壁
心は闇へ闇へいざなわれて、それでも手探りで進む。どこにたどり着くの?何年かかるの?
*つかめないもの*
愛ってなんだろう
妻ってなんだろう
拾うものかしら
みつけろものかしら
空気のようでそうでもない
なくては生きられないわけでもない
二人で並んだ写真を見れば
妻はやっぱり妻らしく
もっとも自然に写っている
なぜ欲しがるの
形のないさわれないとらえられない愛を
なぜだろう
なんだろう
愛って妻って
*違い*
あなたとわたし
育ってきた家も
胸の中にある故郷も
全く違う
だから
いつもすれ違うのね
わたしにはできません
川の流れるままに生きていくなんて
わたしにはできません
*小さな命*
だれにも振り返られることもなく
枯れていった小さな花
自分を憐れに思うだろうか
小さな命よ
二度と息づくことのない
しおれた花びら
色あせた葉
幸せを感じた日があっただろうか
今
土の下に埋もれんとする
小さな命よ
*故郷*
雪に彩られた松林
葉を落とした雑木林
故郷
幼い頃と少しも変わらない
故郷
雪の上をだれか歩いて行く
サクッ サクッ サクッ サクッ
いつのまにか静けさが
もどってきている
屋根から雪が落ちる音
あゝ なんと素晴らしいせかいでしょう
わたしの故郷
*精いっぱい*
精いっぱい生きよう
うしろなんか振り返らずに
明日からの道を
精いっぱい生きよう
涙なんか忘れてしまって
ふりそそぐ陽光を
精いっぱいあびよう
昨日までの
苦しみ
悲しみ
淋しさ
ぜんぶ捨てて
精いっぱい生きよう
*自由だったあの頃のように*
明るい歌を歌って歩きたい
自由だったあの頃のように
笑顔をふりまいて歩きたい
小さな箱の中
口も閉ざし
暗闇に慣れた目だけが大きく開いて
幾度かあついしずくがあふれ
耳の方につたって落ちていく
明るい歌を歌って歩きたい
自由だったあの頃のように
笑顔をふりまいて歩きたい
*風景*
青空があります
鳥がさえずります
牛がなきます
山が見えます
犬と猫が遊んでいます
ここはわたしがそだった家
自然がいっぱい
わたしたちが育った家です
幸せがいっぱい
私たちの家
*早く治れ*
過ぎし日のからだの痛みは
いつか忘れてしまうもの
過ぎし日の心の痛みは
いつか大きな傷となって残るもの
この傷よ
早く治れ
そして忘れさせて
また以前のように走らせて
疲労よ
わたしを苦しませないでおくれ
また以前のようにほほえませて
*力の源*
もしも
わたしの心に
歌がなかったなら
音がなかったなら
毎日泣き暮らしていたでしょう
見るもの聞くものすべてが
汚れきったこの世界の中で
でも
わたしには歌がある
詩がある
ラララだの フフフだのって
大きな声で歌いながら
楽しく生きていくわ
*真白*
まぶしい春の光
わたしの目の中にある思い出
机一つへだてたところ
言葉少ないキミがいた
おしゃべりなわたし
たまにはキミのようにうつむいてみたかった
毎日おおさわぎの女子高
わたしはそのまっただ中でとびまわっていた
あのまなざしに出逢った日
忘れかけていたあの瞳
なつかしい瞳
ふりかえるともう瞳はなく
うつむいてしまったキミの姿
その瞳
幼い日
そうそれは
真白な長い巻き毛の
わたしの




