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ワンダー・クロニクル  作者: Erde
第一部【出会いと別れ、そして旅立ちと】
32/76

Episode 032【ギャンブルはそんなに甘くないとハマりの兆しと】

 Trashとダビドの手からサイコロが振られる。

カウンターの上を転がるサイコロたち、その勢いは徐々に弱まっていき やがて止まった。

そこに現れた数字は2と5であった、それを見るTrashとダビド。

自分のサイコロの数字を確認したダビドがTrashに声を掛けた。


「俺から先に振らしてもらおうか。」


そして5つのサイコロを右手に納めるダビド。

右手を軽く振り、手の中のサイコロを回し始める。

そしてデッキに向かってサイコロを転がした。

楕円形の中を転がっていく、5つのサイコロ。

その様子をTrashとダビドが見守っていた。



「どのみち、結局は運次第だからね。」


二人の様子を見ていたフェルがDに話し掛ける。


「そやなぁ。」


二人が話していると、ダビドが振ったサイコロが止まった。

サイコロが出した目は "4・1・3・3・1" だった。


「ツー・ペアか。」


そしてサイコロを5つの窪みに置くダビド。


「次は俺やな。」


そう言って、Trashがサイコロを振った。

勢いよく転がっていくサイコロ、するとサイコロの一つがデッキから溢れていった。


「しもたっ!」


そのままカウンターからも転がり落ちていくサイコロ。



「あれって、落ちてもたやつは換算されへんねやろ?」

「そうだね。でもトラのがスリー・カードなら問題ないよ。」

「ツー・ペアよりスリー・カードの方が強かったんやったっけ?」

「D、これ持っておく?」


Dに役が書かれた紙を渡すフェル。


「サンキュー、フェル。」


そして、その紙を見るD。


「あ、ホンマや。スリー・カードの方が強ぇんや。なんか俺、ツー・ペアの方が強いと思っとった。」

「Dは絶対、ギャンブルしない方が良いね。」

「せやな。役とか覚えんのも、めんどいしな。」

「まぁ、ここは。僕とトラに任しておきなよ。」

「お言葉に甘えさせていただきます。」


二人が話していると、Trashが振ったサイコロが止まった。

そこに表示されたのは "4・6・4・1" だった。


「4のワン・ペアかぁ」


Trashのサイコロの目を見てフェルが呟いた。


「この場合、トラは次にどないしたらええのんや? フェル?」

「4のワン・ペアを残して、4のスリー・カード以上狙いでいったら良いと思うよ。4が出なくても、ツー・ペアやフルハウスになるかもしれないし。」

「なるほどな。」


役が書かれた紙を見ながら答えるD。



「デッキからサイコロが落ちるとはな、残念だったな。」


Trashに声を掛けてから、4の数字が出たサイコロを手に取るダビド。


「うるせぇ、次は落とさへん。」


そしてダビドは、またサイコロを持つ手を軽く振り。

デッキに向かってサイコロを転がした。



「サイコロ一つって事は…。」


紙に目をやるD。


「フルハウス狙いだね。」


Dが役を探し出すよりも早く、フェルが答える。


「そうそう、それやな。」



「ああ、ツー・ペアのままか。」


Dとフェルの元にダビドの声が聞こえてきた。


「これで俺がツー・ペア以上やったら、俺の勝ちやな。」


4以外の数字のサイコロを手に取り、Trashがダビドに声を掛ける。



「あれやったら、ほぼ勝てるんやない?」


ダビドのサイコロを見て、Dがフェルに尋ねる。


「まあ普通のポーカーに比べてサイコロだからね、1から6までしか数字ないし。」

「やんな? これって結構、楽勝なんやない?」

「そんなに安易に考えない方が良いと思うよ。」

「なんでや? 3個あるうち1個でも4が出たら、トラの勝ちやろ?」

「そうなんだけどねぇ…。」


そしてTrashの方を見る二人。

そのTrashは丁度、サイコロをデッキに振ろうとしていたところであった。

Trashの手から転がり落ちていくサイコロたち、そしてデッキの中を転がり出していった。


「4来い。4来い。」


転がるサイコロに声を掛けるTrash。

そしてサイコロがデッキの中で止まった。



「…、嘘やろ?」


サイコロの目を見て、Dが声をあげる。

Trashが振ったサイコロの目は "5・1・2" であった。


「ほらね。簡単に役が揃うようで揃わないから、ギャンブルとして成り立ってるんじゃん。ギャンブルなんて、そんなに甘くないよ。」

「確かに。でも、これで負け1やんけ。」

「そうだねぇ。」

「なんや、フェル。やけに普通やな?」

「まぁ、こうなる事も一応予想してたしね。それに…。」



「ああ!! くそっ! 負けてもたぁ。」


Dとフェルの元に悔しがるTrashが戻ってきた。


「フェー、悪りぃ。負けてもたわ。」

「気にしなくて良いよ。こればっかりは運次第なんだし。」

「そうやとしても、すまんな。」


そう言ってから、店内にある椅子に座るTrash。


「おい、トラ。実際にやってみて、どうやった?」

「うん? そやなぁ、簡単に揃いそうに思うんやけど。意外とうまくいかん感じやな。」

「あれ? トラ、このゲームにハマり始めた?」

「え? そうなんこ?」

「あれ? フェルには分かってまう? このサイコロ・ポーカーおもろいわ。」

「お前、せっかくスロット卒業したのに。またギャンブルにハマったんこぉ…。」

「何、トラ? スロットなんかしてたの?」

「しとったって、ええやんけ。それにDが言うたみたいに、もう卒業しとるし。」

「ふうん。ま、別に良いけど。」


そしてフェルはダビドの元へと歩いて行った。


「それにしても…、」

「うん? どした?」


Dが話す途中で、Trashが声を掛けてくる。


「次、フェルが負けてもたら。俺らここで防具買えへんくなるんやな。」

「せやな。出来れば、それだけは避けたいな。」

「そんなに、ここのんてええもん多いんか?」

「前にや、宿屋の金問題あったやろ?」

「あぁ、あったな。」

「そん時、俺色んな店回ったって言うたやろ?」

「言うてたな、そんな事。」

「そん時な、俺 武器屋と防具屋で少しだけ置いてある商品も見とってん。」

「そうなんこ? ほんで、それがどないしてん?」

「そん時に見た中で、俺が何個か目ぇ付けたもんがあったんやけど。結構高かってん。」

「そやったんこ。ほんで?」

「ほんでな、それがここでは俺が見た値段の半額の値で置いてあんねん。」

「マジかっ!? 格安って、マジで格安やんけ。」

「さすが、ヴァンというか。あいつ色んな事知っとるわ、ほんま。」

「やったら、もうここはフェル頼みしかないな。」

「せやな。」



フェルがダビドの元に着くと、ダビドがフェルに声を掛けた。


「次の相手は嬢ちゃんか。」

「そうだよ。」

「そうか。嬢ちゃん、名は何てんだ?」

「僕はフェルだよ。」

「そうか。俺の名…。」

「ダビドでしょ? さっき、トラに言ってたじゃん。」


ダビドの声を遮り、フェルが話した。


「それじゃあ。ダビダビ、勝負といこうか。」


そんなフェルを見て、ダビドが答えた。


「お! 嬢ちゃん、良い目してるな。」






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