↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幽閉王女は考える。「うん、これから考えよう」  作者: 池田ん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
8/11

8

今日も一日が終わる。

一日二食なんだけど、朝と午後。体感的には午前八時と午後三時。

早いでしょ……晩御飯のことね。


でもさ、食事を作って運んで片づけてって考えると仕方ないよね。

この塔に連れられてきたときは、まだエルネシアだったけど、エレベーターなんてなくて、階段だよ、階段。

マンションの四階くらいの高さだと思うんだけど、こんなところに毎日食事を運ぶって大変じゃない。

ここの一階に厨房があるかどうかわからないけど、日が沈んだ後に階段を上り下りするなんて、鍛錬どころじゃなくて苛めだよね。


今はね、毎日食事を作ってくれる人にも、運んでくれる人にも感謝してるよ、ホント。

私は、食っちゃ寝の生活なんだから。

いやー、王族ってやっぱり特別だよ。


灯りの魔道具はあるけど、前世のデスクライトより暗い。

明るいうちに食事して、入浴して、日が落ちたら寝る。

日が昇ったら起きる。

そんな感じかな、毎日。


もちろん起きている時は筋トレしてるし、最近は魔法の練習もしているけれど、基本は夜が長い。


規則正しい生活だけどさ、さすがに毎日十二時間ずつなんて眠れないんだよ。

今日も夜中に目が覚めてしまった。


何時かなぁ。時計がほしいな。

この世界に時計があるかわからないけど、こんな風に夜中に目が覚めた時は、切実に願っちゃう。


灯りの魔道具を点し、まずはトイレに。

いやー、暗いトイレは異世界も怖いよ。

だいぶ慣れたけど、やっぱり夜はね。


寝室に戻り、眠気もないので、水を飲むことにした。

灯りを点したまま、ベッドに座り、グラスに水をそそぐ。

もちろん魔法で!


やっぱ便利だよね。

最近氷も作れるようになった。指先程度の大きさだけど、グラスの水にポンと氷を浮かべる。


なんか夜でもホッとするよね……

……しなかった。


こんな時間に、あり得ない音が聞こえる。

軋む音。

鉄格子の扉?

えっ、マジ!


やばい、暴漢? 警備の人が血迷った??


ベッドから立ち上がり、灯りの魔道具を右手でつかむ。

その間に、寝室のドアが開いた。


扉から入ってきたのは、黒い服を着た男。

いつも来る兵士のような服じゃない。

その男は、私のものより大きな灯りを持っていた。

警備の人が持っているやつ、だと思う。


その男の顔は、立っている私を見て、少し驚いたような気がする。

あっ、鼻から下は布で覆われているから、目元だけしか見えないけど、多分、そう。


「エルネシア王女殿下、こんな時間に失礼いたします」


それでも男は動揺するほどではなかったようで、慇懃な挨拶をしてくる。


「あなたは誰」


少しずつ近づいてくる。


灯りが揺れる。


「私は、無実の貴女を救いに来たものです」


そう言って、男は私の前に跪き、頭を下げた。


私が片足を引いた動きに、男は少し顎を上げる。

うん、いい位置。

次の瞬間には、体が動いていた。

男の側頭部に回し蹴りが決まった。


読んでくれて、ありがとう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。