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異世界に転生したので優者になって理想郷を作る!  作者: 自由なお仕事
Act2.冒険はじまりました
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嫌う者・愛する者と邪悪じゃない?憑依者と

念願のバトル描写回ですよ! 奥さん…… あれ? なんか違う……?

ブクマ変動104→106  その他言いたいことは本編後の後書きの方で

「フン……小娘に用は無い……遊んでほしいならこいつを始末した後に……」


 そういいながら再びくるりと背を向けつつも右手で何かを詠唱しはじめた。


……ジークとの間に距離をとらせないと、このままでは()が悪い……。


「……すー……はぁ……」


 大きく深呼吸、認めたくないけど今までに()った罪を認めよう、そして、今から変わるのだ。


「あれ? 気づかないの? 私もそいつと同じ魔物狩りだよ、私も好き(だった)、断末魔聞くのが、悶え苦しむ姿を見るのが」


「……何?」


「……元々私がそいつを邪悪に染めたんだ、だから私から殺すのがセオリーじゃない?」


 ……明らかなデマカセ、でも怒りの矛先をこちらに向けないと……。

「……」


 憑依されたチェンジは沈黙になった。


「……」


 どうでたら良いだろうか、時間が稼げればそれで良いわけだが……。

  

「……優しい嘘……か……しかし邪念は僅かに染みついているな……」


「……何……」


「しかし、澄んだ目をしておるな……」


「……はぁ……?」


 悪者なんだよな? 勝手にチェンジに憑依して、ジークを殺そうとして……。


「……なぁ……こいつが死ぬとお前は悲しむのか?」


「……」


 率直に言えばそんなに困らないがチェンジが一番落ち込むだろう。


「……そうか……いや、知ってはいたが……」


「……?」


 戦意が落ちている。 そこまで邪悪な思念じゃないのか?


「おぃ……チェンジ大丈夫か……? もう自分に戻れたのか……?」


 剣を地面に刺し、近づこうとする。


「……まぁ……人間は人間だ、苦しみと悲しみと恨みと……」


『い、いけない! カルラ様 離れて』


「はっ?…… えっ? ……」


積年(せきねん)執念(しゅうねん)……すぅーーー……」


 チェンジは大きく息を吸った。 チェンジに集う様に風が吹き、大地が僅かに揺れた。


「……何……?」


 ほんの少しの間強い風を起こしたチェンジは、最初に見た時よりも禍々しい邪気を帯びていた。


「うっぷ…… 御馳走さま」


 まるで食事を終えたかのように腕で口を拭うチェンジ


「これでインテンションは解除した」


「へっ……?」


 嫌な予感と同時に、確かに邪悪な気配が強くなった気がした。


「……フン……分からんか? この体の持ち主の強さを超える邪気をお前達から貰った」


「……完全に乗っ取ったってことか?」


「……今回だけは見逃してやる、ただ残虐な殺生で邪気を帯びたり我の邪魔をするなら容赦はせぬ」


「……その体で(何を)どうするつもりだ?」


「……さぁーな……復讐として少し人間たちを殺すかな? がはっは」


「……待て、チェンジを返せ!」


「へへっ……遊ぶか?…… まぁ良いだろう、しかし、少し待て」


「待てるか……クソ野郎ッ」


「……ふー……ん」


 殺意はない、そして、ジークのそばにいるだから手を出しようがなかった。


 やがてチェンジの右手に優しい魔気が漂った。


 魔気を見て、こんなにも美しく優しいものがあるのかと、一瞬目を奪われるほどだった。


「……殺さなければ従うと言う約束だ ついでに我の邪気の大半をくれた奴だからな」


 約束……? 邪気にただ精神を奪われただけじゃないのか?


「……礼は言うが、同情や手加減はせんぞ!」


「……ここじゃ、自然破壊になるな、お互い原っぱのようなところの方が良かろう?」


「……分かった、確認だがジークは殺さないんだよな?」


「……嗚呼」


 それから、ジークは、意識が戻れば自分でどうにか出来るぐらいの状態になるのを見届け


 数分前に神速でかけた森道を憑依されたチェンジと共に歩きながら戻り始めた。


 ジークとの距離が50メートルぐらいに差し掛かった頃、気になったことを尋ねてみる。


「……チェンジはどうしてる……?」


「……治療したら喜んでた、体乗っ取られているのにな……」


「……そうか……負けるつもりはないが、念のためチェンジを悲しませないでくれ、それと、チェンジが大好きな『ふくろう』という主人に時々会ってやってくれ……」


「……よくわからんが、確認しておこう」



……私は何をしようとしているのだろう。


 殺されないのは分かるが、勝ち目のない戦い、そして、万に一つ勝ったとして


 祓魔師(エクソシスト)でない私に邪気を完全に払うことは出来ない。


 2分間、或いは3分間だけ凌ぐということならなんとかなったのに……。


 既に5分以上経過している、本当に乗っ取られたのだろう。


 いや、チェンジの意識と対話をしているようだから一つの体を共有しているのか?


「……」


「……」


 沈黙が漂った、一分間、いや二分間、結構な時間だった。


 こういう事態になるとは思ってなかった、太刀打ちできるアイテムや秘策なんてない。


 それでも何もせず諦めるわけにはいかない。


 間もなく森の出口、先ほど腰を下ろした原っぱが見えた。


「……一つ聞いていいか?」


「んっ……何だ?」


「ジークは最高の相棒であった使い魔を失い、闇に落ちた、お前は何があって闇に落ちたのだ?」


「ぁ……」


 なんとなくは察していたが、そうか、『レック』を失い狂ったのか。


 闇に落ちるというのは、邪悪な思考や惨殺をしたい気持ちが芽生えるということだろうか?


「……私は、友を殺された、(かたき)はすぐに打ったが、それから友の理想を忘れ狂った……いや、闇に落ちていた……のだろうな」


 狂気に満ちた、という言い方よりも相手に合わせて『闇に落ちた』という言い方に言い直す。


「……やはり過去形か……して、何があった?」


 なんとなく本心が分かった、ただ憎かった、殺したかった。


 でも、助けてくれるなら、体を委ねてもいいと言われ色々混乱しているのだろう。


「……友に似た人物と出会った、だから昔を思い出せたし、優しくなれた、正常に戻ったという所だろうか?」


「……そうか……」


 殺したくて憎くて仕方がない対象(ジーク)


 しかし、それを大事に思っている、多少なりとも愛している本体(チェンジ)


 さながら『愛が無ければ()えない』といった所だろうか?


 どんな悪人でも誰かに愛されている。 どんな善人でも誰かに妬まれている。


 人々や魔物の中で争いが絶えず起こるのはそういうことなのだろう。


「……我も……いつか戻れるだろうか……? いや 開放されるだろうか? という言い方が正しいのか」


 大人びたチェンジの寂しげな表情


 ふと、貴方は、生前何だったんですか? と訪ねようと思ったその時だった。


『手合わせは、決してしては駄目です!……』


「ぇっ……?」


 十数分ぶりにチェンジの人工精霊?の声が聞こえた。


 いや、本当に聞こえたのだろうか? 空耳の様にも感じた。


「……どうした?」


「……な、なんでも無い……」


 嫌な予感はあったが、チェンジと戦えるのは嬉しかった。


 憑依されたチェンジも楽しそうに片手をグーにもう片手をパーにして、ウォーミングアップをしようとしていた。


「オレは……いや、我は今強いんだよな……? これで(まも)ることが出来る!  ……の代わりに……」


 護る……? いや、それよりも……


「すまないが、チェンジの人工精霊?は、どうしてる?」



「んっ? …… 嗚呼、ジークを治療する少し前に黙ってもらった、あっ殺しはしない、チェンジの相棒だろうから……いつか和解はしたいが……」


「そ、そうか……じゃぁ、空耳か……」


 安心するため、自己暗示するため、ぽつりとぼやく。


「……なぁ、カルラさん」


「ん……? 名前名乗ったか……? あ、チェンジからか、どうした?」


 反射的に愚問をしたので、勝手に推測して納得する。


「確約は出来ないが、用が済んだらこの体はそっくりそのままちゃんと返すし」


「うん?……」


 手合わせをしたくないのか? それともどうしてもやり残したことがあるのか?


「さっき約束したふくろうにも、ついでに、あんたやジークにも会いに来る」


「嗚呼……助かる、あまりチェンジの悪評をつくようなことは避けて欲しい」


「オーケー、じゃぁそういう契約にしよう、死闘じゃなくウォーミングアップ的な…… そうして欲しいってチェンジがどうしてもって聞かないんだ」


「……ふくろうの意思もあるが、体はチェンジの物だから私からは余り文句は言えない」


「ありがとう、そういえば、邪気吸ったから少し気持ち楽になってるか? へへっ」


 急に態度が変わる憑依したチェンジ、もしかして、姿に合う喋り方を手探りしているのだろうか? 『我』とか『わし』とか言って


「んっ……?」


 そう言われて目を閉じて深呼吸しながら意識をする。


 なんとなくだけど体というか心が軽い気がする。


「嗚呼、多分…… ありがとう……で良いのか?」


 邪気を払ったり、少なくする方法はいくつかある、そして、邪気を嫌う神獣や魔物もいたりする。


 一からのスタートという感じで、そう考えるとなんか清々しい気分がする。


 ジークも心が軽くなっていると良いが……。


 しかし、このような事態になったことをふくろうはどう思うだろうか……。


 それが原因で嫌われないか少し心配だ。 ただ、邪気だが悪いやつじゃなさそうだ。


 口約束とはいえ、多分本当に会いに行ってくれるとは思うし……。



 そして、森の入口を離れて原っぱの真ん中近くにつく。


「カルラ……お相手よろしく頼む……この体に馴染んでおきたい……」


「……ウォーミングアップなんだよな、動きやすい軽装備、かつ大剣も火力の低いものに切り替える」


「嗚呼……オレ……いや、わしも手加減はする、致命傷にはしない、約束する」


「……分かった」


 憑依したチェンジ、いつもとは違うが、いい意味で好戦的な部分がある今のチェンジ


 こっちの方が案外、私としては仲良く出来るかもしれない。


 そう思うと親近感が湧いてきた。


 私は、戦闘用の軽装備に着替えながら、今後のことを真剣に考えた。


 ウォーミングアップが終わったら別れる前に色々聞こう。


 前世は何だったのか、チェンジの体で何をしたいのか……。

本当は明日更新したかったけど、100ブクマ超えた記念に更新しました。

仕事が忙しくなり次の更新は数日後になるかもしれませんが、自分ですら先が見えない展開

※物語の主要部分の大事な出来事・変化はちゃんと決めた上で執筆&更新しております。

そんな見切り発車執筆を皆様に見届けて頂けたら幸いです。

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