学園編4
4月10日 13時 部室
???「誰か! 助けて!」
女性の声が響き渡る。
その声を聴いてゴウが廊下に出てきた。
ゴウ「何してんだ。ヒカル開けろ!女の子が襲われてるんだ!」
トウヤもゴウを制止する様に廊下に出てきた。
トウヤ「待て!ゴウ。俺達が行ってもあの暴動は治まらない。よく見てみろ」
窓の方を指さす。
窓の外には逃げ惑う人々とゴーレムに変わってしまった人々。
噛まれたものがしばらくすると動き出しまた次の人を襲う。
そうして数がどんどん増えていく。
トウヤ「お前が行ってどうこうできるレベルの話じゃない」
ゴウ「そんなの関係ない。人が襲われているのを黙ってみているのか? 自分だけ助かればそれでいいのか?」
トウヤは苦悶の表情を浮かべる。
ヒカル「トウヤはそんな事を言ってるんじゃない。俺たちに今できることは救助を待つことだけだ。下手に行ってお前がああなる事を恐れたんだよ」
ゴウ「くそが!」
ぐっと拳を握るとしぶしぶ納得した様だった。
部室に戻るとアイがガタガタと震えていた。
アイ「うそ……」
窓の外を見てみると空手部部長が金属バットをゴーレムの頭目掛けてフルスイングしていた。
バットが頭をとらえると血が飛び散る。
よろめいたゴーレムに再度フルスイングすると頭が吹き飛んだ。
アイはそれを見ると床にへたり込んだ。
空手部部長は息を整えると一人でも多くの人が逃げられるようにゴーレムを自分の所へ誘導させるためか大声を上げていた。
ゴーレム達もその声に反応するように空手部部長を取り囲むようにゆっくりと近寄る。
もしかしたらあいつが何とかするかもしれない。
そんな淡い期待をしていた。
しかし、終わりはあっけないものだった。
頭を吹き飛ばしたはずのゴーレムが立ち上がると後ろから抱き着かれた。
それで動きが止められ空手部部長は近寄ってきたゴーレムに噛まれる。
しばらくバタついていたが徐々に動かなくなり、動きが止まるとゴーレム達は何事もなかったようにまた次の犠牲者を探す。
目の前の惨劇でも俺の頭は意外と冷静だったがもっと別の恐怖を持った。
ゴーレムとは人間にしか感染しない一種の病気ではないかと思っていた。
ゴーレムになったとしても戻す方法があってどうにかできる。
いつか頭の良い誰かがワクチンを開発していつも通りの日常が戻る。
そんな甘い考えを持っていた。
でも頭を吹き飛ばしても動くゴーレムを見てその考えは無くなった。
噛まれたら終わるのか……。
一体ゴーレムって何なんだろう?
俺なりにゴーレムの特徴をまとめてみる。
ゴーレムは体のどこかに赤く光る石が付着している。
音に反応する。
頭を吹き飛ばしても動く。
分かっているのはこれだけだ。
でも、もしかしたらゴーレムを殺すこともできるかもしれない。
殺すことはできなくても動きを止める方法があるかもしれない。
もっと情報が必要だった。
カメラに望遠レンズを装着させゴーレムを観察する。




