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ワンダー・クロニクル  作者: Erde
第一部【出会いと別れ、そして旅立ちと】
31/76

Episode 031【サイコロのポーカー】

 Trash達は旅の準備の為に、幾つかのお店を回っていた。

そのお店は全て、ヴァンフリートに教えてもらった所だった。

そして三人は今、防具屋である〈ヴォルケファーデン〉に来ていた。

ところが、そこの店主はモンスタースレイヤーであるTrash達には商品を売りたくはないと言ってきた。

店主の言葉に困惑する三人、その三人に店主はある勝負をしようと言ってきたのであった。



「サイコロが何やねん? オッチャン?」


店主の手にあるサイコロを見ながら、声を掛けるD。

そんなDに店主が意外な顔をした。


「なんだ? お前さん達、サイコロ・ポーカーを知らないのか?」

「ポーカーなら知っとるけど。サイコロ・ポーカーって何じゃ?」


Trashの言葉を聞いて、店主は三人を店のカウンターの方まで案内した。

そしてカウンターの上にある、お金を受け取るトレーであるカルトンを自分とTrash達の間に置いた。


「口で説明するだけじゃ、あれだからな。」


そう言って、店主は三人の前で実際にサイコロ・ポーカーをしながら説明し始めた。


「まずサイコロ・ポーカーをやるのに必要なのは、サイコロとそれを受け止める物が必要になる。サイコロを受け止める物は大きすぎても小さすぎてもいけない。あとサイコロも5つ必要だ。そしてサイコロ5つ全てを手に取り、それを受け止める物の中に向かって振る。今はとりあえず、小さいがこのカルトンを使って説明してやるよ。」


そう言って、カルトンに向かってサイコロを振る店主。

カルトンに振られたサイコロは、その中を何度か転がってから賽の目を表示した。

そこに出た目は "2・5・4・2・1" だった。


「そして出た目のサイコロを、自分の前に並べる。ポーカーを知ってるなら、今でた目の役くらいは分かるだろ?」


三人に確認する店主に、フェルが答えた。


「2のワン・ペアでしょ?」

「そうだ。そしてもう一度サイコロを振るんだが。2のワン・ペアを残したい場合は、それ以外のサイコロを振る。またサイコロ全部を振り直しても良い。それをお互い交互に行う。同じ役の場合は、サイコロの数字が大き方が勝ちになる。」

「なるほど。」


店主の説明に頷くD。

その説明にTrashが気になった事を聞いた。


「その話やと、正確にはサイコロ10個要るんとちゃうんか? 今ここでサイコロ・ポーカーやろう思たら、俺らもサイコロ5つ用意せなあかんやろ?」

「そうだ。普通は皆自分のサイコロを用意するし。サイコロなんて、どこの道具屋にも置いてある。今回は特別にお前達には、俺が前に使ってた物をやろう。」


そう言って、カウンターの下からデッキを取り出してきた。

そのデッキは正方形の木の板を半分に切って出来ているようであった。

そしてその半分に切った木を再度蝶番で繋ぎ、折りたためるようにしてあった。


「何やこれ?」


そのデッキを見てDが店主に声を掛けた。


「これは、サイコロ・ポーカーのデッキだ。」


そして店主はデッキを開いた。

デッキを開くと楕円形の形をした窪みが、デッキの真ん中に掘られてあり。

左下と右上のそれぞれに5つのサイコロが置けるように、小さな5つの丸い窪みが並んで掘られてあった。

そして、そこにはサイコロが置いてあった。


「これも売ってるんか?」


開かれたデッキを見て、Dが再度店主に声を掛けた。


「そうだ。」

「へぇ〜。」

「これを俺らにくれるんか?」

「ああ、やるよ。俺は新しいのを買ったからな。」


そして店主は、またカウンターの下からデッキを取り出してきた。


「それじゃあ、やろうか。サイコロ・ポーカーの役は、普通のポーカーと比べて少ないが。デッキの中に役が書いてある紙があるから、気になるなら それを見ながらやればいいさ。 あ! そうそう。言い忘れていたが、この楕円形の窪みから出たサイコロの目は換算されないからな。」

「これでオッチャンに勝ったら、ここにあるもん売ってくれるんか?」

「そうだ。3回勝負といこうじゃないか、先に2回勝った方が勝ちにしよう。それで誰が相手になる? それとも3人それぞれ1回ずつ、俺と勝負するか?」


店主の話を聞いて、Trash達は相談し始めた。


「どうする? 誰がやる?」

「別に負けても他で買えば良いんだから、そんなの適当で良いんじゃない?」

「いや、フェー。ここに入る前に、ええもんがあって比較的格安なもんが多いって言うたけど。ここのんマジで安いし、すげぇのん多いぞ。」


店内に置いてある防具を見ながらフェルにTrashが声を掛けた。


「それじゃあ、誰がやる? それとも、あのおじさんが言ったみたいに3人それぞれ1回ずつやる?」


フェルの話を聞いてDが真っ先に声を掛けてきた。


「俺はやめとくわ。」

「なんで?」


フェルの疑問にTrashが答えた。


「こいつ、今まで一回も賭け事した事ないねん。」

「え!? そうなの? 遊びでも一回もした事ないの?」


驚くフェルに、Dが答えた。


「ドンジャラすらした事ねぇわ。それに…。」

「それに、何?」

「一回もした事ないねんけど。なんか俺、弱そうな気ぃするし…。」

「…それはなんか、分かる気がする。」

「やろ!? やから、やめとく。」


そんなDにTrashが5つのサイコロを差し出してきた。


「とりあえず、試しにここで何回かサイコロ振ってみろや。」


Trashに言われて、試しにサイコロを振ってみるD。

そこに出た目は "1・3・4・2・6" だった。


「役、無しだね。」

「ブタか。」

「ほらな?」

「ええから、あと三回くらい振ってみろや。」


そしてサイコロを振り直すD。

Trashに言われた通り、Dは三回サイコロを振ってみた。

その全てを見たTrashとフェル。


「全て、役無しじゃん…。」

「D、悪りぃ。試させた、俺が悪かったわ…。」


予想通りの結果にDが二人に声を掛けた。


「な? なんか俺向いてへんねんて。」

「ほんなら、俺とフェルでオッサンの相手せなあかんな。」

「それじゃあ、最初にトラがしてよ。僕は二回目やるからさ。」

「そんじゃ三回目は、それまでにオッサンに勝った方がやろか。」

「そだね。」


そして店主が三人に話し掛けてきた。


「どうやら、決まったみたいだな。」

「おう、ええぞ。ほんなら、やろかい。」

「俺の名前はダビドだ。お前さんは何て名だ?」

「俺はTrashや。」

「そうか。それじゃあTrash、いっちょ勝負といこうか!」

「おうよ! こんかいや!!」


そして二人は先行・後攻を決める為に、サイコロを一つずつ振り始めた。






サイコロ・ポーカーの説明


【ルール】

5つのサイコロを互いに交互に二回振る。

一回目に役が出た場合は二回目にそれを置いて残りのサイコロを振って良い。

サイコロを二回振った後の役の強い方が勝ちとなる。

デッキから溢れたサイコロの目は換算されない。

相手が同じ役の場合は数字の大きい方が勝ちになる。

相手が同じ役でフルハウスの場合はスリー・カードの数字から判断する。

役も数字も同じ場合は残ったサイコロの数字で判断する。

役もサイコロの全ての数字も同じ場合はお互いにサイコロを振り直す。


【役の一覧】

ワン・ペア=2個のサイコロの目が同じ状態

ツー・ペア=ワン・ペアが2つある状態

スリー・カード=3個のサイコロの目が同じ状態

ストレート=5個のサイコロの目が連なっている状態

フルハウス=ワン・ペアとスリー・カードが同時に揃った状態

フォー・カード=4つのサイコロの目が同じ状態

ファイブ・カード=5つ全てのサイコロの目が同じ状態

※弱い役から順に紹介

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