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第22話 青魔導士、火鼠の女に逃げ道を塞がれる

ソリチェラが取った部屋は、狭く、暖かく、ひどく空気がこもっていた。


寝台が一つ。

細長い卓が一つ。

窓は途中までしか開かない。


俺は彼女を寝台へ下ろした。


彼女は離さなかった。


「ソリチェラ」


「嘘だって、わかってたでしょ」


「全員わかっていた」


「よかった」


俺の首の後ろで、彼女の指に力が入る。


「なら、誰も騙してない」


俺は彼女を見た。


笑みはまだあった。


かろうじて。


その下で、何かが守りを失っていた。


「話したいんだと思った」


「あなたと?」


口元が曲がる。


「あなた、会話は昔から下手だったもの」


彼女の指が首の後ろから外套の前へ滑った。


一度だけ引く。


俺を引き倒すほどではない。

できると、思い出させるには十分だった。


最初の留め具へ触れる前に、俺は彼女の手首を捕まえた。


「怪我してる」


彼女の目が一度、俺の脇腹へ走る。


「そうだったね。じゃあ、任せて」


「そういう意味じゃない」


「知ってる」


俺が答えるより先に、彼女は動いた。


片手が俺の外套の前を捕まえる。

片足が俺の足の後ろへ入る。

体重が、速く、馴染みのある角度で移った。


そして部屋が、まさに間違った方向へ傾いた。


誇りが役に立つ足場を見つける前に、俺は寝台の上に落ちていた。


脇腹に痛みが一度走った。


止まるほど鋭くはない。


だが、ソリチェラが見逃すほど弱くもなかった。


半拍だけ、彼女の顔から遊びが消えた。


それから彼女は寝台に片膝を乗せ、俺の上へ身をかがめる。


笑みは、ほとんど揺れていなかった。


「ほら。丁寧でしょ」


「寝台に投げたな」


「優しく」


「その言葉に、ずいぶん無理をさせているな」


彼女の手が動いた。

速い。

速すぎる。


一瞬前まで俺は外套を着ていた。

次の瞬間には、靴ごと寝台の脇へ放られていた。


彼女は寝台から下り、俺の前に立つ。


今はもう集中していた。


小さな指が、恐ろしいほど手際よく動いていく。


俺は彼女を見下ろした。


「手慣れすぎている」


「あなたは複雑にできてないから」


続けられる前に、俺は立とうとした。


「座って」


「平気だ」


「ラフェル」


俺は座った。


主に、女が殺すより効率のいい方法を選んだ時に出す声だったからだ。


彼女は続いて寝台へ上がり、俺の膝の間に跪いた。


小さな手は、まじめに作業を続けている。


その瞬間、問題がいくつも生まれた。


一つ目は実務的な問題だ。


彼女の指が温かい。


二つ目は、彼女が俺の脚の間にいることだ。


三つ目は、俺がどの問題に最初に気づいたのか、ソリチェラが正確にわかっていることだった。


口元が曲がる。


「気をつけろ」


「気をつけてる」


「そういう意味じゃない」


彼女はシャツを開き、包帯に貼りついた布を慎重に剥がした。


周囲の痣を見た瞬間、また表情が変わる。


「ゴーレム」


「謝り方が下手だった」


彼女の指が包帯の縁をかすめる。


今度は優しかった。

腹が立つほど優しかった。


慎重なソリチェラは、図々しいソリチェラより悪い。


手をどこへ置けばいいのか、まるでわからなくなるからだ。


だから、俺は彼女の肩に置いた。


間違いだった。


彼女が見上げる。


部屋が狭くなった。


「ソリチェラ」


どうやら、彼女の名を繰り返すことが作戦になると判断したらしい。


「なに?」


「俺、結婚してるかもしれない」


彼女の手が止まった。


瞬き一つ分ほど考える。


「明日、謝る」


「相手を聞きもしないのか」


「両方だと思った」


「それで許されるわけじゃない」


「うん」


彼女の手が俺の帯へ戻る。


「でも効率はいい」


俺は彼女の手首を捕まえた。


それでようやく、彼女は静止した。


怯えてはいない。

待っていた。


「誰か入ってきたらどうする」


ソリチェラは扉を見た。


それから俺を見た。


自分を見下ろす。


そして、また俺を見上げた。


「あんた、大きいでしょ。僕の尊厳を守って」


「俺の図体には、もっとましな使い道がある」


「今夜の僕が気にする使い道を一つ挙げて」


「ソリチェラ」


「運んだのはあんただよ」


声から、少しだけからかいが抜けた。

全部ではない。

けれど、十分に。


「嘘だって知ってた。私が何を求めてるかも、わかってた。それでも運んだ」


「会話がしたいのかと思った」


「したかったよ」


彼女は近づいた。


「これが一番好きな会話なの」


彼女の手首は、まだ俺の手の中にあった。

細い手首。

温かい肌。

速い脈。

速すぎる脈。


どれほど図々しく見せても、彼女は自分が信じさせたいほど落ち着いてはいなかった。


それで、ほとんど助かった。

ほとんど。


その時、彼女が笑った。


「他に言い訳は?」


「ある」


「並べて」


「お前は小さい」


目が細くなる。


「それ。今すぐ、もっとましな文にしなさい」


「そのつもりだった」


「なら急いで」


俺は彼女を見た。


彼女は顎を上げ、正しく間違えろとでも言うように俺を挑発していた。


「俺の方が大きい。怪我をしている。疲れている。思うほど慎重じゃない。それに、お前は」


「私は?」


正しい答えは難しかった。


安全な答えは、どうやら部屋から逃げ出していた。


「会いたかった」


それで、彼女は黙った。


一秒だけ。


だが、ソリチェラ相手なら、一秒は大聖堂の沈黙に等しい。


やがて彼女は、片方の手首をゆっくり抜き、俺の頬に手のひらを当てた。


「馬鹿」


柔らかい声だった。


親指が一度、俺の口元の近くを撫でる。


「私が上に乗る前に、それを言いなさいよ」


「悪い振る舞いに褒美を出さないよう努力していた」


笑みが震えた。

すぐに鋭くなる。


「手遅れ」


彼女は一歩下がった。


一瞬、退くのかと思った。


違った。


ソリチェラは上着の留め具へ手を伸ばした。


留め具が多すぎた。


ベルトも多い。

継ぎ当ての革も、金具も、意図的な面倒くささも多すぎる。


彼女は十秒もかけずに抜け出した。


俺は見ていた。


彼女は服の大半を椅子へ放った。


「なに?」


「恐ろしく手際がいい」


次に、短い革の上衣へ手がかかった。


全部ではない。

まだ。


ソリチェラはそこに立っていた。


乱れた髪。

赤くなった耳。

温かい肌を横切る、淡い傷跡。

自信を鎧みたいに着込んでいて、肝心なところでは少しも鎧になっていない女。


アリステルの柔らかさとは違う。


磨かれていない。

貴族の手や祠の習わしに整えられていない。


細く、しなやかで、恥知らずで。


熱と鋭さと、古い生存の癖でできていた。


そして、自分が俺にどう見えているのか、正確にわかっていた。


笑みが戻る。


安定はしていない。


その方がよかった。


「他に言うことは?」


山ほどあった。


どれも口へ届く前に、役に立たず死んだ。


ソリチェラは俺の膝の間へ戻り、両手を俺の肩に置いた。


それでも、傷には気をつけていた。


彼女が口づけた。


俺は彼女の腰を捕まえた。


彼女は小さな声を漏らして俺の膝に収まり、その音だけで、俺の身体に残っていた分別が予告なく辞表を出した。


彼女の手が俺の髪に入る。


尾が俺の手首に巻きつき、一度だけ強く締まった。


それから、俺の指が彼女の背中の温かな線を見つけると、少し緩む。


「気をつけろ」


俺はまた呟いた。


ソリチェラが止まる。


それから、口元が曲がった。


「もう?」


「傷の話だ」


「悲劇だね」


「ソリチェラ」


「知ってる」


手の位置が変わる。


今度は、もっと優しかった。


「だから、僕が上にいるの」


それから彼女は、俺を寝台へ押し戻した。


ゆっくりと。


そこが、馬鹿げていた。


部屋に爆発みたいに入ってきて、悲しみ相手にも音量で勝てると思っているような女が、両手を俺の肩の近くについて、俺の顔に痛みが走らないか見ながら、ゆっくりと俺を寝台へ倒していった。


彼女は、腹立たしいほど慎重に俺の上へまたがった。


「ほら。僕だって気遣える」


鼻がひくりと動いた。


小さく。

勝ち誇って。


懐かしかった。


俺は彼女をきちんと見た。


「昔から、その癖は可愛いと思っていた」


ソリチェラは瞬きをした。


一度。

それからもう一度。


最初の一度では問題が解決しなかったらしい。


次の瞬間、赤みが一気に顔まで広がった。


彼女の手が俺の肩を強く掴む。


話題を終わらせるには十分な強さだった。


「もう喋らないで」


彼女は身をかがめた。


口づけが深くなる。


「ソリチェラ」


「なに?」


「やめたくなったら」


彼女は顔を上げ、冬を生き延びたすべてのネズミ族の祖先を俺が侮辱したみたいな目で見た。


「ラフェル」


「ああ」


「黙って」


そして俺が従うまで、彼女はもう一度口づけた。


そこから、部屋は輪郭を失った。


寝具が、急いた手の下で絡まる。


彼女は片手を俺の肋骨の近くに置いたままだった。


俺の息が引っかかるたびに慎重で。


引っかからない時には、ひどく意地が悪かった。


彼女の口が俺の喉へ降りる。

俺の手が彼女の腰へ伸びる。


そのせいで彼女は俺を噛んだ。


罰するほど強くはない。


ただ、自分が奪っているのだと、思い知らせる程度に。


絆がどこで始まったのか、はっきりした線はなかった。


光はない。

音もない。


ただ、熱だけがあった。


口元に触れる彼女の息。


枕の上で絡まった指。


彼女の身体が、慎重に位置を変える感覚。


いつの間にか俺は、彼女に追い詰められたから許しているだけだ、という言い訳をやめていた。


クラスが、静かに開いた。


ネフェレットの時とは違う。


あれは神の侵入だった。


牙と暁光を伴うもの。


これは違った。


もっと温かい。


骨の奥のどこかで、錠が回るような感覚だった。


ソリチェラが俺の上で震えた。


その目は明るく、怒っていて、濡れていた。


それに触れれば、彼女は寝台ごと火をつけるだろう。


だから、触れなかった。


代わりに、口づけた。


ずっと後になって、部屋は、途中でつかえた窓が汗をかくほど暖かくなっていた。


ソリチェラは俺の上に半分乗るように横たわり、裸足の脚を絡まった敷布の下で俺の脚へかけていた。


黒髪は、俺の肩の上で暗い惨事になっている。


片方の耳が、俺の顎の下でぴくりと動いた。


尾は、証拠を押さえておくつもりみたいに、俺の手首へだらしなく巻きついていた。


その尾に、力が入る。


「必要だった」


俺は彼女を見下ろした。


「やめて」


それから、彼女の歯が俺の肩を捕まえた。


強くはない。


間違いを訂正するには十分だった。


「もう逃がさない」


俺は目を閉じた。


部屋は、もう違っていた。


見た目ではない。


魔法らしくでもない。


それでも、俺の内側で何かが目覚めたのはわかった。


戦いが終わった後に、男が痣の意味を理解するのと同じだった。


名前が、歯の裏に落ち着く。


エンバーブラスト。


俺は声に出さなかった。


それでも、ソリチェラは顔を上げた。


「なに?」


「何でもない」


「下手な嘘」


俺は片目を開けた。


重力との戦争に負けかけている髪をした女にしては、彼女はあまりにも得意げだった。


「たぶん、お前は今、問題になった」


笑みがゆっくり曲がる。


「ラフェル」


「何だ」


「私は最初から問題だよ」


「もっと悪くなった」


窓の方から、小さなノックが聞こえた。


二人とも固まった。


「ここは二階だぞ」


俺たちは振り向いた。


ネフェレットが、窓枠の外に座っていた。


裸足で、白い髪を月明かりにこぼし、天が秘め事というものを、人間に誤解させるためだけに作ったみたいな顔で微笑んでいた。


ソリチェラは片手で敷布を引き上げ、もう片方の手で投げられるものを手探りした。


ネフェレットは嬉しそうだった。


「素敵ね。選ばれた絆だわ」


ソリチェラの顔が赤くなる。


「見てたの?」


「奇跡を確認するのに必要なだけ」


ネフェレットの目が俺へ流れた。


「ただ、気をつけなさい、ラフェル」


「神にしては警告が下手だな」


「あら。疲れて不機嫌なのね」


笑みは明るいままだった。

だが、目は違った。


「選ばれた絆は、閉じた扉の向こうで結んだからといって私的なものになるわけではないの」


ソリチェラが敷布をさらに引き上げる。


ネフェレットのまなざしが、危険なほどわずかに柔らかくなった。


「美しい女たちが増えていく中で、こんなに早く誰かを特別扱いし始めると、面倒なことになるわ」


それから、彼女は窓の桟から消えた。


ソリチェラは俺を寝台へ引き戻した。


皮膚の下では、新しい絆が残っていた。


繋がれたものではない。


命じられたものでもない。


選択。


つまり当然、俺の人生を台無しにするものだった。

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