークに登録されている番号より、電話を掛けます』
なんだ? グローディネットワークって……と、困惑したが、即座に電話が繋がり、耳に当てた。
「も、もしもし? 社長さんか?」
『おう、トムじゃないか! 久しぶりだな!』
この声は、本当に社長さんだ……なんか向こうはやけに騒々しいな。
「なぁ社長さん、そっち工事でもしてんのか?」
『あぁ、すまんすまん、ちょっとこっちで作業しててな、今中断する……ジャスミン、携帯をくれ、もう大丈夫だ』
どうやらジャスミンさんに電話を持たせていたらしい……一体何の作業をしていたんだ。
『で、どうした? 我が社に入る考えでもまとまったか? お前の席は既に用意してあるからいつでもいいぞ』
「あぁ、その件じゃない、実は今地震と遭遇して、前と同じ洞窟に入っちまったんだよ」
『おぉ、そうか! ならこいつの実験にも使えるな……』
「実験?」
『あぁ、こっちの話だ、確かお前の会社は松ヶ峰駅の近くだな? 今向かうから先に進んでろ、すぐに追いつく』
「あぁ、わかった……ところで、ここ電波が届かないんだが、なんであんたと電話がつながったんだ?」
グローディネットワークがどうとか言ってたが……
『グローディには独自のネットワークが作られているんだ、現状連絡先は警察や消防や海上保安庁といった緊急連絡先と、私とジャスミンしかないがな、そういえばその携帯にはその機能を入れていたな、伝え忘れていた』
「そういうのは時前に言ってくれよ……警察に連絡できるってことは今呼んだ方が……」
『馬鹿! そしたら封鎖されて私が入れなくなるだろう! ちょっと待ってろ、私が入ってから連絡してくれよ! とにかく今車に乗り込んで向かってる最中だからな!』
「今?」
そういえばなんか車のエンジンを掛ける音が聞こえるが……
『もうすでにジャスミンが車を出して乗り込んで発進するところだ! とにかく今は怪物の警戒しろ! 切るぞ!』
「お、おい!」
社長さんは電話をぶつ切りし、声が途絶えてしまった。
怪物……正直戦うのは怖いが、行くしかないか。
面白かった、続きが見たいと少しでも思ったら、下の★評価、ブックマーク、感想よろしくお願いいたします!




