皆殺し編3
気を失っていた一番背の高い襲撃者が目を覚ました。
背の大きな襲撃者「お前ら・・・・。何してくれてんだ?」
背の小さな襲撃者「ケン兄・・・・。」
すっかりと弱っていた背の小さな襲撃者を見たケン兄と呼ばれた襲撃者はトウヤを睨む。
ケン兄「お前ら全員殺す!」
トウヤは無表情にケン兄の右肩を目掛けバットを振り下ろす。
トウヤ「黙れ、俺が許可するまで話すな。」
ケン兄「不意打ちでなければ何もできない雑魚が偉そうな口を叩くな!」
トウヤは襲撃者の右足に狙いをすまし渾身の一撃を振り下ろす。
ケン兄の右足は曲がらない所が曲がる様になり皮肉な言葉を吐く事すらできなくなった。
トウヤは面倒くさそうにもう一度同じ言葉をケン兄にかける。
トウヤ「黙れ。俺が許可するまで話すな。」
俺はトウヤを手招きでB棟の裏口まで呼び出す。
ヒカル「やりすぎじゃないか?」
トウヤ「やりすぎ?軽いぐらいだろ?」
ヒカル「骨を折ってるじゃないか。」
トウヤ「だから?」
ヒカル「このままだとお前が殺人を犯してしまいそうで・・・・。」
トウヤ「そのつもりだけど?」
ヒカル「何を言ってるんだ?」
トウヤ「俺達はゴーレムになった人を殺してきただろ?」
ヒカル「ゴーレムは噛まれた段階でもう死んでいるだろ?」
トウヤ「なんでそんな事が分かるんだ?」
ヒカル「いやだって石を砕いた時にお前は脈を調べてたじゃないか?」
トウヤ「石を砕いたら死んでいただけだろ?石を砕かなければ生きてるかもしれない。」
ヒカル「そんなはずないだろ?頭を吹き飛ばしても動いてるんだぞ。」
トウヤ「それまでは生きてる可能性もあるだろ?でも石を砕けば脈も止まっている。つまり殺しているのと変わらない事だ。ゴーレムなら殺してもよくて人は殺したらダメなんて言うなよ。」
ヒカル「それは違うだろ?人はゴーレムじゃない。話し合いで解決できるじゃないか?」
トウヤ「本当にそう思っているのか?人は右手で拳を構え、左手で握手を求める事しかできない。握手を断るなら強いものが弱いものを殴るのが世の中だろ?」
ヒカル「そんな事はない!人は人と分かり合えるはずだ!」
トウヤ「分かり合える・・・・。妹は最初に握手を求めたはずだが?」
ヒカル「それは・・・・。」
トウヤ「人は分かりあえるんだろ?なんでその時にできなかったんだ?」
ナツミの事を思うと何も言葉出てこなかった。
それでも人が人を殺す世の中をどうしても認められなかった。
トウヤ「自分だけいい子でいたいならいればいい。でも何もせず黙ってろ。」
トウヤは俺に背を向けると襲撃者の方に戻っていった。




