封印された記憶と再転生
50話になりました!
そして ブクマ変動は 減ったのもあったけど 前回2回分?いや3回分で116→118
思ったより増えなかったけど 最終的に増えてるから良かった……。
今後とも異世界理想郷(略称仮)宜しくお願いします。
「……ハジメマシテ……兎神様」
片言な言葉、少し親しみを感じる、くるりと振り返ると青い蜥蜴が居たのだが
それよりも気をとられたのは
凄く白い僅かに黄色味を帯びている空間。
最近来たことあるような、遠い昔だったような……?
(……あれ……でも目が覚めたら……)
気が付けばカルラ達が住んでる村の近くの森奥に居て……。
……どっちだ?……
約一週間前なのか、何年も前のことなのか……。
じゃ、端的に、前世の御主人のふくろうと再会したのは、どれぐらいぶり?
そう思うと同時に、何気ないカルラの一言が過った。
『兎神とやら……なんでそんなに強いんだ……?』
当時は、強さを願ったからとしか思わなかったからだと思っていたが……。
「オイラはいったい……何者? ……」
「ア、アノ……兎神様、御取リ込ミ中、痛ミ入リマスガ……」
「……何か大事なことを……」
『チェンジ様、何か考え事があるのは分かりますが、余り時間が残されておりません、レック様との命誓を』
「……あ、嗚呼……カルラを助けないと……」
我に返る、改めて、最初で最後のジークの使い魔を見る。
端的に言えば、おっきい青い蜥蜴。
(えーーっと、なんだっけ?)
『時間がないので手短に、神の権利の元、重なる偶然と奇跡の元、命誓にて今一度肉体を授ける』
「時間が無いので…… あっ……」
焦る気持ちかそのまま言いかけてしまった。
ちらりとレックを見ると、伏せをした状態で真剣に見ていた。
「神の権利の元、重なる偶然と奇跡の元、命誓にて今一度肉体を授ける」
「……ハッ……有リ難キ幸セ……、何ナリト……御申シツケ下サイマセ」
『えっと、あとは、ジークをカルラ様やふくろう様の伴に同伴を義務づける用に……』
「分かった……」
「レックよ、では、命誓を申す」
「御意……何ナリト……」
「主が主ジークをカルラ及び、ふくろうの同伴を義務付ける……急ですまないが宜しく頼む」
……?アレ?…… 指示される間もなく、それっぽく言えたのはなんでだろう。
似たような光景を見たのか、それとも以前に同じことをしたことがあるのか?……
そんなことを考えていると再びせかされることになった。
『もう時間がありません、 そんな感じで 命誓の契りを……』
「あ、嗚呼……レック、近くに来い」
「御意……」
手招きするとレックは歩いてくる、そっと抱き寄せて口づけを交わす。
抱いた感触は、半分だけ実態があるような見た目以上に軽く、すぐに壊れてしまいそうなぐらい尊いものだった。
「……兎神様……大変恐縮ナガラ、本当ニ……ジーク様の面倒を見ていただきありがとうございました」
口づけの影響か、レックの喋りに違和感が徐々になくなり始める。
「……嗚呼……きっとまた会える……それまでオイラの代わりを……皆を宜しく頼む」
気が付けば、沢山の知識が、経験が脳裏に蘇る。
それと同時に、ほんの一時を思い出す。
……
「……本当に行くのか?」
そう呼び止めたのはいろいろなことを教えてくれた、誰か、多分ご主人様の次に大事な存在だった者。
「……うん、御主人様にはね……悪いことしちゃったし……」
「……そうか……楽しかったぞ……達者でな……」
「はい……お元気で……」
そしてオイラは、その誰かの名前をそっと呼んだ。
思い出せたのはそれっきりで、後は気が付けば、何も知らないまま、強靭なステータスのまま
何もない原っぱに居た、その数日後、御主人様に会えた。
……長い長い、幾月の物語。
でも記憶のない今はそれは、ほんの一瞬ですらなかった幾月の物語……。
そして、今はもう、何をするか分かる。
「レック、すまんが、我の相棒を……預かってくれ、肉体の自由が利かなくなるのは分かる、だったら、我の相棒の知恵を……再び元通りになるその時まで……役立ててくれ」
『……チェ、チェンジ様……何を言いますか!! お供します』
「……大丈夫だ、気が変わらぬうちに……強がれる内に……行ってくれ……グエル……」
今はまだ、思い出せない、どんな姿で、どんな性格だったのか。
『チェンジ様……』
「いつか、再び、思い出せないがあの時みたいに、一緒に笑い、一緒に過ごそう」
ニィっと笑ってから大きい手を震えさせながらも涙をこらえ、頭から魂を手に呼び寄せる。
白く小さな球体は 手のひらの少し上で優しく揺れながら、何も言わず目を閉じ、額を差し出すレックにそっと……
ふわりふわりと……。
馴染むように、溶け込むように レックの体に吸い寄せられた。
「っ………チェンジ様! ……最後に……わ、私にも……」
それはレックの体から聞こえるレックの声だが、声の主はグエルだった。
「……どうやらもう時間のようだ……」
「……意地悪です……」
「……はは……分かった……」
そういって、再び少し前にしたレックへの口づけと同じように口同士を触れさせ
ほんの少しだけ、長い時間それをした。
「チェンジ様の相棒のグエル様をお預かりします、信頼していただき、本当に有難うございます!」
「……っぷ……嗚呼、宜しく頼む」
恐らくグエルの涙なのだろう、泣かせてしまっているのは申し訳ないが
オイラの中のグエルの記憶は殆どなかった。
例えるなら、友達に話したら絶対面白がってくれるような夢を見て、夢の中で覚えておこうと強く、強く何度も意識したものの、
いざ目が覚めてみると全体の1割も、いや2~3%すら覚えてないようなあのもどかしい気持ち。
だから、同じように泣いて見送ってやりたいがそれが出来なくて切なかった。
ニィっとオイラが笑うと、レックなのかグエルなのか、恐らくどちらもなのだろう、最後に一滴の涙をこぼしながら ニィっと笑ってくれた。
そして、白っぽいクリーム色の空間で目を閉じ、自分の心臓にある、グエルを受け継いだレックの魂を左手にながれるようにイメージをし、更には、左手からゆっくりと現れ、
血と土と魔力とで生成されているであろうと思うレックの身体に、再び魂が戻った。
「……再転生完了しました……チェンジ様」
それを確認し目を開ける。 確かに無事転生が完了し、綺麗で少しデカい青い蜥蜴が動いていた、目と口を動かしていた
「うん、じゃぁ、あとは宜しくね、ジークを頼んだよ、レック」
「……はい、チェンジ様もご無事でありますように」
「グエルも宜しくね」と言いかける代わりに再びニィッと笑った、
怖いけど、体の自由が利かないけど、一人じゃないから……。
そして、体の自由を完全に奪われたのは数十秒後だった。
オイラともう一人との命誓によって 寂しき邪悪な執念は体の自由を得るのだった……。
これで少しは、お?意外と設定しっかり考えてるんだな? とか思ってくれたりしましたでしょうか?
間もなく2章も終盤、まさか それぞれ別の冒険をする って予定で書き始めた2章がこんな展開になるなんて…… 恐らく 小説家になろうで一無計画な執筆になっているかもしれませんが 今後も頑張りますので宜しくお願いします。




