特殊体質と交渉と
連続更新のため予約投稿で19時に投稿させていただきました。
序章の部分の伏線回収としての特殊体質、今回はそれについてのお話しになります。
自分を男だと確認した後も、赤黒龍は何かを考えていた。
「何考えてるんだろう……?」
そして、シオンちゃんの方を見てみる。
「特殊体質について考えているんじゃないか?
「えっ? 特殊体質?何……?」……と
シオンさんに尋ねようと思ったのだが、それよりも早く赤黒龍から声をかけられた。
「小僧、茶々を撫でてみろ」
「ぁ……はい、宜しいのですか?」
茶々と赤黒龍は目が合い、赤黒龍は、顎で茶々に指示を出し、茶々はコクと頷き
茶々がテチテチと少し恥ずかしそうに歩み寄ってきた。
「嫌だったら言ってね……」
恐る恐る触れる、しかし、その恐怖心は、すぐに拭われた。
「クゥゥ……」
幸せそうな声で鳴いた。 気持ちいいのだろうか? 安心しているのだろうか?
「抱いて良いぞ……」
「ぁ……はい、失礼します……」
鳥と言えどレディー、なるべく紳士的に接せるようにボクは務めた。
「クワッ!!??……」
抱きしめられ驚く茶々だったが、すぐに完全にリラックス状態になり
しまいには………。
「クゥ……クゥー……。 クゥ……クゥー……」
涎を垂らし安心しきったように熟睡していた。
「こ……これは……?」
「……ふむ……ふくろうとやら、魔物・人問わず、誰かを殺したことは?」
急に名前で呼ばれてびっくりした。
そして、妙に確信づいた口調だった。
「ありません、多分……殺せません……」
そういって、思い出したのは、異世界に来た当初遭遇したスライムのような的。
薄い透明色の中に、濃い色の核があって、思わず抱きしめると、それにびっくりして逃げていったのだが。
思ったのは、一生懸命生きているな……。ということだった。
「主の特殊体質は、優しさだな……」
「優しさ……? あの、特殊体質とは?」
「えっと、簡単に説明するとね……」
特殊体質とは
一般的に、特定の分野での熟練度の向上、或いは、特定の条件下での経験値取得増加
言わば、得意分野のようなものらしい、
例えば、1時間勉強して100%理解できる人が居れば30%しか理解できない人が居たり、
或いは、応用まで理解し150%理解する人がいる……。みたいなもの。
「だからえっと、カルラさんの特殊体質は、多分、経験値取得増加じゃないかなって思う」
「なるほど……だから、レベルが高いと……」
「とはいえ、カルラさん達最強組が楽してレベルアップした訳ではないからね」
そういわれて思い出すのは、あのレベルアップ必要時の経験値の多さ、
どういう計算をしたら、何億も経験値が必要になるのだろう……。
「なるほど、ではシオンちゃんの特殊体質は?」
「私は、演算処理系かなぁ……といっても、私より凄い計算の人は沢山いるけどね。あはは」
……そんな特殊体質が優しさとはいったい……?
「んぁ……オホン……ふくろう、その特殊体質を活かすも殺すも自由だ」
「……えっと……?」
殺す?という意味が分からず尋ね返す。
「ふくろう、極力誰も傷つけるな、傷つける度にその力は錆びていくぞ」
「え、えっと……」
つまり戦闘をするなということだろうか?……。 それはなんというか一長一短な特殊体質である。
「その特殊体質の強みが穢れなき心なんじゃよ」
「穢れ?」
「確か、どんな冒険者でも、最初、何かを殺すということに対して、何らかの精神的負荷がかかるという話ですよね?」
「そうじゃな、殺生による罪悪感を感じなくなることが穢れきるということじゃて……」
「ま、万が一殺さざるおえなくなった場合は……?それこそ、シオンちゃんを守るために……とか」
シオンちゃんの視線を感じる、我ながらかっこいいことを言っただろうか?
「その者を敬い、供養しろ、そして、わしの所に来い、穢れが少ないうちは、浄化してやれる」
「……わかりました」
「シオン、お前も、一緒に冒険するのであれば、余り穢れぬ様に、そして、なるべく、その光景をふくろうに見せるでないぞ?」
「……わかりました」
……。
しばらくの沈黙、ところでボクの特殊体質って便利なんだろうか?……。
「して、今日は何用で参った?」
「あっ、はい、えっと……」
そういってシオンちゃんは、道具袋から、依頼書の紙を取り出して跪いてから読み上げた。
「魔具ブギー店、デュナルさんからのご依頼で……赤黒岩5kg程、黒水20リットル程、黒龍草を15株ほど採取させていただきたいです」
ボクも慌てて茶々をそっと開放してから、正座をした。
「……なるほどのぅ……して……供物は?」
先ほどとは打って変わって、まるで商談をしているような光景があった。
「合計6kgの高級牛肉をお持ちしました」
そういって、道具袋から肉の塊が入った容器を取り出そうとしたので、自分も慌てて一緒に出した。
「……ふむ……また牛か……」
「ご、ご不満でしょうか? それともこれだけじゃ足りなかったでしょうか?」
その心配そうな問いかけに、赤黒龍は、腕を組みながら。
「ふーーっ……」
大きく息を吐いた。
「今お支払いできるものでよければ追加で献上させていただきますので……」
なんとも言えない雰囲気だった、そして、なぜかそんな雰囲気にボクはテンションが上がっていた。
RPGでいう冒険してる! みたいな感覚だろうか?
「シオン、わしが博学なのは知っておるか?」
「はっ……幻獣界では、かなりの知識を好む龍様だと伺っております」
「……」
博学なんだ……、本とかも読むのかな? 読んでるところずっと目視していたい……。
椅子とかに座って机に置いて読むのだろうか?それとも、寝転がってうつ伏せで読むみたいに読むのだろうか?
「割に合わん採取量じゃが、ふくろうを少しわしに貸せ、ふくろうと、その牛肉で手を打つわい」
「……お言葉ですが、少しとは、いかほどの間でしょうか?」
「うーむ……主が採取を終え、ここに戻るまで……でどうじゃ?……」
「な、なるほど……すいませんが、どのような目的でお借りしたいのですか?」
「嗚呼……別にまぐわいを交わす訳ではない、ちと調べたいんじゃこいつの特殊体質をの」
「まぐ、まぐわい……っ……クールになれ、ふくろう」
再びあの妄想が過りそうになり、頬を叩いてから喝をいれて平常心に戻る。
「……ふくろう、赤黒龍様には悪い噂は無いが、ふくろう自身はどうだ?……大丈夫か?」
「ぁ……うん、な、なんていうかな、ボクの特殊体質についてどうするべきかとかも聞きたいし」
赤黒龍さんと二人っきり、なんて至福タイム
「分かった、1時間ぐらいになると思う、すまないがよろしく頼む」
「りょ、了解……一時間で足りるかな……? 無理はしないでね」
1時間、60秒が60回で3600秒、少し短い気もするが、仕方がない……。
とはいえ、幻獣と二人っきりでお話しできるなんて、なんていう贅沢な時間だろう。
「……はぁ……生きててよかった」
「ふくろう……顔が赤いが大丈夫か?」
「う、うん、本格的なクエストだから、んで役に立ててるから興奮してるだけ!」
別の意味でも、という言葉は飲み込んでおいた。
「分かった、採取は任せてくれ、そっちはよろしく頼む」
「了解!」
そして、シオンさんと茶々は、洞窟の外に採取に
ボクと赤黒龍さんは、お楽しみに出かけるのであった……?
自己満足なケモナー風味小説になっていないか心配ですが、気ままに楽しい異世界ライフになるよう頑張りますので応援宜しくお願いします。
明日も夜19時更新なので よければ読みに来て下さいね。




