1stキスと2ndキスと
タイトル通りの内容です、ただ ちょっとマニアックな描写が含まれますが、温かい目で見守ってくれたら幸いです。
丘の上で、改めて魔獣ことチェンジのことを話す。
以前、夢で話したのでカルラさんはすんなり受け入れてくれた。
チェンジには、カルラさんのことを彼女或いは、妻の様なものと伝えることにしたのだが……。
「えっと、カルラさんは僕の彼女、恋人みたいなものなんだけど……」
「……コイビト……?」
「うん、意味分かるかな? 前世でチェンジも、子孫残しただろう?」
「…………嗚呼……分カッタ、交尾ぱーとなーダナ?」
「……」
「……」
カルラさんが僕とチェンジを冷ややかな目で見た。
「アレ……違ッタ?」
「違うくはないかもだけど、まだそんな関係じゃないからな」
「……何故交尾ヲ躊躇ウ? 気持チイイシ、子孫残セルノニ……ア、ゴ主人ハ、交尾ヨリ自慰派ナノカ?」
……
何故、ここまで下ネタ一直線なのだろう、そして、どこから自慰という単語が出てきたのだろう。
それを問いただすと、チェンジは答えてくれた。
疑問に思った言葉は、勝手に脳内が処理してくれるらしい。
例えば、カルラが『フクロウを離せっ!!』と入った時『梟を離せ』と脳内が処理したらしい。
そして、自慰という言葉が導き出された経緯は、交尾→性欲の発散→交尾or自慰となったらしい。
もちろん、チェンジにとって初めての言葉の『自慰』疑問に思うと同時に、辞書で言葉の意味を知るみたいに、スッと理解
するらしい。
なんとも便利そうな頭の中だ。
「ア、ゴ主人、自慰ハ、悪影響モ少ナクナイミタイダカラ、自慰スルナラ、僕ト交尾モドキシヨウネ?」
「はぁっ……?」
「前世で何回も言ってたじゃん、『チェンジ、セックスしよーっ』って」
「ぇー……っ」
カルラさんの蔑む視線が痛い。
因みに、獣姦がしたい訳ではない。
東京ラブストーリーというドラマのとある名台詞をパロったものだ。
※カンチ、セックスしよーっ!
実際にやることはというと、チェンジ(兎)の頭の上に顎を擦りつけたり※兎界の上下関係の決め方の1つ
チェンジが痛がらない程度に優しく抱きしめ、一緒に寝たりすることだ。
だから、普通に可愛がる以外のことは……
……あっ、チューは何回もしたけど……※動物とのチューは、病原菌が互いに移動しあう可能性があるのでしないように。
確かに、ペット以上に愛していた、枕元に置いて寝ると、トイレだけはしっかり所定の場所で済ませ
目が覚めると枕元に居るのだ。
そして、体を起こして、『ご飯食べようか?』などと声をかけると
両前足を伸ばして、大きな欠伸をして、『プッ、プッ』と喉を鳴らして喜ぶのだ。
そんな光景を目の当たりにしたら、誰しも愛おしすぎて、チューしたくてたまらなくなると思う。
そんなこんなで、5分ほどかけてカルラさんに弁解した所、要約理解してもらえた頃、辺りはすっかり薄暗くなりつつあっ
た。
ヘタをしたら、恋愛というものを1から教えないと行けないような気がして骨が折れそうな気がしたが
「ゴ主人ノドコガ好キーっ?」
と上機嫌にカルラさんに話しかける魔獣となったチェンジを見ていて、僕はとても幸せに思えた。
そして、間もなく村の門が見えてくるという所で
「ァ、ゴ主人!」
「んっ?」
急に振り返るチェンジ、当然、チェンジの横にいたカルラさんも僕を見る。
その瞬間だった。
「ンーっ」
「んぁっ!!??」
そっと、唇が触れるだけのキスをされた。
「ぇ……ぁぁ……な、な、何を!?」
「……」
「ンっ? ゴ主人ガ何回モシタコト、真似シテミタ……。ナンカ、胸温ッカイ、モッカイシテイイ……?」
「チェンジ……」
魔獣となっても、それは、約5年間溺愛したチェンジであり、
しかも言葉を発し、前世とは比べ物にならないぐらい懐いている。
胸がキュンとした。
というより、犬ドラゴンの様な幻獣にぞっこんされている現状が信じられないぐらい幸運で
思わず、コクリと頷こうとした時だった。
「……んんっ!!」
「んぐっ……んんんっ!!!!」
カルラさんにキスされた。魔獣と同じぐらい一瞬の口づけだったのだが
「……魔獣に1stキスとられた……やだもう……」
「……ぁ……ぁ……」
唇奪っといて文句言うの……? とはいえ、顔を真赤にして、凄く悔しそうなカルラさんは色っぽかった。
「ォーォー……コイビトラシイネ!ラシイネ!!」
上機嫌になる魔獣、そんな様子に、僕は、自棄になり、カルラさんの肩を掴んで、自分からの(人間相手に対して)初めて
の1stキスをした。
3秒ぐらい唇を重ねた。
凄く気持ちよかったけど、どこかやっぱり恋人という実感が足りず、それ以上はできなかった。
「僕からの1stキス……で勘弁してくれるかな……?」
その言葉にカルラさんは、りんご病のほっぺみたいに顔を赤くして、小さく文句を言った。
「…………馬鹿……」
それから、カルラさんは村に向かってすごい速さで駆けて行った。
「…ンート……エット……」
何かを考えるチェンジ
「ん?……どうした?忘れ物か?」
それから少し間があり、ほんの少しだけ顔を赤らめ上目遣いをされながら
「ゴ主人ノ2ndきす下サイッ!」
とご丁寧にお辞儀をされた。
…………
元ペットにそんなこと言われたら♂だろうが♀だろうが関係なく……ねぇ……?
脳内に交尾モドキが過った所で、ふと、さっきのカルラさんの照れた顔が過った。
……そんなことをしたらカルラさんは傷つくだろう。
とはいえ、もじもじと物欲しそうなチェンジをほっとけるわけもなく。
1秒から2秒のキスをしてあげた。
性別やら種族は違えど、いっきに恋人のようなものが二人できた複雑な気持ちだが
なんか嬉しかった。
カルラさんともチェンジとも大事に過ごせていけたらいいなぁ……。
「ヤッタッ、ゴ主人、大好キッ!!」
キスの後に、更に上機嫌になったチェンジは、僕をギュッと抱きしめてくれた。
USJなどでもふもふな着ぐるみにハグしてもらった一瞬が過ったが。
体毛越しのチェンジの体温と、チェンジに対する特別な思いが、そんな過去よりも数十倍温かく気持ちのよい一時をくれた
。
そういえば、カルラさんの一撃をたやすく凌いだチェンジだが
いったい、チェンジのステータスはどうなっているんだろう?
その数分後チェンジの異様なステータスを見て、僕は驚くのだった。
……
……
モンロウさんの視界に魔獣が視界に入ると、モンロウは目を大きく開け、数秒間停止した。
「フ、フク、フクロウ、なんだそれ……?」
「えっと、前世のペッ……いや家族のチェンジ、元は兎なんだけどね……チェンジ、挨拶」
「…………コンニチハ」
「……ご丁寧にどうも……」
モンロウさんは、やや警戒しながらも、先ほどカルラさんが通ったのを見てそれほど怪しんだりはしていないそうだ。
「家族ねぇ……触ってもいいか?」
「…………?」
「ぁ……うん、大丈夫だからね、チェンジ」
そして、モンロウさんは、チェンジの腕あたりに触れ、撫で、揉む。
「いやぁ、こんな魔獣手懐けてるとはなぁ……凄いというか運がいいというか、ありがとう、宜しくなチェンジ」
その言葉にコクリと頷くチェンジ
「触ッテモイイカ……?」
チェンジの視線の先には当然モンロウさんで それを言われたモンロウさんは、一瞬戸惑うが防具を脱ぎ私服になり
「おぅ、好きに触れ」
「……」
そして、腫れ物を扱うみたいに、モンロウさんの腕に触れ、似たように揉んだり、撫でたりしていた。
「……ぅー……すっごい変な気分だ……ヘタしたら殺されかねないかもしれないような……そうだ、鑑定していいか?」
「……?意味ヲ調ベタガ意味ガ分カラナイ」
「あぁ……」
あらかたチェンジの頭の中には、鑑定を辞書で引いたみたいに
鑑定=刀剣・資料などの真贋・良否などを判定すること。目利き。 物事を判断すること。
物品に対して行う鑑定と解釈したのだろう。生き物と物品は違うのでチェンジは混乱しているようだ。
モンロウさんから貰った『鑑定メガネ』をチェンジに差し出し、僕を覗くように指示する。
「……ナルホド……これガ鑑定……」
そして、僕を数秒鑑定した後、モンロウさんを鑑定するチェンジ。
「まぁ、それが人を鑑定するって事だ、ちょっと確認させてもらうからな」
そういってモンロウさんもチェンジを鑑定する。
「……なっ……な……」
言葉をなくすモンロウさんにチェンジから鑑定メガネを取り、僕もチェンジを鑑定する。
「……ぃ……ぃ……」
『名前 兎神・チェンジ lv. 230 15,240/246,332,072,234 (00.00)
職業 愛玩動物 種族 神獣
HP 57,770/57,936 MP 20,058/20,079
STR 583 DEX 156
INT 283 LUK 134 』
……レベル230で神獣なんだ……。
……って職業がおかしい!後、カルラさんもびっくりの必要経験値だよ……突っ込みどころ満載なのだが……
「チェンジ……兎神って?」
「ん?……ゴ主人ガ最初ニクレタ名前」
「……中二病っぽい……でも神獣なのだからあながち間違いではないか」
もしかして、名前の影響? と少し思ったが、多分違う、でも、なんで神獣なんかに転生したんだろう……。
とはいえ、初めて付けた名前を覚えていてくれるのは嬉しかった。
「チェンジ……絶対離れるなよ?」
「ウン! ゴ主人、護ル!」
その後、ギュッと抱きしめられていると、
「騒ぎになるから今の姿のまま村にいれることは難しいな……」
と言われ、3人で頭を悩ませる事になった。
暫くしてカルラさんが来た。
動きやすい服装に着替えていたが、村長とギルド支部へは報告をしてくれたそうだ。
それから、カルラさんとモンロウさん同伴で、村長の待つギルド支部へ向かうことになった。
チェンジこと魔獣と友達や仲間になれたら嬉しいなと思ってはいたが、流石に町中だと騒ぎになる。
肝心なことを考えてない自分だと痛感した。
それから、約数時間、村長やギルド支部のお姉さんを交え、面倒くさい話や取り決めがあったのは言うまでもない。
そして、カルラさんは、空き家をレンタルしてくれて、暫くは、チェンジとカルラさんとで住むことになった。
空き家は、本当にシンプルで、3分の1は囲炉裏付きの玄関で残りは床で三人で寝泊まりするだけなら問題なさそうだった。
カルラさんの奢りでお腹いっぱい食べたチェンジは、すっかりカルラさんに懐き、僕とチェンジが仲良く会話しているのを
楽しそうに見守ってくれていた。
魔獣もカルラさんも可愛いっ!! とか思ってもらえたら嬉しいです。
魔獣の特殊知能の言語自動理解(仮)で個性的なキャラになればいいかな思ってます。 ただまぁ…… 魔獣もカルラさんも恋愛感情が暴走しないよう頑張れたらいいのですが……。(脳内想像の暴走が激しいと、1章+αで連載終了になるかもしれません。) そして、19話時点で53件のブックマーク有難うございます。
万が一今回の獣に好かれる主人公という要素でドン引きさせたり気分を悪くした読者の方がいたらすいません、ペット愛の延長線なのでご理解いただけたら嬉しいです。
ではでは、また次回お会いしましょうっ!




