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陰陽師朝霧、異世界にクレームをつけにいく ~勇者召喚の裏で女神が雑すぎる件~  作者: 和幸雄大


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第11話 前鬼招来

森の奥へ進むと、周囲の空気が変わった。

重い空気。

漂ってくる殺気。

サトリが耳をぴくりと動かす。

「京ちゃん」

「わかってる」

私は立ち止まった。

悠真が私の様子に話しかけてくる。

「どうしました?」

「大きいのがいる」

ガルドが笑う。

「いいじゃねえか」

その瞬間。

森が揺れた。

地面が震える。

木々を押し倒しながら現れたのは――

巨大な魔族。

黒い外殻。

三メートルを超える体。

魔族将クラス。

悠真が剣を構える。

「これは……」

ガルドが笑う。

「強そうだ!」

魔族が腕を振る。

衝撃で木が砕けた。

ルークが盾を構える。

「来るぞ!」

私は小さく息を吐いた。

「これは」

悠真を見る。

「勇者」

「出番」

悠真が頷く。

「任せてください」

そして前に出ようとした。

「でも」

私は続ける。

「一人じゃない」

私は霊符を取り出す。

札を地面に叩きつけ叫ぶ。

「招来」

霊力が広がる。

森の空気が震える。

ガルドが言う。

「……なんだ?」

私は静かに言った。

「前鬼」

霊符が燃え上がる。

黒い霊力が渦を巻く。

地面が割れる。

そこから現れたのは――

赤い巨体。

角。

筋肉。

巨大な金棒。

鬼。

前鬼。

ガルドが目を見開く。

「……なんだ?」

リゼが叫ぶ。

「召喚術!?」

前鬼が笑った。

「久しいな」

低い声。

「主」

私は腕を組み前鬼に指示をだす。

「仕事」

前鬼が金棒を肩に担ぐ。

「任された」

そして魔族を見る。

「強そうだ」

次の瞬間。

前鬼が一歩踏み出す。

森が震えた。

悠真が呟く。

「……すごい」

私は静かに言う。

「これが」

「陰陽師」

そして思う。

この世界は――

まだまだ

雑すぎる。

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