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友情補正と最終決戦

第二十一話 友情補正と最終決戦


 世界喰らいの巨大な腕が振り下ろされる。


『まとめて消えろ』


 黒い光。

 圧倒的な破壊の奔流。


「来るぞ!」


 シオンが叫ぶ。


「アキラ!」


 リンも叫ぶ。

 だけど。

 僕はなぜか落ち着いていた。


 昔の記憶。

 クロの記憶。

 そして今の仲間たち。


 全部が繋がっている。


「みんな」


「うん」


 メイアが頷く。


「やることは変わらない」


「そうだな」


 シオンが笑う。


「ぶっ飛ばせばいいんだろ?」


「言い方」


 リンがツッコんだ。

 その瞬間。

 ドォォォォォォン!!

 世界喰らいの攻撃が着弾する。


 しかし。

 目の前には巨大な光の壁。

 アキラ三号だった。


『防御成功』


「助かった!」


『成功率100%』


「珍しく頼もしい!」


『珍しくとは?』


「そこ気にするんだ」


 どうや気にしていたらしい。

 その時。

 メイアが突然僕を見た。


「アキラ」


「ん?」


「思い出した」


「本当に?」


 メイアは真剣な顔だった。


「数百年前」


「うん」


「私のお弁当」


「うん」


「全部食べた」


「ごめん」


 反射で謝った。

 全員が吹き出した。


「そこだけ覚えてるのかよ!」


 シオンが笑う。


「重要」


 メイアは真顔だった。


「重要なんだ!?」


 リンまで笑っている。

 すると。

 メイアは少し考えてから言った。


「あと」


「あと?」


「三回くらいやった」


「前科持ちだった!?」


 記憶の中の僕。

 何してるんだ。

 その時だった。

 世界喰らいが再び攻撃を放つ。

 巨大な黒い槍。

 空を裂きながら飛んでくる。


「避けろ!」


 ベルが叫ぶ。

 だが。

 メイアが前へ出た。


「邪魔」


パチッ!!

 軽く指を弾く。

 黒い槍が消滅した。

 沈黙。


「え?」


 僕が言った。


「え?」


 シオンが言った。


「え?」


 リンが言った。

 全員同じ反応だった。


「今何したの?」


「弾いた」


「見れば分かる!」


 説明になってない。

 世界喰らいですら少し固まっていた。


『……』


 たぶん向こうも困惑している。

 学園最強。

 やっぱりおかしい。

 すると。


 アキラ三号が分析を始める。


『結論』


「うん」


『メイア強い』


「雑!」


 分析結果が雑だった。

 ベルが頭を抱える。


「古代文明の叡智とは……」


 泣きそうだった。

 その時。

 世界喰らいの周囲に黒い雷が集まる。

 今までとは違う。

 本気。

 明らかに本気だった。


『認めよう』


 低い声。


『お前たちは危険だ』


「ありがとう?」


 僕が言った。


『褒めていない』


「違った」


 少し恥ずかしかった。

 シオンが肩を震わせている。

 絶対笑ってる。


 すると。


 世界喰らいの身体が変化を始めた。

 巨大な腕。

 黒い翼。

 無数の目。

姿がどんどん変わっていく。


「第二形態!?」


「やっぱりあるのか!」


 シオンが叫ぶ。


「テンプレだね」


 リンが冷静だった。


「冷静だな!?」


 だが。

 問題はそこじゃない。

 変化が終わった時

 世界喰らいは――

 なぜか。

 僕にそっくりな顔になっていた。


「なんでぇぇぇぇ!?」


 今日だけで何人目だ。

 もう分からない。

 シオンが指を折り始める。


「アキラ」


「うん」


「クロ」


「うん」


「アキラ三号」


「うん」


「世界喰らいアキラ」


「数えるな!」


 メイアが小さく呟く。


「アキラ戦隊」


「戦隊じゃない!!」


 最終決戦のはずなのに。

 なぜか笑いが止まらなかった。

 だけど。

 その笑いの裏で。

 世界喰らいは静かに言う。


『これで終わりだ』


 空が黒く染まる。

 世界が震える。

誰もが感じた

 

 次の一撃

 そしてその時。

 メイアの瞳が銀色に輝いた。

 数百年前の記憶が。

 ついに完全に目覚めようとしていた――。


挿絵(By みてみん)


第二十二話へ続く

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