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第21話 青魔導士、酔った侍女と仮病の火鼠に手を焼く

しばらく、誰も話さなかった。


ソリチェラは、卓の全員の立ち位置と、その中で誰を生かしておくのが一番面倒かを、もう決め終えている女の食べ方をしていた。


アリステルはすもも酒を小さく慎重に半分ほど空け、気に入ってしまったことに腹を立てている顔をしていた。


ミラは、人類に不利な証拠を集める女の厳粛さで飲んでいた。


五度目の調査のあと、彼女はすさまじい威厳で杯を置いた。


「庭が必要です」


彼女は四歩進んだ。


評価すべきは、その四歩が非常に規律正しかったことだ。


五歩目で、火酒が貸しを取り立てた。


俺はもう動いていた。


ミラが横へ傾き、商人の夕食へ突っ込む前に肘を捕まえ、脇の戸から庭へ連れ出した。


ミラは鼻から一度息を吸った。


二度。


それから、取り繕うのをやめた。


俺は彼女を支えたまま、厩の柵の脇の泥の上で、人間文化との論争に敗北するのに付き合った。


背後で扉が開いた。


アリステルが出てくる。


彼女はミラを見た。

それから俺を見た。

最後に庭を見た。


救助を命じるつもりで来た者が、救助には手の置き場という問題が含まれることに気づいた顔だった。


「何をすればいいですか」


そこに、誇りはなかった。


だから答える価値があった。


「俺の鞄。左のポケット。水袋。その横に布がある」


アリステルはすぐに動いた。

優雅にではない。

姫らしくもない。


役立たずでいたくない人間の動きだった。


彼女は水袋と布を両手で差し出して戻ってきた。


ミラは、樽火酒への評価を述べ終えていた。


「私は、みっともない振る舞いをしました」


「警告されたあとに飲んだだけだ」


「情報を集めていました」


「朗報だ。敵が勝っている」


アリステルが彼女の横に膝をついた。


俺とミラが驚いた。

たぶん、アリステル本人も驚いていた。


「姫様」


ミラの声が即座に、恐怖に近いものになった。


「黙っていなさい」


言った本人の方が、ミラ以上に驚いているようだった。


俺は布を渡した。


「首の後ろだ。一度に水を飲ませすぎるな」


アリステルは頷いた。

指先は慎重だった。

最初は、慎重すぎるほどだった。


やがて、少しずつ落ち着いていく。


ミラは目を閉じた。

降参だった。


しばらくして、ミラがひどく小さな声で言った。


「姫様が、そのようなことをなさる必要は――」


「あります」


アリステルの声は、思ったより鋭く出た。


彼女は布へ視線を落とし、それからミラを見る。


「ミラはいつも、私が頼む前に、必要なことに気づいてくれます」


ミラは黙った。


アリステルの指が、湿った布を少し強く握る。


「だから私は、ミラには何も必要ないのだと思っていました」


ミラは目を伏せた。


「私の世話をなさることは、姫様の務めではありません」


「ええ。それが、問題なのかもしれません」


ミラには、返す言葉がなかった。

俺にもなかった。


ソリチェラが卓に乱入してから初めて、アリステルは家名を守っている女ではなく、その家名に値しようとしている女に見えた。


俺は立ち上がった。


ミラは落ち着いていた。

顔色は悪い。だが、足元は戻っている。


アリステルは片手を彼女の首の後ろに添え、湿った布を慎重に押さえていた。


「中へ戻るぞ。ゆっくりだ」


ミラは目を伏せた。


「申し訳ありません」


「あとで」


ミラは従った。


俺たちは彼女を中へ戻した。


アリステルはそのままミラのそばに残った。


布を手に、ミラに必要なことを誰かが気づくまで待つ気はない、という顔で。


それで、俺はソリチェラと卓に残された。


彼女は杯の縁越しに俺を見ていた。


「今夜のあんた、ずいぶん腕の貸し出しが気前いいんだね」


「ミラには助けが必要だった」


「ん。便利だね。その手があったか」


「やめろ」


ソリチェラは杯を置いた。


それから、まぶたを震わせた。

下手に。


俺は彼女を見た。


彼女は片手を額に当てた。

ため息の数で報酬が決まる舞台女優みたいな、繊細すぎる苦悩だった。


「ああ、だめ」


「だめだ」


「気が遠くなりそう」


「一杯しか飲んでないだろ」


「僕はとても小さいから」


「ついさっきまで卓の全員に喧嘩を売っていた」


「遅れてくる儚さだよ」


「ソリチェラ」


彼女は俺の方へよろめいた。

完璧に。

完璧すぎるほどに。


「ラフェル」


小さな囁きだった。


「部屋まで介助が必要かもしれない」


卓の端で、顔色の悪いまま背筋だけは保っていたミラが彼女を見た。

酔っていても、失望だけはできるらしい。


アリステルは半拍だけ、意味がわからない顔をした。

それから、耳が熱を帯びた。

必要な分だけは理解したらしい。


俺はソリチェラを見た。


「お前、具合が悪いわけじゃないだろ」


ソリチェラは片目を開けた。


「うん」


声は柔らかかった。


「でも、さっき一度、私を運び出したでしょ。二度目なら、あんたが逃げている感じが少しは薄れるかと思って」


部屋のざわめきが、俺たちの周りに戻ってきた。


断るべきだった。


それが一番簡単で。

綺麗で。

臆病だった。


俺は立ち上がった。


ソリチェラの笑みが戻る。


ただし、今度は少し静かだった。


「そんなに得意そうな顔をするな」


「重病なの」


「ランプ持ちの嘘つきだろ」


「なのに」


ソリチェラは両腕を俺へ持ち上げた。


「病人搬送の準備はできているみたいだね」


俺はアリステルを見た。


「少しずつ水を飲ませろ。酒はもう飲ませるな。寒がったら外套をかける。もう一度謝ろうとしたら無視しろ」


ミラが指を一本上げた。


「異議があります」


「ほらな。回復している」


アリステルは、真剣すぎる顔で一度頷いた。


「わかりました」


「立てるようになったら、二階の角部屋へ連れていけ。寝かせる時は横向きだ。仰向けにするな」


アリステルの目が鋭くなる。


「なぜですか」


「火酒は戻ってくるのが好きだからだ」


ミラの指が下がった。


「異議が少し減りました」


「よし。少しはましだ」


俺はソリチェラへ向き直り、抱き上げた。


口ほど重くはなかった。


彼女は小さく満足そうな音を漏らし、片腕を俺の首へ回した。

その時、俺の痛めた脇腹に負担がかからないよう、身体の位置を少しずらす。


「丁寧にね。僕は繊細だから」


「お前はピアス付きの火事だ」


階段へ向かって彼女を運ぶあいだ、アリステルの目が俺たちを追っていた。


嫉妬、とは少し違う。

好奇心。

困惑。

まだ理解できないものを測ろうとしている目だった。


ミラも見ていた。

水の杯を片手で包んだまま。

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