エピローグ3 彼女とそれが今持つ愛情
『ハイルディ、聞こえる?』
「んー、通信良好だよー」
ハイルディは名も知らぬバイエルンの空で通信用魔法石を使っていた。
通信相手は魔法使い。目的は、長距離通信のテストだ。
盗賊たちとの戦いから、およそ一年と少しが経った。
魔法使いは、連絡がすぐに取れなかった反省から、他研究室の通信研究に率先して協力している。今回は、その一環としてハイルディが長距離通信の手伝いを行っている。
「ややノイズが混じるけど、まあ緊急連絡用としては申し分ない精度じゃない? ただ、妨害や盗聴のブロックが滅茶苦茶甘いから、戦略的にはほぼ無価値かな」
言いつつ、ハイルディは左手で生み出した盗聴の魔法陣の反応を確かめる。片手間で傍受できてしまった。
「この石はどうすれば良い?」
『機密保持のためにも壊しといて。こっち持ってくるころには使えなくなってるだろうし』
「了解。塵も残さず焼いとくね」
そういって、ハイルディは通信を切ろうとしたが、
「あ、通信繋がったついでに聞いとくことあるんだった」
『いきなりだな、おい』
ハイルディは自分の跨った箒の上で足をブラブラさせる。
「同窓会の連絡がまた来ててさ、どうするー?」
どうやら、二人とも本籍地の登録がまだバチカン国内になっているらしく、諸所の連絡がバチカン国内をたらい回しになってからヴェル経由でまとめてハイルディのところにやってきている。
『…今年は、行こうと思う』
「ん、了解。今年はフランスの引き継ぎとかが終わって、ルーシーとクリス君も来れるらしいよ」
『わかった、楽しみにしとく』
聞いてから、ハイルディはポケットから連絡用紙を取り出して書き込む。
「奴隷ちゃんは来るの?」
『んー、前みたいなことがあったら嫌だから、一緒に行くつもり。他の連中もお妾さんや子供連れてきてるからいいでしょ』
「そだね、どうせヴェルも連れていくつもりだから」
歳が近い分、話も合いそうだ。
「…昼に話すことじゃないと思うんだけどさ」
『なに?』
「あんたたち、いつ子供作んの?」
そう聞くと、魔法石の向こうから沈黙とため息が。
『…できないんだよね』
「あんたのことだから、ヤってないわけじゃないと思うけど」
こいつらがレスなわけがないし、口ぶりから避妊しているわけじゃないことはわかる。
「ヴェルの時も、アテたのは私だったし、あんたもしかして種な…」
『やめろ、皆まで言うな』
死にそうな声が聞こえてきたので、この件はもう触らないことにする。
「ま、次会うの楽しみにしてるからねー」
『…了解。そっちも怪我とか気をつけろよ』
別れの挨拶を交わし、通信を切る。それと同時に魔法石を発火させ、灰塵にして空中にばら撒く。
ハイルディはゆっくりと速度を上げ、魔法石の可動距離だった位置から離れていく。
「子供かー…」
ヴェルは愛しい愛娘だが、母親というよりは姉妹のような関係性だ。
別段、それで愛が薄れるというわけではないが、少し感じてしまう何かの『欠落』は、きっと自分が出産というプロセスを踏んでないから、というのあるのだろう。
いつか、お腹を痛めて子供を産むという経験をしてみたいような。
「…また、誰かと恋に落ちてみるのもいいかもね」
次の物語の主役は、彼女なのかもしれない。
最終的な戦闘力ソート
弱 ヴェル(召使)<<リット≦女性研究員≦奴隷商人≦間抜け面<<ルサリィ<(一般兵レベル)≦魔法使い(初期)≦フラーレス<<(傭兵団平均レベル)≦少女(初期)<ファフナー(人間体)<<魔法使い(最終形)<(戦闘職の壁)<警備主任≦ドラコ(最低値)≦トール≦少女(最終形・ノーマル)=ヴェル(子供)≦(傭兵団幹部レベル)<<(末裔の壁)<<リスティナ(ノーマル)≦ファフナー(ドラゴン)<少女(魔力暴走)≦ハイルディ(最低値)<ドラコ(最高値)≦リス・ファフ(合体)<<(国を滅ぼす壁)<<フェル<少女(育成限界・完全武装)<<ハイルディ(最高値) 強
各々の得意分野、立地でやや上下する
こういう表は作ってて楽しいんじゃ~




