知恵と技術と情報戦 1
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タッグバトルと言われてピンとくるだろうか。オリエンテーション最終日。五日間もぶっ続けで先生の話を聞くのも飽きてきた頃。三年生とのバトルがあるらしいことを聞いた。バトルと言っても上級生の強さを見せつけるためのもので、要はワンサイドゲームである。
「今年こそは勝てるんじゃね?」
「ウチらの学年かぐや姫いるし。」
周りでこそこそと話している声が聞こえる。果てしなく嫌な予感がする。
「参加者は投票で決めるということでいいですか?」
先生のこの発言に反対する人はいない。先生ももとからそのつもりだったらしく、投票用紙を配る。
「無記名でいいですし、ふさわしいと思う方がいなければ白紙で出しても構いません。投票箱は教卓に置いておくので勝手に入れといてください。」
教室のドア。若干壊れているらしく、滑りが悪い。教室と言われて一般的にイメージするような引き戸。そこから先生は出ていく。体当たりで外れるという噂を聞いたが、事実かどうかなんてわからないし、確認しようとも思わない。
僕は白紙のまま投票箱に入れる。こういうのはやりたい人がやればいい。僕も藤原さんも一ヶ月アリーナ使用禁止を言い渡されているため選ばれたとしても参加できないと思う。開催日はかなり微妙な日付であったが。
「これはやっぱりかぐや姫じゃね?」
「タッグの相手はどーする?」
とても楽しそうに話し合うクラスメイト。嫌な予感は的中しそうである。
「やっぱりアイツじゃね?」
「さんせーい。ってゆーかそれ以外なくね?」
若干の悪意と青春というものなのだろうか。僕と藤原さんがタッグを組まされそうになっている。男女で組まないといけないなんていうルールはどこにも存在しない。でも代々男女で組むことが多いらしい。タッグを組んだからって恋仲になれるなどというものではないが。
「みんなー。投票したよねー? 集計しちゃうよ?」
あわてて紙を出す人が数名。ニヤニヤしてこっちを見ている人が数名。
「かぐや姫に35票。って35票?! こりゃ確定だわ。で、横田の方は、っと。15票か。意外と普通だな。ABD組の結果次第か。」
いつの間にか他クラスの集計結果が黒板に書かれている。精神感応系の能力でやったのだろう。ちなみに結果はダントツで僕達が一位。四クラス約百六十人の意見を無視する訳にもいかない。
で、話題の中心のかぐや姫こと藤原さんは黒板を見て固まっている。そりゃそうだろう。約百六十人中約百二十人が彼女に投票している。とんでもないプレッシャーだろう。僕だって必死に現実逃避しているところだ。
あはは……。明日からどうしよう。
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