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黒剣の退屈  作者: 虎
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弱者の時間だ。第3章

「さあ、正直に話そうか」


「あ……あぁぁぁ……」俺の口からは、そんな声しか出なかった。


すると彼女は、その鎖を俺の首に巻きつけ、槍の形をした鎖の先端を俺の胸の前にぶら下げた。


俺は胸元にある鎖の槍先を、興味深げに見つめる。


「……何これ?」


シェアリーは平然とした様子で、俺の目の前に用意された椅子に優雅に腰掛けた。

今、この監獄(かんごく)の中には遮るものは何もなく、俺と彼女の二人だけが向かい合って座っている。


シェアリーは両脚を揃えて座っていた。

身にまとったドレスの隙間から、白い太ももが俺の目の前に覗いている。

彼女の両手は、膝の上で上品に重ねられていた。


「気にしないで。ただの飾りですから」


「へぇ〜……」


(今日はどんなプレイなのかな?)


「まず、あなたには『はい』か『いいえ』で答えてほしい。 分かったんですか?」


「あ……あぁぁぁ……」


冷や汗がゆっくりと額を伝って流れ落ちる。

俺は、先ほどのモブのように彼女も動いてくれることを願いながら、シェアリーを見つめていた。


(『弱者』時間じゃなかったのか?)


「あの時、あなたの手でリリの胸を遊んでいたのでしょう?」


「……ええっ!?」彼女の問いに、俺は思わず驚いてして目を見開いた。


「はいか、いいえで答えなさい」シェアリーは冷たい視線で俺を見つめていた。


「……いいえ」


突如、槍の形をした鎖の先端が赤く発光した。


「なんか光ってるよ」俺は自分の胸へ視線を落とした。


「それは、あなたが嘘をついた証拠ですから」


「今、なんて!?」俺は思わず声を上げた。


「ただの飾りです」


(こいつ……マジかよ……!)


「少なくとも、あなたが若い女性の胸が好きだってことは分かった。

それで十分です」


俺はごくりと生唾を飲み込んだ。

そして、洞窟でリリを倒した時の出来事を思い出す。


(そうか……あの時、俺は彼女の胸を「ぽんぽ」んと何度も叩いてたんだ。

気づかないうちに、とんでもないことをしてたってわけか……)


「うぅっ……」俺はすぐにシェアリーから顔を背け、強く目を閉じた。

あまりの恥ずかしさに、目から数滴の涙がこぼれ落ちた。


俺は今の状況を必死に分析する。


(俺の手は縛られ、目の前の美少女には『変態』だと思われたに違いない。

逃げたい!今すぐ逃げたい!……でも、恥ずかしすぎて体が動かない!……俺の人生、ここまでか)


恥ずかしさで顔を真っ赤に染めながらも、俺は勇気を振り絞り、視線だけを少しだけシェアリーの顔へと向けた……


……シェアリーは頭を少し上向かせ、軽蔑に満ちた冷ややかな眼差しで俺を見下ろしていた。


(今の俺って、なんか……彼女の前で丸裸にされたみたいじゃん……)


「……変態」シェアリーが低く呟く。


「うぅっ……」俺はますます恥ずかしくなった。

再び目を閉じ、もう彼女の顔を見る勇気はなかった。


(痛い……! 心が痛い!)


……それからしばらくして、俺はため息をつき、落ち着きを取り戻してシェアリーを静かに見つめた。


「もういい……今、殺してくれ」俺は諦めたような声で言った。


シェアリーは片手で頬杖をつきながら、首を少し傾げた。

そして、俺をからかうような薄笑いを浮かべて見つめてくる。


「それは困りますね。まだ聞きたいことがたくさんありますからな〜」


「まだあるの?」


「私にとって、リリのことはどうでもいい。

リリを連れ去るには、シルヴァと戦ったはずですよね?

シルヴァを相手に、あなたは勝ったんでしょう?」シェアリーは淡々と言った。


「……」


シルヴァの名を聞いた瞬間、俺の瞳から光が消え、冷たい目つきに変わった。

俺は何も答えず、ただ沈黙を貫いた。


(俺の遊びの本能が命じている。今はただ……黙っていたほうがいい。

答えたら、俺の夢がすべて崩れてしまう気がする)


「ん……?」俺が黙り込んだのを見て、シェアリーの笑みが瞬時に消え去った。


「どうして黙っているんですか? はいか、いいえで答えなさい」


俺は沈黙を守り続けた。


少し頭を垂れ、胸元にぶら下がる槍型の鎖の先端を見つめる。

同時に、俺の視界の端には、シェアリーの太ももがうっすらと映り込んでいた……


(この妙な鎖さえなければ、今ごろお前と遊んでやるよ。弱者としてな)


……だが、シェアリーの視線では、俺は彼女の太ももを見ているように映っていた。


すると彼女は、俺の目の前で自分の太ももをゆっくりと優しく撫で始めた。


「そんなに私の足が気になる? 答える前に、ご褒美でも期待してるの?」


俺はシェアリーをじっと見つめた。


(なぜそうなるんだよ)


シェアリーは椅子から立ち上がると、俺の両膝の間にあるコンクリートのブロックに腰掛けた。


彼女の両脚は、俺の太もものすぐ近くで固く閉じられている。

その体勢のせいでドレスの裾が太ももの隙間でめくれ上がり、露出した肌が露わになっていた。

彼女の両太ももが、俺の太ももの上に重なり合っている。


彼女の顔が、すぐ目の前まで迫る。


(近い!……おい!)


そして……


「失礼」


……彼女は俺の前髪を掴み取った。

そして容赦なく、俺の頭を背後の壁へと叩きつけた。

鈍い衝撃音が監獄(かんごく)内に響き渡る。


シェアリーはそのまま、俺の頭を壁に押しつけ続けた。


「変態さん、これで満足ですか?」

シェアリーは冷たい目で俺を見つめた。

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