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幽閉王女は考える。「うん、これから考えよう」  作者: 池田ん


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6

「嘆きの塔」に幽閉されて、二か月くらい過ぎた、と思う。

この世界もひと月は三十日らしいんだけど、月の名前が数字じゃないからよくわかんない。

エルネシアの魂が眠ってしまったのは、この塔に幽閉されて十日くらいだったのかな。だから、私がエルネシアになって、およそ五十日。


スクワットは百回できるようになった。

やっぱりお馬さんに乗ったり、ダンスしたりで足腰はそこそこ鍛えられてたんだね。

腕は……うん、聞かないで。


相手がいないので組手ができないから、型の練習を繰り返してるんだけど、これが、なかなかね。

思うように、動かなーい!

流派によって違うかもだけど、腕がびしっと止まらなーい。

あー、初心者はこんな感じなのね。


とりあえずお掃除にきてくれる人に頼んで、下働きの人用の服を何着か持ってきてもらえたんだけど、これ正解。

素材は、まあ、比べちゃいけない。縫製もちょっと肩が上がりにくい。

でも、ドレスなんかより、ちょーラク!


会話はしてくれないけど、いちおうこっちの話は聞いてくれるので、ちょっと安心。

なんかね、幽閉? 監禁? されているけど、監獄とか刑務所って感じじゃないんだよね。

もちろん、そんなことはこの部屋を見ればわかるんだけど、でも、なんて言うんだろう……リゾートホテルの牢屋版? 

自分でも、意味がわかりません。


まあ、とりあえず体力はそこそこ。それなりに健康。

エルネシアには耐えられないほど辛い場所だった。でも私は前世の感覚が残っているせいか、今のところ大丈夫。


それで、肝心の魔法なんだけどさー。

『強欲』については、全くもって進展なし。

まあ予想はしてたから、諦めずこつこつ試していくつもり。


で、水魔法は使えるようになったんだ。

初めての時、感動したよ、マジで。指先に、水が出てきたんだもん。


ただね、この世界の魔法の使い方と同じかどうかわからない。

誰かに教えてもらったわけじゃないからね。


でも、私なりに色々考察して試しまくったんだよ。お風呂場で。

呪文なんてわからないから、ただただ「水よ出ろー」って念じただけ。


だってさ、呪文って、おかしくない? それってひとつの言語でしょ。言葉が変わったら使えないじゃん。

どの国でも共通に使うために、古代文明とかのチョー昔の言葉を色々覚えないといけないなんてことだったらさ、馬鹿にするつもりはないけど、それってどうよ、と思うんだ。

だって、平民だって使えるんだよ。どうなってんの。


だから、ラノベとかでもよくあるらしいけど、無詠唱だっけ、念じて実現するやつ。

それをひたすらやってみたんだ。


ただ、これは前世の知識のおかげでもあると思う。

水って、要するにH2Oでしょ。空気中にも水蒸気はある。

だったら、魔力が水に変わるんじゃなくて、空気中の水分を集めて液体にしてるんじゃない? 魔力はそれをサポートする媒体みたいなもの、多分。

ふっ、ふーん。私は文系だけど、これくらいは考えるよ。


で、上手くいったのさ。

どうして上手くいったかは謎だけど、コツみたいなものはつかんだ気がする。

魔法ってすげー。


やったぜ、私も魔法使いだ!

この世界に来て、一番嬉しかったかもしれない。



読んでくれて、ありがとう。

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