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あとがき。というか蛇足。


 全文とおしてネタバレです。本編未読の方は是非本編からどうぞ!

 あと長いです。容赦なく長いです。読まなくても困らないです。

 それでも先へ進まれるという方は、どうぞよろしくお願いします!



・ わたしのお姫様は、とてもお美しい。の成り立ち。

 節目の年だ! とふと思い立ったのが三月頭でした。三月って辺りがもうものすごい思いつき感溢れますが、まぁ、春休みだったのです。暇だったんですね。今年何かを仕上げたい、と思ってからは早くて、小六から数年創作し続けてきたけど、二年もお話書いてない。書きたい。完結したい。というところから、「小説を書き上げる」ことをまず思いつきました。

 お話のネタというか、プロット、設定は小説を書いていない二年の間もこつこつ書きためてはいたのですが、その中から、「侍女と王女が入れ替わる」を取り出し、お話の筋というか落ちを「侍女と王様が結ばれる」というシンプルなものに定めました。

 今まで書いてきた傾向から、いらん設定をごてごてくっつけて無駄に長くなる傾向っていうかもう悪い癖ですね。それがあったのですが、もう一切取っ払って、とにかく、書き上げられる! 単純明快なシンプルな話を! ということで、「わたしのお姫様〜」は、始まったのです。


 春の女神だとか、冬に閉ざされた帝国だとか、どこにいたのんって話です。そんな話これっぽっちも考えてなかった。なかったはずだった。悪い癖の片鱗なんです実は。



・ もともとの、ウィリアローナの設定

 王家の血筋なんてなかった。ただの侍女だった。それが、設定を練っていくうちに、「じつは王族」という設定がいつの間にかついていました。

 ウィリアローナ、最初は植物学者だったんだ……。数学もすごいできるとかそういう。うん、学者だったんだ……。あと、死んだ恋人がいるって言う設定でした。初期のウィリアローナが「王国で生きて死にたいって」言ってたのはその名残。というか、王国にいたいってあれだけ言ってたのに帝国で生きるって決めたんあんたってあの辺のぶれ加減はそのまま裏設定のぶれ様だったようにも思います。裏ネタを知っている私が読むとどうしても客観的に見れないんですが、読者の方々には違和感なかったでしょうか?

 んで、ウィリアローナもエヴァンシークも消極的な受け身主義。がつがついかない。しかもウィリアローナには死んでるとはいえ思い人が、ってこれ絶対くっつかないよね、ってことで、その設定はなくなりました。ええ、もう連載してますねこの辺すでに。

 そこから、辺境伯爵だの春の女神だのいろいろ出てきて、今の状態に。初期は全然違ったのよ、って話でした。


・陛下とオルウィス

 これこそ言ったらどつかれそうな裏話なのですが、登場直前まで、陛下の性格決まってませんでした。というか、登場してからとも言う。

 今となってはオルウィスのセリフですが、「あっれ」で引きに入った第一章5「へーか図書室」あの時点で、まだ決まってなかったというからひどい話です。

 あの発言が、もしかしたらエヴァンシークだったかもしれない、という。

 5を書き上げて、アップしてからも悩んでました。どっちにしようかなぁ、と。軽い感じの陛下と、大人しい感じの陛下、どっちが良い? と。正直オルウィスの性格だったらお話とんとん拍子に進んだような気もしますね。

 そこで、どうして今の性格に落ち着いたか、といいますと。



・裏コンセプト

 じゃあ表コンセプトはなんだって話ですが、それはまぁ、おいといて。

 「わたしのお姫様は、とてもお美しい。」裏コンセプトは、ズバリ。

『そう簡単にくっつかせてたまるか。』

 もちろん、エヴァンシークとウィリアローナの話です。簡単にくっつかせてたまるか! 全編通してみると、いくら裏コンセプトとはいえしつこかったかしら、と思ったり思わなかったりですが、まぁ、よし。無理矢理入れたわけでもないので。

 それにしたって、ウィリアローナはふらりとどこかに行き過ぎでしたね。



・物語の緩急

 今回、初めて「読者様を意識したお話作り」をいたしました。いままでずーっと自分が書きたいものをだーっと書いてきたのですが、「わた姫」に関して言えば、この辺で山場を作って、と考えて書いていきました。つたない感じですが。一生懸命頭をひねった結果なのです。攫われたり行方しれずになったり知らないうちに襲われたり、というのも、その「山」を考えた結果でした。血なまぐさかったり色々ですね。ウィリアローナの扱いがちょっと生温い感じもしますけど。あっさりと見つかりすぎたりして。無事だし。怪我でもすれば良かったのになんて思ってません。誰かが怪我して重体とかってなりませんでしたねそういえば。まあR指定してないですし!

 そして、その頭をひねった結果、というのが一章あたりの話数が一番顕著なのですが、「25話」見慣れた数字な人はたくさんいらっしゃると思います。これ、アニメ2クール分の話数なんですよね。わたくし、結構アニメっこなおたくなのです。

 故に、お話作りの参考として、1話から3話で掴み、12話目前後でちょっと盛り上がって、25話の最後に持っていく、という試みをしたのでした。

 それを、全四章、ということです。本当は、全四章とするなら、そこでも「起承転結」を仕組めば良かったのですが、そこまで考えは及びませんでした。無意識にうまいことできていれば良いのですが、どうでしょう。できてる? と思って眺めると、うまいこと行っているような気もします。



・ミーリエルとヘイリオ

 あまりにも初期のウィリアローナが具合悪そうだったので、癒し要因でした。ミーリエルはウサギです。ヘイリオはワンコです。ウィリアローナもウサギ呼ばわりされてるんですけどね。ミーリエルとヘイリオは、とりあえずウサギとワンコです。

 そそっかしそうなミーリエルですが、お茶は美味しい。そこから、ウィリアローナ付きの侍女長としてレベルが相当上がりました。いろいろ彼女も見えないところで苦労していたと思います。

 ヘイリオも、相当もまれて近衛騎士になったのではないでしょうか。見習い騎士の身分で春にきて騎士団に入り、夏? 秋くらいに近衛。って、大出世ですけど。いわゆる天才というやつで。陛下はすぐにでも引き抜いてウィリアローナの護衛にしたかったのですがそれではウィリアローナもヘイリオも納得しない上に軋轢が生じるばかり、ということでこらえてました。

 そこへ、宰相がひょいっとエリザベートを白騎士に引き抜いたんですけどね。



・エリザベート

 この人に関しては語るべきことが多すぎていっそ何にも言わなくていいような気もしてきますね。

 第一章では影も形もありませんでした。だって私の中にもいなかったんだもの。実はミュウランも、陛下を慌てさせる要素としてだしたお方なのですが、では今度はウィリアローナだ、ということで、すでにちらっと出ていた金髪の侍女がピックアップされました。髪結い侍女。しかしその正体は!(陛下の愛人!/違うけど!)

 個人的に盛り上がったのは「陛下ならいませんよ」からの「陛下、そろそろ起きてくださいな」でしょうか。書いてる方も楽しかったという。

 謎な存在過ぎて、正直私自身もずーっとこの人のバックボーン何よと考えながらお話書いてました。本当にひどい話です。

 というか、男か女かも明言してませんでしたので。えっそこつついちゃうのってあれなんですけどね。もうこの際良いかなぁって。

 エリザベートの設定案、並べたらどれくらいになるでしょうね。並べてみましょうか。

「先帝の庶子」

「辺境伯爵家長男(つまりウィリアローナの兄)」

「他国の王族」

「捨て子からの隠密(ウィリアローナに対して恋心を抱いている女の子)」

 細かい違いを切り捨ててまとめてみたらこんなものですか。先帝の庶子、っていうのはそれ出てきちゃうとどうあがいても帝国の継承争い勃発になるやん? ということで、継承問題の方は神聖王国がだいぶごたついている現状、被るのは喜ばしくないなぁ、となしになりました。他も似たり寄ったり。百合でも良いかなぁとか思ったり、思わなかったり。プラトニックも良いんじゃない? なんて。

 なので、エリザベートは最後まで性別「エリ」です。よろしく願います。えっ結局のところエリザベートはなんだって、最終話で「紫色の瞳」って言ったじゃないですか。そういうことで!

 ウィリアローナもエヴァンシークも目の色は紫だけどね! まぁ別の要素があるからある程度推測できないこともないんじゃない!



・エリザベートとヘイリオとミーリエル

 というよりは、エリザベートとミーリエル。エリザベートとヘイリオ、ですけど。どっかでもちらっと言ったことある気がしますが、対照なのですね、エリザベートは二人に対して。

 騎士として、侍女として。

 侍女としてのエリザベートは、言っちゃいけないことを言うし、やっちゃいけないことをするし、時には不安を煽るようなことをする。

 対するミーリエルは、ただそこでふんわり笑って、何も知らないし言わないけど、常に安心させてくれる、といった立ち位置。

 騎士としてのエリザベートは、ここはヘイリオも同じだけれど、ウィリアローナ第一主義。姫君の為なら何でもする。エリザベートとヘイリオの違いは、「ウィリアローナの意思にどこまで沿うか」というところ。極端な話、ヘイリオはウィリアローナが殺してって言えば殺しにかかる。でもエリザベートは殺さず、生きようと思わせるべく動く。ということ。エリザベートは外の情報全てひっくるめて、一番ウィリアローナのためになることを判断して行う。ヘイリオは、ウィリアローナが考えて決めて頼んできたことを疑いもせず行う。こうして言ってしまうと、どっちもどっちですね!

 なので、辺境伯爵領に行った際、ヘイリオが留守番組でエリザベートが導き役だったのでした。エリザベートは留守番なんて確実に拒否しますから。ちなみにヘイリオが連れて行くのなら森を突っ切ったりはしません。

 あと、もしも悪漢に襲われた場合、身を呈して間に入るのはヘイリオ。エリザベートはウィリアローナ担いでよけます。ヘイリオとエリザベートの対比は、もう少しわかりやすく表現してみたかったです。



・お話の書き方

 ここまでくると今更言わなくていい気もしますが。

 というわけで、「わた姫」は、すぐ先の展開も書きながら考えてました。書いて、投稿して、考えて、書いて、という。ある意味というかそのまんま行き当たりばったりとわれても言い返せない。こんな感じにしたいなー、というふわっとしたイメージを元にはしていますけど、結局は作り上げたキャラクターのシミュレーションだったようにも思います。

 ウィリアローナはこういう性格で、それはこういう過去があったからで、だったらこういう考えも持っていて、こういう場面ではこう行動する。といった。これはエヴァンシークも同じ。

 設定を作り込んでいないキャラほど、作者側の存在とも言えるかもしれません。書き手の都合がいいようにしか動かないので。それが過ぎると、いわゆるキャラ崩壊、に繋がるんですね。

 オルウィスのキャラが固まらなかったような気もしますが。彼も掘り下げたら面白そうな下地ができてます。


 なんで行き当たりばったりに書いたかというと、初めて書いたお話がそうだったからですね。誰でもそうかもしれないですが。こっちの方が、性に合ってるのではないか、と思い立ったからでした。

 丸二年何も書いておらず、にもかかわらずプロットも設定もたまっていく一方で、なのに小説は書き上げられていない。設定ばっかり考えて、うまく本筋を考えられなくて、結果書き出さない、というループだったのでした。

 昔は書けた。さくさく書けた。あれはなんでだっけ。そうだ何も考えてなかったからだ! ということで、何も考えずにひたすら完結目指して書き上げてみました、という。

 こう言ってはなんですけど、「わた姫」は、本来の呼び名をするなら「下書き」なのかもしれないです。「清書」をする必要がある、荒削りな整理されていない小説。それを「完結作品」としてネットの隅においているのは、なんとも恥知らずな行いですけれど。でも、これもインターネットの良いところなのではと思います。清書した作品をだせれば良いです。ですが、私にはそれができません。いつかできるのかもしれませんけど、今の私にはできません。

 読んでくれる人がいないと、お話は書き上げられないです。この9ヶ月、とてもわくわくしながらお話が書けました。感想きてるかな、拍手はどれくらいかな、今日は何人閲覧してくれているかな。評価ポイントは増えてるかな、お気に入り登録は。

 書く側にとって、「読者」という存在がいかに偉大なであるかを思い知った9ヶ月でもありました。いるかいないか、それだけでまったく違うんです。

 感想も、いただくかどうかで全く違います。続き書けるかな、モチベーション低いな、と思っていても、感想がたった一言あるだけで、数話書きあがったりしちゃうんですね。


 間違いなく、完結までいけたのは読者様方おかげです。本当にありがとうございました。


 長々とした蛇足でしたが、これでおしまいです。他にも神聖王国の王子たちやハプリシア、宰相、とうとう名前のでなかったお姉様。ヒューゼリオについても色々ですが、この辺で。

 キャラクターたちに対する思いは、完結直後の思いですので、時間が経てば変わるかもしれませんが、とりあえずは、今の気持ちを綴ったものということで。書きはじめの頃とも違うでしょうけれど、ひとまず今の気持ちです。


 ご愛読、ありがとうございました!

 また、作品をあげることがありましたら、興味を持っていただければと思います!

 後日、拍手収録、書き下ろしなど投稿する予定ではありますが、本編完結、ということで。




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