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ゴーレム  作者: roshin
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皆殺し編4

 トウヤが去っていく姿に心がえぐられる。

 トウヤの言うようにいい子でいたいだけなんだろうか?

 自分を守るために他者を傷つける事が正しい事なんだろうか?

 答えが出ないまま、どのぐらい時間が過ぎたのか分からない。

 アイがA棟の裏口から俺を見つけB棟の裏口まで走ってきた。

 アイ「先輩!二人を止めて下さい!」

 俺はアイに何も言えずただ立ち尽くしていた。

 アイ「先輩!!」

 ヒカル「どうした?」

 アイ「二人が暴力を振るい続けていて覆面の人たちが死んでしまいます!」

 ヒカル「トウヤもゴウもそこまではしないよ。」

 アイ「だったら二人を止めて下さい!私はもう見ていられません!」

 ヒカル「・・・・分かった。話をしてみるよ。」

 重い足取りでA棟の裏口に向かう。

 A棟の中に入るとゴウがケン兄の胸ぐらをつかんでいる。

 ゴウ「もう一度言ってみろ。殺すぞ。」

 ケン兄「何度でも行ってやるよ。あんな電線でつながれた女はこんな世界で生きられねだろ?だから医者は俺達が有効活用してやってるんだ。」

 ゴウはケン兄の顔に拳を振り下ろす。

 辺りはもう誰の血か分からないほど真っ赤に染まっていた。

 ヒカル「ゴウ!もうやめろ!」

 ゴウ「お前は黙ってろ!」

 ヒカル「どうしたんだ?いつものお前ならこんな奴の事なんて無視するだろ?」

 ゴウ「今、ここに医者はいない。ライカに何かあったらお前が助けてくれるのか?」

 ヒカル「できるわけないだろ?」

 ゴウ「なら黙ってろ。お前は所詮、偽善者だ。」

 俺はゴウなら止められる可能性があると思っていたがトウヤよりも緊迫していた。

 ここで俺にできることはただ、見続ける事だけしかできなかった。

 しかし、地獄の中にも救いはあった。

 包帯で頭を巻かれたナツミがハナに肩を貸されながらA棟に入って来た。

 ナツミ「お兄ちゃん!何をしてるの?」

 トウヤ「ナツミ・・・・。」

 トウヤは背の小さな襲撃者に拷問をしていたがその手を止める。

 ハナ「彼らは自業自得ですよ。トウヤ様はナツミちゃんの復讐をしているだけでしょ?」

 ナツミ「そんなの頼んでない!お兄ちゃんもうやめて!この人たちが死んじゃうよ。」

 トウヤ「・・・・分かった。」

 ゴウ「トウヤ!何ぬるい事を言ってるんだ?」

 トウヤはゴウに何かを耳打ちするとゴウは落ち着きを取り戻す。

 ゴウ「ああ、そうだな。もう許してやるか・・・・。」

 ゴウの目は決して許していないだが、許すと言っている。

 ナツミはケン兄の方を見て話す。

 ナツミ「ここにはもう来ないでください。それから薬と食料の半分と医院長を返してください。」

 ケン兄「俺達だって大けがしている。医者は帰せない。」

 ナツミ「でしたら医院長にはあなたたちの拠点と病院をしばらく行き来してもらいましょう。」

 ケン兄「・・・・分かったそれでいい。俺達を解放してくれ。」

 トウヤ「それはお前たちの拠点に案内してからだ。」

 ケン兄は舌打ちで返事をする。

 トウヤ「じゃあ俺とゴウでこいつらの拠点に行ってくるよ。」

 ナツミ「ヒカルさんも一緒に行ってください。」

 トウヤ「・・・・ヒカルは大丈夫だろ?誰かがここにいないとまた襲撃してくる可能性があるだろ?」

 ナツミ「じゃあ、ゴウさんが残ってくれた方がいいんじゃない?」

 ゴウ「いや、俺は行くよ。拠点にもっと大人数いる可能性もあるから。だからヒカルが残るのが一番いいだろ?」

 ナツミ「もっと大人数いるならヒカルさんも必要じゃないですか?」

 ゴウ「そうだが・・・・。」

 トウヤ「分かった。俺達3人で行ってくるよ。その代わり、襲撃には備えろ。何かあったら身を守る事だけ考えろ。いいな。」

 ナツミ「うん。」

 ナツミは小走りで俺に近寄ると耳打ちする。

 ナツミ「お兄ちゃんたちを止めて下さい。それはヒカルさんにしかできません。」

 そういうとハナの元に戻っていった。

 ナツミは二人が止まらない事を理解していた。

 無茶な注文をされるが、あの笑顔を見ているとなぜかできる気がする。

 俺達は襲撃者を車に乗せ、病院を後にした。


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