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ホモ彼氏のオトしかた  作者: ろばてーる
16/16

あれから10年…

「雅宗ー!支度できたー?」

「後ちょっとー!」

雅宗を待って早10分。

結婚して8年経つが、未だに私より身支度が遅い。

男のくせになにがそんなに遅いのか。

「雅宗!もう遅刻しちゃうでしょ!いつまで服で悩んでるの!!!」

毎回毎回服が決まらないだの髪が決まらないだの…。

「だって今日は同窓会だぞ?久しぶりに同級生に会うんだからカッコつけたいだろ?」

「あーはいはい、雅宗はカッコつけなくてもカッコイイんだからいーの!」

その言葉に雅宗はにやけ始める。

「そーだよね。うん、じゃあこれでいいや。」

雅宗の扱いは私が一番上手い自信がある。


やっと家をでて、集合場所へと車を走らせた。

高校を卒業して10年。

私は専門学校、雅宗は就職。

お互い別々の道に進んだ。

大体ここでカップルっていうのは上手くいかなくなるとよく聞くけど、私達の場合はそういう倦怠期みたいなのもなく、順調だった。

そりゃあ喧嘩は沢山したし(主に雅宗がカッコイイ男がいるとすぐ興奮するなど)問題はあったけど、私が専門学校を卒業してから1年後、私ははれて高尾愛華になったのだ。


同窓会の行われる会場へ到着し、急いで中へ入ると懐かしい同級生達の顔があった。

みんな私達に気がつくと集まってきて、

「おー!高尾夫婦じゃん!」

「久しぶりだねー!」

いつの間にか囲まれる。

「老けたな〜高尾!」

「ちょっと!愛華も高尾なんだからややこしくなるでしょ!」

もう盛り上がりすぎて話に入ってけないんだけど。

「あれ、てか愛華お腹出てない?」

1人が私のお腹をみて声を上げる。

「え、愛華ついに下っ腹出る年になったか!」

おいこら。

「違うわ。妊娠してるの。」

そう、私は今妊娠してる。

バレたくなかったから隠してたつもりなのに…さすがに無理だったか。

「え、待って…何人目?」

「この子で4人目だよ。」

雅宗はドヤ顔で私のお腹を撫でる。

その瞬間さらにみんなの声はヒートアップし始めた。

「まじ!?雅宗強すぎ!!!」

「この若さで4人目とかやば!私なんてまだ結婚すらできてないのに!」

あー、うるさいな。

「雅宗、ちょっと疲れたから私座ってる。皆の相手は任せた。」

私はすべてを雅宗に押し付けてソファへ逃げた。

でもそれが間違いだった。

雅宗にすべてを押し付けたことにより、私の家での話や、子供を4人も作ろうと思った理由とか、なんかとんでもないことも全てを雅宗は語ったらしく…。


「雅宗、家帰ったら覚えてなさいよ…。」

「悪かったって〜。でも自慢したかったんだもん。」

拗ねる雅宗。

この顔を見ると怒りが消えてしまう。

そんな雅宗に弱すぎる自分がいやだ!!!

だから代わりに雅宗のほっぺたをつねってやった。

「でもやっと夢が叶ったね。」

「子供は4人ってやつ?」

「まさか雅宗があの社会の授業であんなに影響受けてたなんて…面白すぎるんだけど。」

そう、伊達政宗の授業。

あの授業で伊達政宗は愛姫との間に4人の子供を作った話を聞いて、私と結婚したら4人子供が欲しいと本能的に感じたらしい。

「だからあの後すぐ私に告白したとか…可愛すぎかよ。」

その真実を聞いた時は、かなり嬉しかったことを今でも覚えている。


雅宗からの2回目のプロポーズは私が専門学校を卒業した時。

卒業式が終わり、雅宗が車で迎えにきてくれた。

そして花束を差し出して一言。

「俺との子供を4人作ってください。」


今思い出しても笑えてくるプロポーズだった。

でもそれが私にはなんだか嬉しかったんだよなぁ…。


あれから8年。

雅宗との8年はあっという間だった。

まだ片想いしてた年月よりは大分少ないんだからそれもそうかと思う。

12年も片想いしてやっと叶った幸せを私はこれから先、何十年ずーっと、大切にしたい。


「ねぇ、雅宗。」

「ん?」

「これからもよろしくね。」

そうして、もう何度目かはわからないけれど、昔と変わらず優しくて甘いキスをした。






最後まで読んでいただきありがとうございました。これを読んで少しでも幸せになって頂けたら嬉しいです。

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