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英雄たちが求めるエンディング  作者: 岩ノ川
第2章 カナタ・タユーリ
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第78話 天賦の才の一端

諸事情により編集しました。

 私の試験が終わって1時間近くの時間が経過した。あれから他の参加者も次々に魔術の試験を受けていき、ギルド職員たちにアピールしていく。私はそれをキーちゃんに抱きつかれながら、ただ傍観していた。密着してくる体温を我慢しながら、静かに傍観し続けた。


 うん、地味だね。いやまあ、いろんな人の魔法が見られる絶好の機会なんだけど・・・ハッキリ言ってうちのパーティーメンバーの方がよっぽど派手で見応えがあるんだけど。もうちょっとないの?カッコイイ魔法とか?冒険者志望だからてっきり私たち以上の魔法の使い手がいると思っていたんだけど・・・正直期待外れだなぁ。まあ見るからにみんな私たちと歳が近そうだし仕方がないかもね。・・・っていうか、熱いッ!もうそろそろ現在進行形で抱きついているキーちゃんに文句言ってもいいよね?!汗も出てきちゃったしいいよね?!


「ねえキーちゃん、もうそろそろ熱いんだけど・・・。」


「夏だからねぇ~。」


「そうだね~・・・じゃなくてッ!?熱いから放してって言っているの!」


 キーちゃんの返答に思わずツッコみを入れてしまった。私との会話が楽しいのか彼女はにこにこと笑っている。まだ自分の試験が終わっていないのに呑気なものだ。機嫌を直してくれたのならもう抱きつく意味はないと思うけど。


「そういう時には明鏡止水の如く心を落ち着かせたら、熱さなんて気にならないよ?」


「その言葉、一番キーちゃんに言われたくないんだけど!?それにそろそろ精神統一・・・みたいな事しなくていいの?もうそろそろキーちゃん番だよ。」


「えぇ~だって~、ただ3つ魔法を魅せるだけでしょ~?さっきみたいなぁ~、集中しなくてもぉ~、大丈夫だよぉ~。」


 キーちゃんはやんわりとした口調で返答する。どこぞの女子高生かとツッコみを入れたくなるが、ファンタヘルムに女子高生という単語はないから口を閉じる。つまり彼女の言いたいことは“まだ離れたくない”という事なのだろう。もう何の意味でこんな風に抱きつかれるのか分からなくなってきた。全く、先まで“油断大敵”といって念入りに準備運動していた彼女は一体何処に行ったのやら。


「んっ・・・でもそろそろ、腕だけでも回しておこうかな。あの人の次なんだし。」


 そう言いながらキーちゃんは抱きついていた腕と体を私から離して体勢を戻す。現在、魔術の試験を行っている人は10番のカードを持っている人。つまりこの次は11番のカードを持つ、キーちゃんの番だ。試験の進行を見てみると10番の人は最後の魔法を魅せ終えたところのようだ。


 試験にはちゃんと目を向けていたんだ。まあ冒険者なれるかどうかの真剣な試験なんだし、一応ちゃんとしているんだ・・・ちゃんとって何だろう?


「・・・次、11番、キィさん。」


「はいッ!じゃあカナタちゃん、行って来る!」


 ギルド職員がこちらを振り向いてキーちゃんを呼ぶ。それに元気よく返答しながら彼女は立ち上がり、私にそう言いながら枠の中へと入った。


「行ってらっしゃ~い。・・・さて、ん~~~。」


 キーちゃんを見送ると私は自由になった身体を座りながら背筋を伸ばして解す。先の試験からずっと着用し続けている防具の隙間に風を送るように服を扇ぐ。本当に熱かった。地下訓練所の空気は氷の魔石で快適な温度を保っているらしいが、キーちゃんが密着してきたせいで身体が熱くなってしまった。


 ん~~・・・ようやく自由だぁ!まあすぐにキーちゃん戻ってくるけど。流石にまたすぐには抱きついてこないでしょ?“アハハハ!頑張ったから褒めて~!”って言ってきそうだなぁ・・・。うん、普通にあり得るな。


 そう考えると私は思わずキーちゃんの見えない所で嘆息する。彼女の方を見てみるとギルド職員と会話をした後、少し離れた所で3つ的が地面から出て来た。先端の円形は先の私の様にやや大きめで作ってある。どうやら彼女は、魅せる魔法を3つとも攻撃魔法にするようだ。キーちゃんは作ってもらった冒険者に頭を下げてから移動して、魔法の発動体勢になり集中する。目元などが先ほどと違い、気合が入っている。


 私もキーちゃんが言ってくれたように“頑張ってね!”とか言えばよかったかな?・・・いや、別に言わなくてもよかったか。さっきの武術の試験もそうだったけど、キーちゃんを心配する要素なんて全然ない。私が試験をうまくいく事をキーちゃんが信じてくれているように、私もキーちゃんに対しては絶対的な信頼がある。だって・・・キーちゃんは、正真正銘の天才だもん。


【氷魔法:氷柱の雨 (アット・レイア)】


「そ~・・・れいッ!」


 キーちゃんは自身の周りに大量の氷柱を出現させて、気合を入れた掛け声と同時にそれらを天井に向けて一斉に撃ち出す。鋭利な先端を前に放たれた氷柱たちはそのまま放物線を描くように下から上へ、上から下へと移動して、3つあるうちの1つの的へ集中的に墜落する。氷柱の強度は恐ろしい程に高く、それが大量に上から降ってきた的はひとたまりもない。的は徐々にその原型は氷柱によって破壊されていき、変形していく。氷柱全てが降り終わった頃には先端の円形は無くなり、そこにはボロボロな棒一本と無数の氷柱の残骸、氷だけが残った。それを見た赤グループの人の全員が愕然とする。私の時とは比にならないほどに。彼女は周りの様子に気付いていないのか、そのまま次の魔法を発動した。


【風魔法:黒い旋風 (ジュベル・バラーク)】


「はぁッ!」


 今後は右腕を大振りすると、1つの的に集中的に黒色の風が集まり、やがてそれは渦と化して的を包み込む。黒い渦は徐々にその高さと風の勢いが増していき、風切り音とバキバキと何かが砕けていく音が、赤グループみんなの耳に入る。当然一同はそれが何かはすぐに察した。キーちゃんが魔法を発動してほんの数秒後、黒い渦の天井から何かの物体の残骸が放り出される。それは包み込まれて歪に切り裂かれて、更にはぶつかり合って破損した的だった。色の濃い渦でギルド職員一同は何が起きていたのか目視できなかったが、無残な形にされた的を見て容易に彼女の魔法によるものだと理解する。初めて見た斬新なおかつ驚愕的な魔法を魅せられて、赤グループのみんなが絶句する。


「ん~~~・・・!!」


 それとは一方でキーちゃんは少し満足気な表情をしている。恐らく先の魔法はかなりの手応えを感じたのだろう。気分が上がった彼女はその勢いのまま最後の魔法を魅せる。と、その前に、周りの反応が思っていた以上に薄い事に気付き、ギルド職員の顔をうかがうため後方を振り向く。


「えっと・・・最後、発動してもいいですか?」


「えっ、ああ、はい。どうぞ・・・。」


 ははっ、めっちゃ動揺している。ギルド職員さんでも固まっちゃうんだ、今の魔法。いやまあ初見であれ見たらそりゃあそんな反応してしまうよねぇ~。きっと心の中で“とんだ逸材を見つけたぞ!”って思っているんだろうなぁ~きっと。一応先にキーちゃんの才能を気付いたんは私だからね?・・・っていうか、本当に大丈夫なの?他のギルド職員さん達も固まっているけど、ちゃんと審査してあげている?


 ギルド職員に確認を取ったキーちゃんは少し不安になりながらも再び的の方へ向き、再度魔法の発動体勢に入る。彼女は人差指を立てた右手を上にあげて、雷の魔力を集中させているのか指先には微かに黄金色の電気が見えた。私は彼女がどんな魔法を発動するのか理解して、すぐに両耳を塞ぐ。


ん?あれは・・・まさかッ!?ヤバいッ!


【雷魔法:光雷の鳴激 (エルコル・スパァダ)】


 キーちゃんは指すように立てた指を的へ向けて下ろす。すると指先から細く、黄金色の光が一筋の線のような形で、彼女の指先から的へ飛んでいき命中する。刹那、今後は的から激しい雷鳴が天に向かうように“昇り”、雷の光に包まれる的は跡形もなく消滅する。今回の試験の中で最大の光明と爆音が地下訓練所の隅まで響き、それを目と耳に入った他の者たちはたちまち目元を細めて耳を抑える。他のグループにいるクアルくん、ケマくん、コルルちゃんは、これはキーちゃんの魔法によるものだと直ぐに察すると、その手加減も遠慮のない彼女らしい行動に不意に笑う。彼女と同じ赤グループにいる私も同様だ。


「あはは、相変わらず・・・ヤバい魔法・・・。」


 思わずそう呟くとキーちゃんが私の方に振り向く。そして満面な笑みと同時にピースサインを自慢気に見せる。


「「「「「おおおおおーーー!!」」」」」


 地下訓練所に全員が驚愕と歓喜、様々な感情を胸に声を上げる。赤グループだけではない、隣も青グループからも、壁の向こう側の2グループからも声が聞こえてくる。キーちゃんはここにいる全員の完成を独占した。


「何じゃ今の魔法ッ!?」


「鬼人族ってあんな魔法に特化した種族だったっけ!?」


「そうだあの子、武術の試験でもエクストラスキルを見せて勝った子だ!」


「おい、すぐ大量にお菓子を用意しろ!何とかうちのパーティーに引き入れるぞ!」


 キーちゃんの恐るべきステータスの高さに気付いた冒険者たちが賑やかに騒ぎ出した。それを見て私はついにやけてしまう。まるで自分のことの様に彼女の評価が上がることが嬉しく思う。


 おうおう、みんなが騒ぎ出した。面白い反応を見せるね~、でも残念でした~。キーちゃんはうちのパーティーメンバーだから他には入りませんよ~っだ!

 それにしても、やっぱりいつ見てもすごい威力だなぁ・・・。いや威力よりもあの爆音の方がヤバい。地下訓練所が密室だから音がすごい反響したよ。先に気付いて耳塞いでいおてよかったぁ・・・この距離で聞いたら絶対頭の中でも響いてヤバいことになっていたよ?先にやったあの2つの魔法もそうだし、キーちゃんの魔法は派手過ぎて毎回一緒に居る私の身がもたないよ!・・・まあ、あの子のほとんどの魔法、私の入れ知恵だけどね?


 事の発端は1年前、とある合同訓練の中、オリジナル魔法を創造しようと考えた私は、真っ先に頭に浮かんだのは前世でのとある記憶である。それは『魔法剣士カフィ~レちゃん』という、高校生時代によく視聴していたアニメだ。主人公は女の子で、タイトル通り魔法と剣で敵を倒していくという王道な物語なのだが、主人公のその色鮮やかな戦闘シーンに私は心を惹かれて好きになった。ここファンタヘルムは魔法が使える世界、つまりあのアニメに出てきた主人公の必殺技などを再現できる。そう理解した私は早速、試行錯誤を繰り返して前世の記憶をモチーフに魔法を創造し始めた。当時はあの主人公が使用していた全ての必殺技を習得しようとやる気に満ちていた。そして結果は、見事なまでの惨敗。

 理由はすぐに判明した。あの主人公は様々な種類の魔法が使用できるのに対して、私が持っている適正魔法は火のみ。だから再現できるのはせいぜい火炎系統のみ。全ての魔法の習得は諦めようと決断したその時、当たり前かの様に傍にいたキーちゃんの姿を見て、私の脳裏に1つの言葉が出てきた。


 適性魔法8つ持っているキーちゃんなら、あれら必殺技を再現できるんじゃないか?


 そう考えた私はキーちゃんに一緒にオリジナル魔法を創ってみないかと提案した。私と共に訓練するのが嬉しいのかキーちゃんは即答で承諾してくれた。それから週に2回の合同訓練の際、私はキーちゃんにあのアニメの必殺技を魔法のモチーフとして、極細やかに説明し続けた。必殺技を言葉で説明するのはかなり骨が折れた。何度も繰り返して説明してもイメージしづらいのか中々理解してくれなかった。だけど最初は滞っていたけど、キーちゃんは私の期待に応えようと彼女なりに私の説明を解釈して、更には思考を凝らして懸命に精進し続けた。その結果は、見事という言葉を通り過ぎての大成功だ。

 キーちゃんは私には出来なかったアニメの必殺技のほとんどを再現して、それをオリジナル魔法として習得した。しかも私の記憶と比べてかなりの派手さと威力、殺傷性のある魔法として創造したのだ。好きなアニメの必殺技が恐ろしいものとして再現された時は少し微妙な感情になってしまったけど、それでも出来たことには嬉しかった。それから更に魔法の開発を続けて、キーちゃんは攻撃魔法を6つ、補助魔法を4つ、2年間で合計10のオリジナル魔法を創造に成功した。その全てがアニメの必殺技である。因みにその副産物としてエクストラスキルを5つも開発できた。当然5つともアニメの必殺技だ。


 この時、私は察した。キーちゃんは紛れもない天才気質だと。他種族と比べて筋力がある鬼人族、7つの適正魔法に恵まれて、更にはあやふやな言葉による説明だけでそれを創造してしまう豊かな妄想力。これはもう天才としか言いようがない。


「カナタちゃ~ん、ただいま~!」


 そう前の事を思い出している間に、魔術の試験を終えたキーちゃんはいつの間にか私の元へ戻って来ていた。周りの視線が突き刺さる。あれ程の魔法を発動したのだからキーちゃんに注目してしまうだろう。そんな周りの視線など気にせず、彼女は対面して話そうと私の前に座る。


「お疲れ、キーちゃん。周りの人すごい反応だったね。」


「アハハハ!ありがとう!」


「でもわざわざ一番強い魔法を使わなくても良かったんじゃないの?キーちゃん、他にも派手な魔法を持っているんだし?第一、あの魔法は確かかなり魔力を消費するんじゃなかったの?」


「ううん、あれでいいの!出せるのに惜しんで、私だけ冒険者になれなかったなんてイヤだもん!私、試験中は本気でやるつもりだよ!」


 キーちゃんは楽しそうにそう語った。彼女にしては中々正論染みたことをいう。でも確かにその言う通りだ。ようやく待ちに待った冒険者になるための試験なのだから全力で挑むのは当然だ。


「だからね~カナタちゃん、私本気でやったからちょっと疲れちゃったんだよ?頑張ったんだよ?褒めて褒めて~。」


 そう言いながらキーちゃんは再び私に抱きついて、額の角を私の体にこすりつける。“本気で挑む”とは言ったけど“ちゃんと挑む”とは言っていない。またかと思いため息をこぼすが、彼女のお願いを承諾する。


「はいはい。本当にお疲れ、キーちゃん。」


「えへへ。」


 私が頭を撫でるとキーちゃんは嬉しそうに微笑む。少しならいいだろうと私はキーちゃんに抱きつかれたまま試験の進行を見続けることにする。だけど私の考えはあまかった。それから更に1時間以上、この体勢を維持して、徐々に熱くなる体温を我慢することになった。



 キーちゃんの魔術の試験から1時間以上の時間が経過する頃に、赤グループの魔術の試験は全員無事に終了した。あれから静観し続けたけど、私たちと同等以上の派手な魔法を披露した者はいなかった。魔術の試験に関しては、間違いなく私とキーちゃんは赤グループ内で1位2位を争うほどの良い評価が期待できるだろう。武術の試験に関してはクアルくんの試験でよそ見していたから優劣が考えにくい。


「えぇ、赤グループの皆さん魔術の試験お疲れ様でした。次は総合適正の試験ですが、これに関しては他のグループにいる参加者たちと合同で行っていくため、他のグループの魔術の試験が終わりまで休憩していてください。ただし地下訓練所から出ないように。」


 そうギルド職員が試験の進行を止めると、他のギルド職員と共に会話を始めて何処かへと走り出した。ここで他の参加者たちと合同で試験を進行するのは予想外だ。そんな大人数で行う試験、私の頭では一体どんなものなのか全く予想が着かなかった。まあ何はともあれ私たちは言われた通りしばし休憩をしよう。


「次で最後かぁ~。」


「総合適正の試験・・・名前だけ聞くとちょっと緊張するね。」


「カナタちゃんはどんな試験だと思う?」


「何とも言えないよ。正直に言って予想がつかないなぁ。」


「アハハハ!だよねぇ~。でも“私たち”ならどんな試験でも合格できるよね?だってあんなに頑張ってきたんだもん。」


「・・・うん。私もそう思う。」


 私たち5人はこの日のために日々精進し続けた。みんな本当に頑張ってきた。たった12歳の少年少女とは思えないほどに。だから私もキーちゃんも、パーティーメンバー全員が試験でうまくいくことを信じている。


「赤グループの皆さん、中央に集まってください。これから総合適正の試験について説明をします。」


 キーちゃんと談笑していると、中央にいる担当のギルド職員の指示が聞こえてきた。恐らく他のグループの魔術の試験が終わり試験を進行するのだろう。赤グループ一同はギルド職員の声を聞くと立ち上がり、指示された場所へと歩き出した。すると反対側の青グループの参加者たちも、地下訓練所を区切る壁の両端から黄グループと緑グループの参加者たちもこちら側に来て中央へと向かい始めた。移動する際にパーティーメンバーのクアルくん、ケマくん、コルルちゃんの姿を確認できた。嬉々とした表情ではないけど、逆に深刻そうな表情でもないから魔術の試験でも上手くいったのだろう。ケマくんが眠そうな表情をしているのが少し気になる。

 ギルド職員の指示で今年度の試験の参加者全員が一か所に集められると、先の強面ギルド職員が私たちの前に出てきた。


「参加者の諸君、武術及び魔術試験お疲れ様でした。今年度の参加者は大変優秀。なかなか目に留まる場面もあり、中には我々冒険者ギルド職員を心底驚かせた者もいる。こうして若い逸材が集まってくれたことに大変嬉しく思う。」


((((絶対にキーちゃんの事だな・・・。))))


 キーちゃん以外のパーティーメンバーの心の声がかぶる。あれだけの爆音を響かせたのだから何の疑いもなくそう思った。強面ギルド職員は更に進行を続ける。


「これから総合適正の試験についての説明を行う。その前に参加者の諸君に1つ問う。冒険者というのは仕事内容によっては死と隣り合わせとなる職。確認されているだけで年間200人以上の者が散って逝く。そんな冒険者に最も必要な“もの”は何だ?圧倒的武術か?計り知れない魔術か?少なくとも私は違うと思う。冒険者に必要な“もの”・・・それは、生き抜こうと死に抗う“生存本能”だ!よって最後の総合適正の試験では、諸君らの生存本能を計らせてもらう。今までの試験とは過酷さが違う。全員・・・覚悟して挑めッ!!」


 強面ギルド職員の渇が地下訓練所に響いた。それと同時に私たち参加者は先の話を聞いて多少の身震いをする。まさか1年にそれほどの多くの冒険者が死んでいたとは知らなかった。冒険者という職務は思っていた以上に険しいものだと痛覚させられた。だけどここで止めようと思った者は誰一人いない。理由は、それでも本気で冒険者になりたいからだ。命の危険はある、だけどそれでもなりたい。私も、私のパーティーメンバーも同様だ。参加者は全員が再度覚悟を決めて、これから説明される総合適正の試験について真摯に聞く。

不自然な点があれば、是非ご指摘してください。

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