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籠目屋商店怪異録 春ノ巻

作者:宇佐美夕日
最新エピソード掲載日:2026/06/22
犬山市の路地裏に、籠目屋商店という店がある。

古本と酒しか置いていない、小さな店だ。

そこで藤原六郎は、宇喜田百合という女に出会う。

百合のもとには、怪異にまつわる依頼が舞い込む。

まだ寒さの残る朝に、どこからともなく聞こえる鶯の声。
雨のあと、土の下から滲み出す、人の憎しみ。
啓蟄のころ、閉じていたものが目を覚ます家。
春風にまぎれて帰ってくる、死んだはずの名。
芽吹きとともに、鬼へ近づいていく人間。

六郎は百合に連れられ、様々な所へ向かう。

そこで目にするのは、怪異だけではない。

未練、後悔、罪、祈り。
そして、春の光の下で、人が人でなくなる瞬間。

冬が終われば、すべてが終わるわけではない。
芽吹くものが、必ずしも美しいとは限らない。

現代を舞台にした、七十二候の怪異譚。
籠目屋商店怪異録、春ノ巻。
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