第19話 青魔導士、食卓で女難を数えられる
肋骨の下で、繋ぎが一度だけ脈打った。静かで、理不尽な感覚だった。
この卓にある問題の一つは、望む望まないに関係なく、すでに俺に結ばれている。
もう一つは、まだ俺の手を握っていた。
夜はもう十分すぎるほど余計なことを語っていた。そして俺は、それをましにできるほど酔っていなかった。
ソリチェラは、まるでその椅子が最初から自分のもので、異論のある者は火で処理すればいいとでもいうように腰を落ち着けていた。
卓の縁の下で、彼女の指は俺の指に絡んだままだ。
否定できるくらい軽く。
否定が無意味になるくらいには、しっかりと。
ミラは、火のついた導火線を見るまともな人間の目で彼女を見ていた。
アリステルの姿勢は、楽にしているにはまっすぐすぎた。
ネフェレットはどこからか座布団まで手に入れていて、この食卓で唯一、心から夜を楽しんでいる顔をしていた。
アリステルの視線が、俺たちの手を見つける。
離れる。
戻る。
「アルダーヴェイルまでは、どれほどですか」
「道が機嫌を損ねなければ半日だ。走った方が賢い何かが出れば、もっと短い」
ソリチェラの親指が、俺の指の節を一度だけ撫でた。
小さな動きだった。
残念ながら、全員に気づかれた。
フードの影で、アリステルの目が細くなる。
「彼女も同行するおつもりなのですか」
「違う」
「そうだよ」
ソリチェラが、俺を見ないままかぶせた。
ミラは半拍だけ目を閉じた。
祈りかもしれない。
作戦かもしれない。
そこでアリステルは、ようやくソリチェラを正面から見た。
「あなたは、彼と親しいのですね」
ソリチェラは答える前に、絡めた手へ視線を落とした。
「うん」
それから、口元を曲げる。
「僕は若くて世間知らずだった。彼は年上で、ひねくれていて、悲しいくらい余ってた。変わったのは片方だけだけどね」
俺は眉をひそめた。
ソリチェラは俺を見て笑った。
「ほら。まだひねくれてる」
アリステルの視線が、俺たちのあいだを一度だけ行き来した。
「では、彼にとっては珍しくないのですね」
ソリチェラの笑みが薄くなる。
「彼にとって?」
アリステルの顎が、ほんのわずか上がった。
「事情を抱えた女性が、彼のそばにいることです」
ソリチェラの手が、傍らの籠灯杖へ滑った。
指先の下で、真鍮の籠が一度だけ熱を帯びる。
大きな熱ではない。ただ、彼女の他の部分がどうするか決めるより先に、苛立ちだけが金属を通って顔を出したような熱だった。
ミラの手が、わずかに卓の縁へ近づく。
俺は息を吐いた。
「ソリチェラ」
「いや」
ソリチェラの目は、アリステルから離れなかった。
「この失敗の続きを聞きたい」
フードの下で、アリステルの耳が静止した。
「あなたは、ご自分を若く世間知らずだったとおっしゃいました」
「言ったね」
アリステルの視線が、俺たちの手へ落ちる。
「そして今も、そうして彼の隣にいる」
ソリチェラの指が、杖を強く握った。
籠が明るさを増す。
「そうだよ。いる」
「僕は駆け出しだった。人間の相棒を見つけた時、運が向いたんだと思った」
アリステルは目をそらさなかった。
「それで?」
「それでも、僕は僕だった」
ソリチェラの目は、アリステルから離れない。
「小さくて、亜人で、責めるにはちょうどよくて、罰するにはもっと都合がいい。運が向いても、耳が消えるわけじゃない」
籠の火が、もう少しだけ明るくなる。
「この男は、いろいろひどいよ。冷たい。馬鹿。頑固。まともな人間なら引く場面で、なぜか前に出る」
「ソリチェラ。そこまでだ」
届いてはいた。だが、彼女の目はまだアリステルに向いたままだった。
「でも、そういう男じゃない。弱っている女につけ込む男じゃない。侮辱するなら、もう少しましなものを選びなさい」
一呼吸だけ、卓が固まった。
それからネフェレットが杯を持ち上げ、微笑んだ。
「青魔導士を囲んで、女たちがどの罪を彼に背負わせるか言い争う。滅びない伝統というものもあるのね」
ソリチェラの視線が、ネフェレットへ刺さった。
指先の下の真鍮籠にはまだ熱が残っていたが、燃え上がりかけたものは少し薄れた。
「青魔導士が、今の話に何の関係あるの」
ネフェレットは、ただ微笑んだ。
「あなたが怒っていることの、全部よ」
ソリチェラの視線が俺へ戻る。
そこには、もう演技らしいものが残っていなかった。
「ラフェル」
俺は黙っていた。
「何が変わったの」
食卓がもっと悪い方向へ転がる前に、俺は給仕の娘を捕まえた。
「温かいものは」
彼女は卓の横で足を止めた。
客の全員がそれぞれ別の種類の悪い夜みたいな顔をしている卓に近づく女の、用心深い忍耐を浮かべていた。
「煮込み、肉、パン、汁物です」
「煮込みを卓に。肉。パン。汁物は多めで」
給仕の娘は素早く頷いた。
ミラの目が、カウンターの奥に並ぶ濃い色の瓶を見つけていた。
「人間の宿には」
彼女は慎重に言った。
「火酒というものがあると聞いています」
給仕の娘が、俺を見た。
「樽火酒だ。穀物を潰して発酵させ、火にかけて強い酒にしてから、木樽で寝かせる。樽が色ともっともらしさを移して、造り手が品格のあるものを作ったふりをできるようになるまでな」
ミラは、攻城兵器を検分する女の重々しさでそれを考えた。
「何が起きるのですか」
「だいたい、人間が悪くなる」
彼女の目がソリチェラへ動いた。
ソリチェラが笑う。
ミラは瓶へ視線を戻した。
「一瓶」
「一杯だ」
「私はあなたと旅をしています」
「気づいている」
「そして、その火術師もどうやら同行するようです」
「誰も認めていない」
ソリチェラは、ほどけていた俺の手をもう一度取ると、卓の下から少しだけ持ち上げた。
ミラの表情は変わらなかった。
「一瓶」
彼女は繰り返した。
俺は彼女を見た。
本気だった。
俺は給仕の娘を見て、首を振った。
「一瓶」
ソリチェラの耳が持ち上がった。
ほんの少しだけ。
鼻も一度ひくついたが、拷問されても認めないだろう。
俺は彼女を見た。
彼女は、すでに有罪の女が浮かべる辛抱強い無実の顔で見返してきた。
俺はため息をついた。
「杯を三つ」
ソリチェラが笑う。
「気前がいいこと」
アリステルは何も言わなかった。
それが、聞かれるより悪かった。
彼女はフードの下でじっと座っていた。
手は手つかずの茶の近くで重ねられている。
貴族の女が、誇りの置き場をなくした時にだけ見せる種類の落ち着きだった。
俺は給仕の娘へ視線を戻した。
「すもも酒があれば、一杯」
アリステルの目が上がる。
「私に、ですか」
俺は、横を運ばれていく椀へ顎をしゃくった。
「フリルグレイヴの食事を見る限り、この宿の飯は半分くらい口に合わない。すもも酒なら、残り半分を許せる程度には感覚が鈍るかもしれない」
それで、彼女は少し言葉に詰まった。
また卓へ視線を落とす。
俺はネフェレットを見た。
彼女は茶杯を軽く持ち上げた。
「わたしは今のままで十分よ」
給仕の娘はネフェレットの茶へ目をやった。
その茶がどこから出てきたのか、この卓の誰も知らないらしいと悟ったようだった。
そして賢明にも、自分には他の仕事があると決めた。
給仕の娘が去った瞬間、ソリチェラが身を乗り出す。
「この男が何に巻き込まれたのか、知りたい」
「ここでは話さない」
彼女の目は卓に向いたままだった。
「あんたに聞いてない」
ソリチェラはネフェレットへ向き直った。
「さっき、この男のクラスの話をしたね。どういう意味?」
ネフェレットの笑みは動かなかった。
「あら。つまり、彼はあなたに話していないのね」




