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FORSE  作者: 巫 夏希
『総ての平和を求める人へ』――世界トライアスロンの14日間
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0-2

オリンピアドーム。


かつて旧時代では常夏の島としてリゾート地になっていたという群島も今は機械的に気候が調整された人工浮島になっていた。ここはもともとかつて存在していた世界連合軍の施設であってそれをレイザリーが改良して造り上げたもので、一言でまとめるならばここはレイザリー軍の軍用施設であるのだが、現在は一年に数回だけ一般人に開放される。


今行われている世界トライアスロンが、その例だ。


戦争に関わりのない一般人にとっては戦争は負のエネルギーの塊と思われるのは明らかである。昔と違って戦争の勝敗が明確に決められなくなったので、国民は尚更戦争に向けて猜疑の心を傾けているのだった。


しかしながら、この世界トライアスロンは違う。


資本四国、レイザリー王国が主催したこのお祭りは資本主義国に置かれた企業の巨大な宣伝の場となりうる。さらには自社の生産する武器の平和志向性を世界にアピールする場にもなるのだ。


世界には戦争をショービジネスととる人間もいる。


これほどまでも武器を“他の国々にアピールできる機会”は少ないからだ。


しかし戦争の非人道的な生産性を排除するべくレイザリー王国が数年前に始めたものこそが、この世界トライアスロンなのであった。


「それが世界トライアスロンの成り行きってわけか。まったく、レイザリーも訳の解らないものを作り出したな」


神殿のような、石柱の立つ空間には一人の女性が立っていた。


白い修道服に身を包み、あろうことか口の方までも布で覆っていた。


女性は、目の前にあった大きな像を一瞥した。


それはその話している女性によく似たものだったが、それとなく違っているのが見てとれた。


「レイシャリオ枢機卿」


ふと、レイシャリオは声がかかったのに気付いた。


隣を見ると教会の牧師が着るような黒ずくめの服を着た茶髪の男が立っていた。


「ナウラスか。どうした?」


レイシャリオが尋ねるとナウラスは待っていたかのように話し始めた。


「部隊030が準備を開始しました。いつでも準備は完了です」


ナウラスは自分のやっていることは正しい、と見せつけるように胸を張った。


「解った。それでは始めよう。総ての平和を求める人へ」


そう言ってレイシャリオは像に向かってひざまづき、黙祷を始めた。

次回更新:12月11日予定。

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