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【完結済】異世界合宿サバイバル ー チートお嬢様たちに溺愛された日陰少女のハーレム異世界復興譚 ー  作者: こみやし
02.森林村開拓編

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02-44.観察




 礼拝堂の建造に加えて、フェアリスとティエラ自身の奮闘もあり、巫女の存在は案外とスムーズに受け入れられた。


 村人たちは二人の指示に従ってよく働いてくれている。未だに意地を張っている人も残ってはいるが、それも極わずかだ。いずれ間違いなく一つに纏ってくれるだろう。



「そろそろ村の名前を考えませんか♪」


 それって私たちで考えちゃっていいの?


「構わないわよ。元を辿れば私たちが生み出した村だもの」


 なるへそ。


「ただそもそも、この国には村に名前を付ける文化が無いみたいなのよね」


 元々数える程度しかなかったもんね。わざわざ呼び分ける必要も無かったのだろう。


「付けても呼ぶことはないかもしれないわ」


 基本ここって外界からは閉ざされているもんね。


「まあそれでも無いよりはいいでしょうね」


 連帯感を生むのが目的だもんね♪


「その通りです♪ さあ♪ 影裡さん♪ ズバッとお願いします♪」


 え? 私が名付けるの?


「当然です♪」


「「「「「「「「「異議なし」」」」」」」」」


 なんでさ。



「そんなに難しく考える必要はないわ」


 そうは言ってもなぁ~。


「早く決めないとカゲリ村にするわよ」


「「「「「「「「「異議なし♪」」」」」」」」」


 待って待って!


 やばい! 早く考えないと!


 えっと~! 森林村!


「「「「「「「「「「没」」」」」」」」」」


 ひどい!?


「真面目に考えないなら」


 はじまりの村!


「「「「「「「「「「没」」」」」」」」」」


「次が最後のチャンスよ」


 なんでさ!?


 ぐぬぬ~!!! じゃあ! アルテミシア村!



「それはマズいんじゃないかしら?」


「この世界の神はアルテミシア様だけではありませんから」


 ならえっと……ヘカテ村?



「カゲリ村で決定よ」


「「「「「「「「「異議なし!」」」」」」」」」


 そんなぁ!



「段々外堀が埋まってきたね」


「シー! 心愛さん! シーだよ!」


 わざとだった!?



「言ったじゃないですか♪ 影裡さんは我々の女神だと♪」


 簒奪するつもりなの!?


「必要になるかもしれませんね♪」


 ……冗談でしょ?


「帰してくれるとは限りませんから」


 うわ。マジトーンだ……。


「冗談ですよ♪ うふふ♪」


 怖いよぉ……未来ちゃんが怖いよぉ……。



「大丈夫よ。影裡。いらっしゃい」


 キスイ~……騙されないぜ。


「なんでよ」


 追い詰めたのはキスイでしょ。忘れてないよ。私は。


 それになにより~♪ 今日はアリシアちゃんの気分♪


「あらあら」


 ふふ♪ ぎゅっちゅ♪


「カゲリ♪」



「いいご身分だわ」


 どうだ♪ 羨ましいだろぉ♪ キスイはそこで指咥えて観てるがいいさ♪


「もう悪かったってば」


 知らないも~ん♪



 凜火ちゃんも来て♪


「う、うむ」


 デヘヘ~♪



「……もう」


「少しだけですよ。影裡さん」


 あら? キスイ? 未来ちゃん? それに皆も? 解散しちゃうの? あれ? リーリャ? スキル持っていくの? アリシアちゃんと凜火ちゃんも私の思考を覗けるから問題はないけども。



 ああ。行っちゃった。


「心配は要りませんわ」


「我々がいるぞ」


 それもそうだね♪ アリシアちゃん♪ 凜火ちゃん♪




----------------------




 アリシアちゃんは私を連れ出してくれた。今日は一日相手をしてくれるつもりのようだ。さくちゃんの隠蔽結界を出て村の方へと近づいていく。



 大丈夫? みつからない?


「決して離れないでくださいまし」


 うん♪ ぎゅっ♪



 アリシアちゃんの手を握って後に続く。アリシアちゃんは慣れた様子で先を進む。普段から村の方にも通っているのだろうか。考えてみたらアリシアちゃん本人が普段何してるのかって知らないかも。


 影メイドさんたちはそこかしこで見かけるし、いっぱいお仕事してくれているのも知っているけど、別にアリシアちゃんがつきっきりで制御しなければならないわけでもない。それぞれが各自の判断で動くことも出来るのだ。アリシアちゃんが側にいればより高度な指示なども送れるというだけで。


 それにアリシアちゃんは影メイドさんたちと視界を共有している。あまり離れた場所への偵察とかは無理だけど、村を見回るくらいなら造作もない。別に私たちの家を離れなくても仕事は任せられる筈だ。だからってアリシアちゃんが何もせずに踏ん反り返って居るタイプには思えないけど。



 アリシアちゃんは一本の大木に近づいた。どうやらこの木は見張り台のような役割を担っているらしい。影メイドさんたちを使ってスルスルと木を登り始めた。


 なるほど。影メイドさんたちを直接身体の周囲に生み出すことで、擬似的な身体能力の強化みたいな使い方をしているのね。本当に万能なスキルだ。まさかそんな使い方まで編み出しているとは。


 これって防御にも使えそうだけど、流石にそんな使い方は好まないかしら? アリシアちゃんにとってこの影メイドさんたちは大切な家族みたいな存在らしいし。


 どうやら向こうの世界で実際に雇っているメイドさんたちを再現するスキルみたいだからね。これ。個々人に個性や思考力があるのもその為だろう。


 私も影メイドさんたちに抱えられて木の上に上がり、自力で登ってきた(というか飛んできた)凜火ちゃんと三人で並んで村を見下ろした。



「これを」


 アリシアちゃんがどこからともなく取り出した布を被り、私達は村の様子を観察する。



「お行きなさい」


 アリシアちゃんが早速何かを見つけたようだ。影メイドさんの一人が案内人モードで村に出現し、出現地点の近くにいたお婆さんから、水の並々と入った桶を受け取って隣を歩き出した。



「アリシア殿」


「ありがとう」


 今度は凜火ちゃんが指し示した方へ派遣した。



 これっていつもやってるの?


「いつもではありませんわね」


「あまり干渉しすぎれば誤解を与えかねん」


 世知辛いね。


「悲観する必要はありませんわ」


「頼られ続けるよりは健全だ」


 まあそうね。反骨心や警戒心を抱いたり、相手を舐めるくらい元気がある方が、この先の心配もかえって少なくなるってものだよね。


「その通りですわ」


「うむ。我らだけで一国を相手取ることは出来ん。彼らにも力になってもらわねば」


 修行とかつけたりするの? 凜火ちゃんが武術を教えたりとかさ♪


「それはありませんわ。リンカの技は人を殺める為のものではありませんもの」


 あ、ごめん。


「うむ」


「身を守る為であればワタクシのメイドたちが教えられますわ」


 そっか。護身術とか得意そうだもんね。


「必要とあらば」


「やめておきなさい。リンカ」


「……うむ」


 ふふ♪ ありがとう♪ アリシアちゃん♪ 凜火ちゃん♪

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