探し物
* *
置き忘れた青春を
取り戻しに 駅の落とし物係りへ行ってみました
いっしょうけんめい 捜したけれど
わたしの忘れ物はありませんでした
それでも あきらめず
まあたらしい赤い傘や
骨の折れてしまっている 古い傘の下を
汗だくになって捜しました
いつのまにか わたしのほほは
涙でぐちゃぐちゃになってしまいました
おじさんが 気の毒そうに
「一緒に捜しましょうか」と声を掛けてくれました
わたしは なにも言わずに捜し続けました
だれもいなくなった駅
暗くなった駅
置き忘れた青春は もう どこにもありませんでした
* *
あなたが見守ってくださるから
わたし
悲しい事なんか 忘れてしまいましょう
あなたが見守ってくださるから
わたし
苦しくたって がまんしましょう
あなたと一緒なら
どんな厚い壁も やぶれるわ
あなたと一緒なら
どんな高い波にも 負けないわ
わたし
これからは きっと強く生きて行ける
未知なる あなた
* *
明るい日々を わたしにください
陽気に笑う日々を
悲しい顔は遠くへ捨ててししまいたい
ひとりぼっち
淋しいです
だれか 楽しい音楽を聞かせてください
青白い顔のわたしに ワインをください
悲しい涙は遠くへ捨ててしまいたい
* *
歩く 歩く
雪はまだ積もる
重い靴に
ぬれた髪に 降りかかる
あなたはどこにいるのでしょう
呼んでも 答えない
叫んでも 答えない
空は冷たく
わたしの息まで凍らせてしまう
車は見下しながら過ぎて行く
歩く 歩く
雪が背中を押しつける
もう 力がつきてしまう
あなたはどこ
あなたはどこ
* *
一人で生きたい
一人で生きたい
一人で生きたい
この せせこましい時間の中
もがきながら
苦しみながら
一人で生きたい
一人で生きたい
一人で生きたい
そして 何かを育てるんだ
まだ わからない 何かを
そして 何かを知るんだ
まだ わからない 何かを
* *
夜がこわい
忍びこむ闇がこわい
鼻をヒクヒクさせ近よる猛獣たち
食べられてしまう
部屋の隅から隅へ 逃げる
爪が足を襲う
這いずりながら 逃げる
青く光る目
早く 早く 朝になれ
陽光よ わたしを助けたまえ
白やいだ山々
戦いは終わり
汗だくになったわたし
ーーーーーー そして また 夜が やってくる
* *
あの時咲いてた花を
今になって思い出すなんて
淡いエメラルド色の
名も知らぬ花
あゝ もう一度見たい
あの やさしいささやきが
風に乗って 聴こえはしない
恥じらうような 花の輝きが
ひだまりの中に 落ちてはいない
そう あの花はーーーーー
* *
なぜ 人は殺し合うのでしょう
なぜ 育てようとしないんでしょう
みんな蹴散らしてしまう
白い雪も
旅する石も
ほころびかけた花も
この地球を熱い涙でうずめたい
なぜ 人は奪い合うのでしょう
なぜ 与えようとしないんでしょう
みんな 流れ去っておしまい!
地位も見栄も
汚い欲も
独りよがりの罪も
この地球を愛のベールでつつみたい
この地球を熱い涙でうずめたい
この地球を愛のベールでつつみたい
愛は 奪うことではないんです




